“秀太事件”は2007年10月1日横浜戦5回裏、ショート・秀太(田中秀太/現阪神スカウト)のたび重なる守備のミスを受けた下柳氏が激怒し、マウンドにグローブを2度叩き付けた出来事のこと。
片岡氏が4月5日から11日にかけて自身のユーチューブチャンネルにアップした4本の動画で、自身の現役時代についてトークをしてきた下柳氏。本動画の後半で片岡氏から「最後にこれだけは聞かないと。何のことか分かるでしょ?」と話を振られたことを受け、この出来事について言及した。
下柳氏によると、同戦は勝利なら自身の10勝、並びにチームのCS進出が決まる試合だったとのこと。ただ、一軍に昇格したばかりの秀太がスタメン起用され、「何で秀太なんや!?」と試合開始当初から怒りを感じていたという。
その秀太は1死一塁の場面でフィルダースチョイス、続く1死一、二塁で打球を弾くなどミスを連発。これを受けた下柳氏は、「俺後ろにゴロンってひっくりかえったんよね。それで『あっ、(これは)恥ずかしい!』と思って、怒ったふりしようと思ってグローブを叩き付けた」という。
1死満塁のピンチを迎える中、「秀太でゲッツー取ったら気持ちよく終われるやろ」との思いでショートゴロを打たせたという下柳氏。しかし、ミスで委縮した秀太が慎重に行き過ぎた結果ゲッツーを取れず、「『おどりゃあ!』って(グローブを叩き付けた)。この時は真剣に怒っていた」という。
「(この一件で)秀太も有名になった」と振り返った下柳氏。動画内で具体的な詳細は明かされていないが、「(あの後秀太は)どこかのテレビ局から、30万円くらいの時計をもらってた」と暴露していた。
今回の動画を受け、動画のコメント欄やネット上には「打ち取った打球なのにあれだけミスが続いたらそりゃ怒るよなあ」、「1回目のグラブ投げがわざとっていうのは意外、当時見ててめちゃくちゃ怒ってるように見えたのに」、「1回目に叩きつけたのは照れ隠しだったのか、意外とかわいいところあるんだな(笑)」、「その後のゲッツー崩れはともかく、狙ってショートゴロ打たせるのは凄いな」、「秀太が時計もらった話は初めて聞いたぞ」といった反応が多数寄せられている。
現役時代にダイエー(1991-1995)、日本ハム(1996-2002)、阪神(2003-2011)、楽天(2012)の4球団でプレーでした51歳の下柳氏は、阪神試合の9年間で「196試合・80勝56敗・防御率3.68」といった数字をマーク。2013年3月の引退表明後は野球解説者に転身し、テレビ・新聞などで精力的に活動を行っている。
阪神(1995-2009)一筋で現役生活を送った43歳の秀太は、プロ12年間で「624試合・.230・3本・52打点・200安打」といった数字を記録。引退後は2010年から阪神のスカウトを務めており、中谷将大(2010年ドラフト3位)、梅野隆太郎(2013年ドラフト4位)といった選手の獲得に尽力している。
同戦は「9-7」で阪神が勝利し、自身にも10勝目の白星がついている下柳氏。ただ、ミスを3連発した秀太の“珍プレー”は今も強く印象に残っているようだ。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
片岡篤史氏の公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCSFE1o0ihc5mfODf2FybeuA