報道によると、今回の一件は新型コロナウイルスの感染拡大を受けてのもので、この影響により出走を取り消される一般枠ランナーは約3万8000人に上るとのこと。また、大会運営に携わる約1万1000人のボランティアも、大幅に人員が削減される見通しであるという。なお、今回出走取消となった一般参加者には来年の大会への出場権が与えられるが、参加料は返金されない方針であることも伝えられている。
2007年にスタートした東京マラソンは、毎年100万人以上の観衆を集める国内屈指の規模を誇る大会。しかし、東京五輪男子マラソンの代表選考会を兼ねている今大会は、日本記録保持者・大迫傑(ナイキ)や前日本記録保持者・設楽悠太(ホンダ)ら招待選手をはじめとした、約200人程度のエリート枠ランナーしか参加できないという形になった。
今回の決定を受け、ネット上では「賢明な判断だと思う、走りたかった人は残念だけど何より命が大事」、「よく中止に踏み切ったな、個人的にはエリート枠も中止でいいと思うけど」、「大会のためにここまで練習してきたのに納得できない」、「参加料返さないとか何考えてるんだ、走らせないなら全額返せ」といった賛否の声が数多く挙がっている。
一方、「東京マラソンがこれなら、いよいよプロ野球も怪しくなってくるな」、「選手に移ったら一巻の終わりだから、試合が無観客試合になったりするかもしれない」、「下手したらシーズン自体が延期・中止に追い込まれるかも…」といった、球界への影響を懸念するコメントも少なからず寄せられている。
新型コロナウイルスの影響は、球界にも着実に及び始めている。17日午後5時の時点では、DeNA、阪神、中日、西武、楽天の5球団が公式サイト上に、練習試合やオープン戦でのジェット風船の使用自粛を求める文章を掲載(楽天は“自粛の可能性あり”と掲載)。
また、ヤクルト、西武、楽天、ロッテ、オリックスの5球団は公式サイト上で、握手やサイン対応といったファンサービスを当面の間自粛する旨を発表している(ヤクルトは“自粛の場合あり”と発表)。
さらに、阪神(20日)、西武(19、21日)の2球団に関しては、それぞれ予定されていた台湾・統一ライオンズとの交流試合が統一側からの申し出により中止に。新型コロナウイルスを理由に、実際に試合が中止されるケースも既に出てきている。
感染拡大を危惧し、一スポーツのイベントが大幅な計画変更を余儀なくされた今回の一件。来月20日に開幕が予定されているプロ野球も、今後の状況によっては「開催すべきか否か」の判断に迫られる可能性は否定できないところだろう。
文 / 柴田雅人