岡田結実主演の『女子高生の無駄づかい』(テレビ朝日系、毎週金曜日、夜11:15~放送)は、ビーノ氏による同名漫画が原作だ。暇を持て余している女子高生の田中望(岡田)・菊池茜(恒松祐里)・鷺宮しおり(中村ゆりか)たち3人の日常を描いたコメディドラマとなっている。アニメ化もされた人気作品であったため、原作ファンからの注目度も高かった本作だが、視聴者からは「岡田の演技がオーバー過ぎて見るに耐えない」「アニメの雰囲気再現しようとしてるのか、効果音とかBGMも控え目だけど、それが一層“滑ってる感”を強調しているように感じる…」という声が挙がっている。
また、福原遥主演の『ゆるキャン△』(テレビ東京系、毎週木曜日、深夜1:00~放送)は、あfろ氏による同名漫画が原作だ。女子高生の志摩リン(福原)・各務原なでしこ(かがみはら・なでしこ/大原優乃)・大垣千明(田辺桃子)・犬山あおい(箭内夢菜)・斉藤恵那(さとう・えな/志田彩良)たち5人がキャンプを楽しむ日常を描いている。前クールの同枠にて放送された漫画原作のドラマ『新米姉妹のふたりごはん』の評価が高く、期待値が高まっていた本作。
しかし、視聴者からは「今までメインキャラ5人のほかにも、生徒とかガヤがいっぱい出てたのに、話が進むにつれて全然出なくなってる!いくら何でも不自然すぎる」「1話でなぜか脚本が変更されて、3話のセリフがおかしくなってる。1話でりんにキウイを渡したのはなでしこ。3話ではキャンプ場まで車で送ってくれたお姉さんに"キウイのお姉さん"って言ってる。明らかに制作側のミス」という指摘が集まっている。
「『恋はつづくよどこまでも』や上記ドラマに共通しているのは、漫画の世界観を再現しようとして実写として不自然な仕上がりになってしまったことです。また、原作を改変することで原作の良さをなくしてしまった、もしくは改変による矛盾が生じてしまったという点も挙げられます。原作に寄せすぎても『現実ではあり得ない』と指摘され、ドラマオリジナルの要素がありすぎても『原作とイメージが違う』と批評されてしまうのが、実写化ドラマのつらい部分です。
しかし、2019年放送の『凪のお暇』(TBS系)や『G線上のあなたと私』(TBS系)のように、漫画原作のドラマでも評価の高い作品はあります。どちらの作品も、話にリアリティを持たせるために、原作のストーリーの順序を入れ替えたり、もしくはさらに掘り下げたりして、作品自体に深みを持たせていました。原作で作者が伝えたかった“テーマ”をそのままドラマにも残していることから、視聴者からも『原作へのリスペクトが感じる』『オリジナル要素入れても軸がぶれてないから見てて違和感がない』と称賛の声が挙がっていました。上記3作が不評の原因は、こういった点が深く関係しているでしょう。」(ドラマライター)
漫画原作のドラマでも、竹内涼真主演のミステリードラマ『テセウスの船』(TBS系、毎週日曜日、夜9:00~放送)は、原作のシリアスな雰囲気を残しつつ、原作とは違った展開も盛り込まれおり、数々の称賛の声が挙がっている。果たして、『恋はつづくよどこまでも』『女子高生の無駄づかい』『ゆるキャン△』は原作の良さとドラマの良さの両方を生かせるのだろうか。今後の展開に注目したい。