同作品は、『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で2013年から2015年まで2年間連載(後に続編も執筆された)されていた人気漫画作品を舞台化したもので、昨年には11月~12月に東京公演が行われ、全席完売するほどの人気を得ていた。
キャストは中島のほか、人気タレントの古屋敬多、人気声優の梶裕貴など豪華で、演出は宮本亞門が務めたことでも話題になった。
HPでは、中止の理由は「諸般の事情」と説明しているが、一部メディアによると、出演者やスタッフのスケジュール調整ミスなどが原因とされており、他にも様々な要因があったようだ。
ある週刊誌記者はこう分析する。
「『イノサン』は18世紀のパリを舞台にした作品で、その高い作品性が評価され、第17回文化庁メディア芸術祭で審査委員会推薦作品に選出されています。しかし、女性を中心に熱狂的なファンは多いものの、海外公演を行えるほどの国民的人気作かと問われると少々疑問は残り、シリーズ20巻の累計発行部数は電子版を含めて150万部です。出版不況の最中、150万部はヒット作ではありますが、同じ巻数の『バクマン。』(同)が1500万部、22巻の『テラフォーマーズ』(同)が1600万部を売り上げている現状を考えると、わざわざ海外公演にまで訪れるファンはそこまで多くないことが予想されます」(某週刊誌記者)
また、突然の中止が決断できたのは以下のような事情もあるという。
「昨年好評だった舞台も人気者を多数配役したこともあり、11月29日~12月10日までの12日しか上演できていません。本来、海外公演は何度かロングラン公演を行った後に行うのが基本なので、今回のパリ公演は勇み足過ぎたところは否めません。ファン層も、演劇というよりも役者や声優のファン層がメインなので、海外へ行ける層はあまり多くなく、席が埋まらなかったため、突然の中止が決断できたのだと思われます。飛行機の予約を取るなど振り回されたファンは可哀想だと思いますが、日本での再演を期待したほうがいいかもしれません」(某週刊誌記者)
いつかは幻の「パリ公演」も実現してほしいところだが……。