“インスタの女王”渡辺直美は、世界を股にかけて躍動中。そんな“次世代の直美”になるべく、昨年世界で名をはせた芸人がいた。
思わぬ形で名前が知れ渡ることになったのは、ピン芸人・チェリー吉武。雑誌「ニューズウィーク日本版」の名企画「世界が尊敬する日本人100人」に選出されたのだ。19年4月に発売された日本版には、先の渡辺(芸人)、大坂なおみ(テニスプレイヤー)、本田圭佑(サッカー選手)、イチロー(元野球選手)、羽生結弦(フォギュアスケーター)、是枝裕和(映画監督)、野沢雅子(声優)、草間彌生(前衛芸術家)、キズナアイ(バーチャルYouTuber)といった面々が掲載された。
チェリーは、「1分間に尻でクルミを割った数」の最多記録をはじめ、多くのギネス世界記録を持つ。“日本人100人”の中では群を抜いて知名度が低いが、偉業は称えられる。ちなみに、妻は同じく芸人の白鳥久美子(たんぽぽ)だ。
世界一の称号を手中に収めるべく、日本代表まで進んだのは、さらば青春の光・森田哲矢。昨年、フィンランド発祥のスポーツ・モルックの日本代表選手になった。
モルックと呼ばれる木の棒を投げ、3〜4m先に並べられた12本の木製のピンを倒すスポーツ。競技人口は世界で3万人程度。国内では1,000人ほど。プロアマの境界線があいまいで、森田は20人の日本人選手から選出されてもピンとこなかったという。そのせいか、効力もイマイチなかったようだ。国内では、「キングオブコント」史上最多6度のファイナリストという方が浸透している。
漫才最強を決める「THE MANZAI 2013」の優勝コンビ・ウーマンラッシュアワー。表舞台から姿を消したボケの村本大輔は、40歳の節目となる今年11月をめどに、活動拠点を日本からアメリカに移す予定だという。
17年夏に、米国ロサンゼルスで人生初のホームステイ留学。小学生レベルの語学に愕然としたが、翌18年にはコメディークラブのステージに立ち、英語でネタを披露できるまでに成長。今はスタンダップコメディアンの肩書を得て、ニューヨークのアポロ・シアターの舞台にも立つ。
ギネス芸人のみならず、コント師も漫才覇者も“世界が尊敬する日本人”に値する。SNSという最強ルーツを武器に、今年はさらに偉才が国外流出しそうだ。
(伊藤由華)