“畳と女房は新しい方がいい”の格言がこの奥深き競馬道に当てはまるかは疑問だが、GI・ヴィクトリアマイルでは13、14、15着と仲良く枕を並べて馬群に沈んだおつぼね様方にはまったく魅力を感じない。もっとも“味噌と女房は古い方が味が良い”という対極の格言もあるようだが、ここはトレーナー、鞍上、そして、当の推奨馬とすべてにおいてフレッシュさが目に飛び込んでくるミスベロニカで勝負だ。
平田厩舎の3歳牝馬といえば、いの一番に先のオークスでは無念のハナ差に泣いたベッラレイアが思い浮かぶが、「ベッラは“守ってあげたい女の子”って感じだけど、こちらは、女馬とは思えないほどの“闘争心の塊り”なんだ」と師。
「でも、そんな気性で一人で返し馬もできず、デビュー戦なんか、どんなレースになるかのか想像だにできなかったのに、わずか4戦目で重賞に挑戦できるんだからね。前走でも引っ掛かって男馬相手に押し切るんだもの。体質、精神力はベッラより上。相当な馬だよ」とオークス2着馬にも匹敵する高評価。
さらに「何といってもまだ3戦のキャリアだけど、その分、未知の魅力はある。秋にはベッラレイアと同じ舞台(秋華賞)に立たせたい馬」とまでいい切るほど、ほれ込んでいる。
もちろん、「重賞は初騎乗、与えてもらったこのチャンスをぜひ、ものにしたい」と、まだあどけなさが残る荻野琢磨騎手も闘魂騎乗を誓う。
48kgのハンデは裸同然。ミスベロニカが今年の人魚姫だ。