昨年、3割30本100打点をクリアし、大ブレイクを果たした巨人の岡本和真。今季も4番としての活躍が期待されるも、思うようなパフォーマンスを発揮できていない。背番号25は今、大きな壁の前に立ちすくんでいるようにも見える。
今季、GWを終えた時点で特に気になるのが三振数だ。その数はここまで試合数を上回る36個、打数のおよそ30%に当たる。さらに深刻なのはその内容で、大振りな面が特徴ではあるとはいえ、今季は外角のボール球で仕留められるケースが多い。
10得点で大勝した5月6日のDeNA戦。岡本は2三振を記録していて、2打席目はインサイドを攻められた後、外のボール球をたて続けに空振りし三振、第4打席には近めのボールに手が出ずフルカウント後、外の際どいコースを見逃し。不振を象徴するような三振を喫し、いつもの無表情のまま首を傾げていた。
昨季も三振の数はトップのヤクルト・バレンティンと一つ差の120個だったが、大きく上回るペースの今季序盤の岡本。今後、さらに厳しくなっていくであろう内・外角の攻めに対する見極めが、「2年目のジンクス」打破の大きなポイントとなるだろう。
岡本のみならず、2019シーズンは、パリーグでも昨年24本塁打と飛躍を遂げた千葉ロッテの井上晴哉、パ新人王の楽天の田中和基も成績が上向いて来ておらず、いずれも2年目のジンクスに苦しんでいる。開幕から一か月余りが過ぎ、チームの顔として多くの視線を一身に集め続けているこの時期、どれだけ復調出来るか。プロ野球選手としてのキャリアの分岐点を迎えていると言えるのではないだろうか。
原監督は昨年の就任直後、「4番を競わせることは無い」と語った通り、開幕以後4番の座から岡本を動かすことなく5月を迎えた。だが、チームは首位と好調の中、代名詞とも言える本塁打は先月19日の7号を最後に沈黙のままだ。若き主砲の苦悩は続いている。
(佐藤文孝)