KING OF KNOCK OUTフライ級トーナメント決勝戦、ライト級アジアトーナメント一回戦など豪華カードが目白押しとなっている今大会は、KNOCK OUT史上最多の9試合。KNOCK OUTの木谷高明オーナーは「手売りをしている限りはプロとは言えない」というポリシーを持つ。格闘技業界では珍しく選手によるチケットの手売りを禁止しており、試合数は多くても7試合程度に収めてきた。しかし、今大会は2018年の総決算の意味合いがあり、自然と試合数も増えてしまったというのが実情のようだ。旗揚げから尽力をしてきた小野寺力プロデューサーにとっては嬉しい悲鳴と言ったところだろう。
▼第1試合 (61.5kg契約 3分5R)
“Mr.KNOCK OUT”森井洋介 対 “やんばる将軍”マサ佐藤
初代ライト級王者でKNOCK OUTの顔とも言える森井洋介が、なんと第1試合に登場する。現在ライト級アジアトーナメントに出場中の森井は「小林(聡会長)さんに行けと言われれば両国も出ます」と話していた。結局、ゴーサインが出た。年内最後の試合は昨年ベルトを獲得した両国のリングで行う。相手はパワフルな攻撃型の実力者・マサ佐藤。第1試合から激しい打ち合いで会場がヒートアップするのは間違いないだろう。
▼第2試合 (48kg契約 2分5R)
“渋谷小町”小林愛三 対 “ムエタイ才女”伊藤紗弥
KNOCK OUTの女子エース小林愛三(まなぞう)が、ジュニアタイトル4階級制覇を成し遂げた伊藤紗弥と対戦。愛三にとっては年内最後の試合をKOで飾りたいところ。ボーイッシュで親しみやすい愛三はメディア露出を強化すれば人気が出るのは間違いない。バレーボール出身でふくらはぎが自慢の“ふくらはぎ系女子”ブームを巻き起こしてもらいたい。熱望しているRENAとの対戦の行方も気になるところだ。
▼第3試合 KING OF KNOCK OUTライト級アジアトーナメント一回戦(61.5kg契約 3分5R)
“神撃キッカー”重森陽太 対 “SBの遊牧民族”ボルドバートル・アルタンドルグーン
一撃必殺の蹴りを持つ重森陽太が登場。過去に日本で大活躍したアマラ忍が推薦するボルドバートルとアジアトーナメント一回戦で激突。森井、ヨードレックペットの本命2人が順当に準決勝に進出しただけに、重森も期待に応えたい。
▼第4試合 KING OF KNOCK OUTライト級アジアトーナメント一回戦(61.5kg契約 3分5R)
“コリアンデビル”チャンヒョン・リー 対 “居合いパンチャー”町田光
RISEスーパーフェザー級王者のチャンヒョン・リーがKNOCK OUTに初登場する。KNOCK OUTにレギュラー参戦中の町田光は再戦を制して準決勝進出となるのか?相手を失神させる恐怖のハードパンチャーのリーは、RISEでも狙われる立場にあるが、見るたびに強さが増している。町田は新日本プロレスの永田裕志と取り組んだ特訓の成果が出せるか注目である。
▼第5試合 (58.5kg契約 3分5R)
“鉄腕燃焼中”駿太 対 “逆境スピリット”村田裕俊
ベテランながら、常にトップ戦線を張る正真正銘の鉄人・駿太。昨年2月に森井洋介相手に一歩も引かず、大応援団の声援をバックに引き分けた村田裕俊との一戦はどんな結末を迎えるのか?
▼第6試合 (55.5kg契約 3分5R)
“SPEED ACTOR”小笠原瑛作 対 “凶暴三兄弟・次男”髙橋亮
旗揚げ大会からレギュラー参戦し一躍、軽量級の代表選手となった小笠原瑛作が、半年ぶりにKNOCK OUTのリングに復帰。華があるのだから、来年はもっとKNOCK OUTにも参戦してほしいところ。1年前には、同じく両国で髙橋亮と対戦している。瑛作が勝てば悲願の那須川天心戦実現へ大きく前進した試合だったが、髙橋は後半に盛り返しなんとか引き分けている。ここは両選手による激闘に期待したい。
▼第7試合 (65kg契約 3分5R)
“ボルケーノ”水落洋祐 対 “シュートボクシングの若きエース”海人
18日に両国で行われたシュートボクシングの大会で、S-cupトーナメントを制し優勝した海人が、KNOCK OUT初参戦!小野寺プロデューサーが「ベストな選手を考えている」と話していた対戦相手には、名勝負製造機・水落洋祐が選ばれた。水落は「勝ったら自分の名を上げるチャンス」と話している。超絶イケメンで色気もあり人気急上昇中の海人だが、やっかいな選手と当たった。
▼第8試合 (65kg契約 3分5R)
“ギラギラ系激闘派”不可思 対 “マッドピエロ”山口侑馬
KING OF KNOCK OUT初代スーパーライト級王者・不可思が王座戴冠後初登場。相手は4年前にTKO負けを喫している山口侑馬だ。この4年間で両選手ともに大きく成長している。両選手ともにKNOCK OUT旗揚げ時は前半に出場していた。今回セミファイナルでこのカードが組まれた意味は大きい。不可思にはチャンピオンとして、負けたらベルトを返上するぐらいの覚悟で臨んでもらいたい。
▼メインイベント KING OF KNOCK OUTフライ級王座決定トーナメント決勝戦(51kg契約 3分5R)
“SUNRISE PRINCE”石井一成 対 “ワンダーボーイ”大﨑一貴
10月の後楽園ホール大会の試合後、「両国のメインは僕に任せてもらいたい」と訴えていた“キック界のプリンス”石井一成。これを聞いた小野寺プロデューサーは「その思いも受け止めた上で考えたい」と話していたが、この一成の願いが通った。今年6月に開幕したKING OF KNOCK OUTフライ級王座決定トーナメントの決勝戦が、両国大会のメインに組まれた。
両者は、過去に2度対戦し引き分けている。お互いに「手の内は分かっている」と話していたが、3度目の対戦に最高の舞台が用意された。フライ級がビッグマッチのメインを飾るのはチャレンジだが、フライ級の素晴らしさを広めるには絶好のチャンス。一成も一貴もスター性がある。このチャンスを活かし、フライ級の黒いベルトを巻いてもらいたい。
現在ブシロードグループでは、山手線を中心としたJRの主要駅に巨大ポスターを掲示している。これは新日本プロレスの『G1クライマックス』『レッスルキングダム in 東京ドーム』と同様のプロモーションだ。RISE、シュートボクシングに続くキック両国3大ビッグマッチの大トリとして、KNOCK OUTにかかる期待は大きい。最後に大会を締めるのは石井一成か?大崎一貴か?格闘技界の注目が高まっている。
写真 / cキックスロード
【どら増田のプロレス・格闘技aID vol.32】