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山口敏太郎の直言(4) AKBと仕事論、頑張る彼女たちが売れるのは必然である

 僕は最近、AKBがらみの仕事が多い。TBS系で放送されている『有吉AKB共和国』では、島田晴香ちゃん、市川美織ちゃん、伊豆田莉奈ちゃん、森杏奈ちゃん、入山杏奈ちゃんと共演し、最近流行りの小人を探したり、都内のグルメ店を廻ったり、秋葉原の萌え系のお店に潜入したりしている。
 また現在レンタルビデオ店で並んでいるDVD『怨霊映像魔編』では、近野莉菜ちゃんと共演し、怪談をたっぷり聞いてもらい、『AKB推し!』(宝島)では、倉持明日香ちゃんをUMA(未確認AKB=UMA)としてコラム執筆させてもらった。こうして絡むことが多くなってくるとやはり、どうしても親しみが沸いてくる。

 最近、総選挙も終わり落ち着いてくると、あちこちから『CDを複数枚買わせるAKB商法は酷い』『AKBのせいでグラドル業界が壊滅した』と様々な意見が聞こえてくるようになった。
 こういう反AKBの意見を聞いていると、「果たして本当にAKBがいけないものなのだろうか?」と疑問が沸いてくる。筆者がこういう事を言うと『おまえは、仕事上のつながりがあるので、AKB擁護の立場にいるのだろう』と反論してくる輩が出てくるのだが、「それは違う!!」と明確に言っておこう。
 何故なら、筆者は仕事相手といえども間違えている場合は批判してきたし、自分で確認したことしか信じないからだ。数々のオカルト現象や超能力者を取材し、その大部分を否定してきた立場から言わせてもらうと、間違いなく彼女たちは本物である。

 多くの若者が夢を持つことが出来ず、自分を成長させるために努力をしない昨今、仕事やセルフプロモーションにあれほど頑張っている彼女たちを誰が否定できるのか。“AKBという厳しい競争原理”の中で必死に生きようともがく彼女たちの姿は感動的ですらある。AKBは本気で“生きている”から、輝いているのだ。
 少なくとも彼女たちと同じくらい努力してきた各分野の第一線で踏ん張っている大人たちは、若かりし頃の自分の姿と重ねあわせ、好感を抱いているはずだ。したり顔でAKB批判をしている人は、彼女たち以上に努力をしたことがあるのだろうか。自分の仕事分野で、もうこれ以上走れない極地までやって倒れこみ、それでも這いつくばって前に行こうと死ぬ気で戦ったことがある人ならば、彼女たちが売れる理由がおのずとわかってくるはずだ。AKBは必死に仕事に邁進するプロ集団なのだ。
 また、総選挙で1位になった前田敦子の名言
 「私のことが嫌いな方もいると思います。 でも私のことは嫌いでもAKBのことは嫌いにならないでください!」
 という言葉は本当に心から溢れた言葉であると思う。台詞や戯言であんな言葉は出ない。あの言葉をわざとらしいと批判するのは穿った見方であり、本気で何かに打ち込んだことのない人間が言うことである。

 大切なことは、AKBの頑張る姿に感動する人間も、AKBに対して批判的な人間も、彼女たちと同じにようにお仕事=己の役目に打ち込んで生きてみることである。
 仕事の分野は関係ない。その分野でトップクラスになるまで打ち込んでみるのだ。主婦は主婦業を極め、フリーターはそのバイト先のオーナーに社員になって欲しいと懇願されるまで道を極めてみるのだ。
 死ぬ物狂いになるまで仕事に打ち込むと、何かが変わるし、一生懸命に生きる人生の意味もわかってくる。今の仕事を本気で何十年もやっていると、学生時代に抱いていた壮大な夢にも近づける。どんなにつまらないと思える仕事でも、極地までいけば、面白さが見えてくる。いや、その仕事に面白さを見出すようにしないと仕事は極めることは出来ない。その極地までいったとき、AKBの輝いていた理由は明確にわかってくる。

 AKBを見るたびに筆者は思う。自分の居場所を見つけるために、自分がこの世にいる意味を見出すために、人は自分の役目を懸命に果たすのだ。努力するのはカッコ悪いと言われた時代は終わり、いまや熱く必死に努力する生き方が再評価されている時代ではないだろうか。
 さぁ皆んな、AKBを見て応援し、自分がかつて置いてきてしまった“夢の約束”をとりにいこう。世の中に不要な仕事は無い。その仕事をカッコ良いものにするかどうかは、己の心がけだけである。皆がそれぞれの仕事で、AKBのように全力で走れたら、この日本は確実に復活する。AKBファンも、アンチAKBも己の中のアイドルを覚醒させ、自分にとっての総選挙を勝ち抜くべく戦ってもらいたい。

(山口敏太郎)

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