3強の中で先陣を切って古馬戦線に殴り込み、復帰初戦のJBCクラシックでは馬インフルエンザの影響で急仕上げ気味だったのにもかかわらず、堂々の2着。同厩の総大将アジュディミツオーを思わせる結果に、改めて大器の片りんを見せた。
だが、果敢に挑戦したJCダートは10着に敗れ、春に続き3度目の挑戦も中央の厚い壁に阻まれた。引きあげてきた同馬を迎えた川島正師は悔しそうな表情を見せたものの、それも一瞬。
「スタートで大きくつまずいて、そのせいで前半かなり行きたがって抑えっぱなしだった。走りのリズムを崩してしまっていた」と、冷静に敗因を分析した。
このレース中に外傷を負うアクシデントもあったが、休むことなく調教を開始。休養以降、常に悩まされていたソエがなくなりハードトレーニングを消化できるようになるなど、体質強化は著しく、「毛ヅヤ、馬体の張りもいいし、ここまで予定通り順調にきた」と師。
「ヴァーミリアンは確かに強いが、地元に戻って力を出し切ればいいレースができると思う。3冠を競った3強もそろうし、頑張りたいね」
怪物の背中を追ってダート界の頂点へ。今年最後の大一番にかける。
【最終追いVTR】船橋競馬場で調教パートナーの佐藤太騎手を背に併せ馬。相手を5馬身追いかけ、直線で鞍上が仕掛けると沈むような力強いフットワークで伸び、クビ差先着。5F65秒6→51秒7→39秒0→12秒6(馬なり)を計時した。佐藤騎手は「先週やっているので、サーッと。前走より状態はさらに良くなっているし、いいですね」とデキに太鼓判。