1989年にナムコから登場した『ワルキューレの伝説』は、『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』の続編にあたる作品である。プラットフォームをアーケードからコンシューマーに移すというのはさほど珍しくないが、その逆はあまり聞いたことがない。さらに本作の場合は、その後再びコンシューマーへと舞台を移し、多数のスピンオフ作品を輩出している。
なお、初代はファミコンで発売されたため、主人公・ワルキューレの容姿がパッケージのそれとは全く異なり、もはや女性かどうかさえ怪しいというチープなものであった。また、難易度も非常に高く(というよりはシステムに問題があるように思える)、攻略本の類がないとほぼクリア不可能。
それでもは売れたのは、ナムコのゲームならまず間違いないだろうという安心感からか。あるいは筆者のようにパッケージに釣られて購入した方も多かったのではないかと思う。同じ理由で『マドゥーラの翼』や『アテナ』なんかも迷わずに購入した筆者。これらのゲームも、パッケージとゲーム画面のギャップに愕然としたものである。
<ドットで描かれたキュートなワルキューレに興奮>
だが、『ワルキューレの伝説』はAC作品(SYSTEMII基板第5弾)だけあって期待を裏切らなかった。そこにいるのは紛れもなくパッケージに描かれていたあの美少女。ついに本物のワルキューレを操作できる日がやってきたのだ。
アイテムの購入など、若干のRPG的要素は残されたものの、前作のように宿屋に泊まってレベルアップする必要などないし、純粋にアクションゲームとして楽しめる代物に生まれ変わった本作は、一躍大人気となった。難易度はさほど高くないがジャンプにやや難があり、慣れるまでは墜落死を繰り返した記憶がある。
ワルキューレの基本攻撃方法は剣による直接・間接攻撃。剣を振るとその方向にビームが発射され、それで敵を倒していくのが基本となるのだが、実は剣自体にも当たり判定があるのがポイント。これで敵の弾(ブーメラン等)を弾いたりすることもできた。
また、MPがある場合は攻撃ボタンを押しっぱなしにすると吹き出し状の魔法選択画面が出現。レバーで使いたい魔法を選択し、ボタンを離すことで強力な魔法の数々を使うことができる。ただし、魔法はゲームを進めるうちに習得していく仕組みなので、最初から全ての魔法を使えるわけではない。なお、吹き出し表示中は無敵になるので、要所要所でこの無敵時間を利用することもワンコインクリアに欠かせないテクニックの一つである。
とまあ、ゲームの概要を大雑把に説明してきたが、結局のところこのゲームは、ワルキューレのかわいさに尽きると思う。攻撃を受けてよろめいたり、岩に潰されてペシャンコになったりと、その動作一つ一つがたまらなく愛らしいのだ。その意味ではやはり“ギャルゲーのはしり”と呼ぶべき作品かもしれないが、これについては各所で未だに議論が続いているようなので、あまり多くは語るまい。
<アレンジ版初代ワルキューレもオススメの一品>
ちなみにWiiのVCでは、今回取り上げたAC版の他にPCエンジン版も配信されている。サウンドが貧弱だったり2Pプレイができないなど様々な面でAC版に遠く及ばないが、オリジナルにはないブラックワルキューレとの対決が用意されているので興味のあるかたはどうぞ。なお、ナムコアンソロジー2(PS)に収録されている初代ワルキューレは、伝説風のアレンジが施されており筆者のいち押し。テイルズなんてどうでもいいのです。早いとこワルキューレの続編をお願いします。(内田@ゲイム脳)
DATA
発売日…1989年4月
メーカー…ナムコ
ジャンル…アクション
ハード…アーケード
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