徳島県警監察課によると、男性警部は4月から10月に掛け、別部署の女性署員から担当外の問い合わせを受けたことに激怒し、「仕事を何でも振ってくるな」と署員がいる前で怒鳴ったほか、警察無線の音声に対して「へたくそ」と声を荒げた。また、男性警部補も10月、別の女性署員に「何様のつもり」「お茶くらいいれたらいいのに」などと発言していた。
監察課は報告を受け調査の結果、2人一連の行為がパワハラとセクハラに該当すると判断。男性警部と警部補をそれぞれ署長注意処分とし、副署長についても監督責任を問い、厳重注意処分とした。2人は事実を認め、「苛立つ気持ちを抑えられなかった」と話している。
徳島県警では今年5月、51歳の警視が徳島新聞の記者に「頭悪いんか」「記者辞めろ」などと怒鳴るなど、9か月間人格を否定するような暴言を吐いたうえ、威圧するような行動をとったとして本部長注意処分を受けていた。
その流れもあり今回の処分となったのだろうが、ネットユーザーは「厳しすぎるのでは?」「自分の管轄外の問い合わせをしたら、怒鳴られても仕方ない」「警察組織は厳しさも必要。怒鳴られたくらいでパワハラでは軟弱な組織になる」などの声が挙がる。
また、「ボロクソに言われても仕方ない人物もいる。一緒くたにパワハラとすると、厳しい指導ができなくなる」「仕事のできない人間がやられたもの勝ちになっている」など、処分に疑問の声が相次ぐ。
ただし、「傍から見て指導とは取られないような言動があったのではないか」「言葉の選択が悪かったのでは」「態度が悪かったんだろ」という声もあった。
判明している事実を見る限り、少々甘いようにも思える今回の事案。「怒られても致し方ない人間」への対応が、問われているのかもしれない。
文 櫻井哲夫