スポーツジムやエステを経営するカリスマ美容研究家の早乙女悠里(天海祐希)。3人の子供達をそれぞれ、水泳、陸上、飛び込みといった競技でオリンピック選手に育て上げ、世間での人気度は高い。しかし反面、冷徹な社長っぷりで子育てもスパルタ気味だ。ある時、そんな彼女の元へ秘書として新倉リカ(長澤まさみ)が雇われる。やや落ちこぼれ気味のリカが採用されたのにはある意外な人物の存在があり…。
世の中、オリンピック選手と政治家をかけもちしようなんて母もいるぐらいだから、主人公のようなスーパー母ちゃんがいようと、別にびっくりしないわね。逆に飛びぬけたスポーツ選手の親って変わった人が多いから、かえってリアルに描けるかも。しかし「どんなに忙しくても食事と掃除だけは自分が行う」と言う悠里のセリフは、作者である野島伸司が考える男の勝手な理想。世間で活躍している母って、みんなが思っている以上に家の事やらないわよ。だって物理的に無理だもん。○舫さんにしろ、カ○マにしろ、いかにやっているように見せるのが、腕の見せ所ね。
時代の先端とかなんだかんだ言って、野島作品って家族の絆とか、どろーんとした人間の醜態を露呈したものが多い。それはそれでいいのだけれど、今回長澤まさみ演じるノホホン秘書や反町隆史演じる幼なじみのコーチの愛により、冷たい仮面を被った天海祐希の好かれるべし本性が引き出されるかといった趣向が古く、前クール「月の恋人」でキムタクが犯した“社長の雪解け物語”の大失敗を思い起こして心配。あの失敗をもう一回やるかフジテレビ。天海祐希だけに勇気があるような気がするわ。(チャッピー)