大みそかに興行戦争するはずだったK-1&DREAMと戦極の両イベント。K-1の谷川貞治イベントプロデューサーから戦極サイドに「一緒に総合格闘技を盛り上げて打倒紅白を目指しましょう」と打診があったことから、戦極が東京・有明コロシアムで開催を予定していた「SRC12」を取り止め「Dynamite!!」に“相乗り”することになった。
合同興行ではK-1サイドが予定していた魔裟斗の引退試合、戦極「SRC12」で対戦を予定していた吉田英彦VS石井慧を同大会でスライドして実施する方針。さらには、DREAM VS 戦極の対抗戦も数試合行い、全18から19試合の興行になるというが、ただこの合同興行はまだ解決すべき問題を抱えている。
ひとつはチケットの分配についてだ。すでに「Dynamite!!」の券買は魔裟斗の引退試合で注目を集めていたこともあり、現時点で残りわずかの状況にある。戦極大みそか興行を買っていたファンのために席を増席できないこともあって、谷川EP自身が「チケットについては調整はついていない。高い席はもう全部売れちゃってるし、チケットに関しては正直モメそうです」と頭を抱える。
さらにテレビの問題もある。これまで戦極はテレビ東京系で放送してきたが、今回の「Dynamite!!」はTBSが主催するイベント。合同開催を発表したこの日の時点でまだテレ東サイドに話がついていない。「うちは旗揚げからテレビ東京さんにお世話になってきてますが、この興行、放送に関してはまだお話ができておりません」(戦極幹部)
かつてK-1とPRIDEが合同興行を開催した際には、その舞台裏で興行収入や分配金をめぐってせめぎあいがあり、仲たがいに至ったとされる。
谷川EPは「今後の格闘技のこと、戦極さんとやることを考えたらいましかない」というが、将来の格闘技界のことを考えるなら、すべての諸問題をクリアしてから開催発表すべき。このままでは“爆弾興行”になりかねない。