「夫はタバコもギャンブルもやらず、お酒もたしなむ程度。ほとんど遊びまわるようなこともせず、残業以外は真っ直ぐ家に帰ってくるような人でした。性格も温厚で、収入にも不満はありません。そして夜の方もレスになるということはなく定期的に私を愛してくれました」
そんな夫婦仲良く円満な時間を過ごす2人だったが、由希子さんの身に、想像もしなかったトラブルが襲う。
「ある日、急に下腹部に軽い痛みを感じました。でも強い痛みではないため、特に気にしていなかったのですが、その痛みは、いつまでたっても治ることがなかったので、一応病院で検査を受けてみたのです。すると医師から、性病だと診断されました。私は過去、性病にかかったことはなく、結婚してからは夫以外の男性とは結ばれていません。それだけにショックは大きかったですね」
帰宅後、夫を追及すると、残業だと嘘をついて風俗に通っていたことを白状したという。真面目だと思っていた彼が夜の店に通っていただけでなく、自分に病気をうつしたという事実に、由希子さんはドン引きした。
「仕事の付き合いでキャバクラに行くとか、百歩譲って私にバレないよう風俗に行くぐらいなら、本音は嫌ですけどギリギリで許容は出来ると思います。でも実際に病気までうつされてしまうと、彼への信頼が崩れるだけでなく『もうこの人には抱かれたくない』と、体を重ねることに対して、生理的な嫌悪感が生まれてしまうんです」
その後、由希子さんは夫へ離婚を申し出た。そして現在は婚活パーティーなどに出向き、新たな男性と再婚を考えているという。
(取材/構成・篠田エレナ)
写真・Bruno Girin