◇今週のこの1枚◇シガー・ロス「Med sud i eyrum vid spilum endalaust(残響)」(2008年/EMI)
今年(2012年)のサマーソニック、マウンテンステージのヘッドライナーを努めたことが記憶に新しいシガー・ロスです。開放感たっぷりの'70年代のフラワームーブメントを髣髴させるようなアルバムでしょうか。
1994年にアイスランドで結成しました。結成した日にボーカルのヨンシー・バーギッソンの妹が生まれ、名前がSigurrosと名付けられ、バンドの名前もそこからとって、シガー・ロスになりました。“勝利の薔薇”という意味です。
表紙のジャケットは裸の男女が走っている開放感を感じさせるもので、アコースティック中心でありながら実験的で、あちこちからサイケデリックの匂いがぷんぷんします。そのサウンドの上にファルセットのボーカルが気持ち良さそうに響いていたり、儚く聴こえたりします。このアルバムでは、1曲目の「Gobbledigook」のインパクトにいきなり耳を奪われます。土着的なリズムとフラメンコを感じさせるリズムがミックスされた中、変拍子に感じさせるアコースティックギターと歌が非常に印象的です。他の曲は、ゆっくりと時間が流れるようなものが多く、アイスランドには行ったことがないのですが、その空を眺めているような気分になります。レディオヘッドのトム・ヨークとかもこのバンドのファンを公言しています。実際、シガー・ロスがフロントアクトをして、世界的な人気も確立したらしいです。
来年の5月に来日公演が日本武道館で決定していて、このようなバンドが日本でも認められるようになったのは、文化的なセンスが上がってきたからでしょうか。どのようなライブをするのかまだ想像がつきませんが、体験してみたいですね。
■マグミ オフィシャルウェブサイト http://magumi.jp/main.html
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