“ヒモ”とは一般的に、女性に生活費などを負担してもらい同居する、無職の男性のことを指す。その語源の有力説として、海女(あま)と男の関係が挙げられるようだ。海女は、仕事をするにあたって腰にヒモを付けて海に潜り、魚や貝を収穫する。船に乗った男性がそのヒモを持ち、獲物がとれるのを待っている様子から“ヒモ”と呼ばれるようになったという。
“ヒモ”は、経済的に女性を頼るだけではない。ヒモが持っている特殊能力としてよく言われる、「とにかく優しい」「甘え上手」「交際し始めは尽くす」「魅力のある特技を持っている」などの能力を発揮して女性を魅了するようだ。「嫌なことはすぐ投げ出す」「財布を持ち歩かない」といった特徴もあるという。
また、ヒモを愛してしまう女性にも特徴があるようで、「女性ばかりの環境で育った」「アイドルなどの熱狂的なファン」「友達が少ない」「仕事に没頭する」「押しに弱い」といった色合いが強いそうだ。決して、経済的に余裕がある女性ばかりではない。ヒモがすごいのは、お金がある女性をターゲットにするだけではなく、ターゲットにした女性に“お金の余裕”を作らせることだと言われている。
ドラマ「ヒモメン」は、鴻池剛氏の漫画「ヒモメン〜ヒモ更生プログラム〜」(KADOKAWA)が原作。前述したようなヒモと、養う側の女性の生活を描いたコメディだ。看護師の春日ゆり子(川口春奈)は、酒とギャンブルが大好きで働く意欲の全くない碑文谷翔(窪田正孝)にベタ惚れ。翔との結婚を夢見るゆり子は、なんとかヒモ体質を改善させようと試みるがうまくいかず…というストーリーだ。
普段生活をしていて、ヒモと関わる機会などない人がほとんどだろう。実際、ヒモとはどういう人なのだろうか。元・ヒモで、現在は主夫というお笑い芸人のトッキブツ・太田光司に、ヒモ時代の生活について聞いた。
「ヒモになるきっかけは、彼女と同棲をし始めて家賃や光熱費が折半になってから。これだけしか払わなくていいんだって、面倒くさいバイトとかを減らしていたら、1年後には彼女に依存してほとんど払ってもらうようになっていました!」と当時を振り返る。
具体的にどんな暮らしをしていたかを尋ねると、「家でずっとYouTubeを観ていました。あと家から出るときは街ブラが趣味なので、いろんな街へ行ってお金を使わず散歩してました」とのこと。できるだけ出費を避け、マイペースな日常を送っていたようだ。
ヒモとして気を付けていたことを聞くと、「養ってもらっているので、基本『やれ』って言われたことはやります。例えば毎日のように『マッサージして』って言われたら断ったりしません。そうして喜んでいる彼女(現・妻)を見て僕も幸せな気分になります」と語った。
また、自分の魅力を保つ方法として「かわいいと言ってくれた仕草は何度もやるようにしています!」と語っており、実際に相手(現・妻)から「仕事で嫌なことがあっても会うと癒される」と言われているという。
最後に、どんな男性でもヒモになれるか尋ねると、「絶対プライドが高い人はできないです!プライドを捨てられて、家事ができる人が向いていると思います!」と回答。やはり、ヒモになるには、それなりの条件が揃っている必要がありそうだ。
リアルなヒモを描いた話題のテレビドラマ『ヒモメン』。この夏“ヒモ”が世間を騒がせるだろうか。注目したい。