「焼肉酒家えびす」は4月下旬に、生肉ユッケなどを食べた客100人以上が食中毒にかかり、そのうち4人が死亡した。富山、福井両県と横浜市は計4店を営業禁止処分とし、他の16店舗については自主的に営業を停止していた。
勘坂社長は被害者への賠償金が高額に上ることから、十分な賠償をするために、処分されていない店舗の営業再開を模索してきたが、自治体から「原因が究明されるまで待った方がいい」との指導があり、再開はできずにいた。その間に営業停止によって、資金繰りが悪化。営業再開は断念し、全社員に解雇を通告したとみられる。
勘坂社長といえば、食中毒事件後初の会見で、死亡者を出していながら開き直り、世間のひんしゅくを買った。その後、一転、平身低頭、土下座謝罪をしたが、最初の会見の悪印象はぬぐえなかった。まさに、事故が起きた際の企業の危機管理意識を考えさせられる一件であった。
今はただ、犠牲となった方のご遺族や被害者へ、少しでも多くの賠償がなされることを祈るばかりである。
(蔵元英二)