小さな事務所と言えば、稼ぎ頭がいて、他はほとんど無名といったところも少なくない。爆笑問題のタイタンなど代表的だろう。だが、グレープカンパニーは、サンドウィッチマンだけではなく、コンスタントに人気芸人を出している。
サンドに続く二番手と言えば、カミナリだろう。出身地の茨城県を生かした漫才で、初冠番組『カミナリのチャリ旅!』(とちぎテレビ)をゲットしたほか、『じゅん散歩』(テレビ朝日系)内で放送される茨城県のインフォーマーシャル(宣伝番組)『カミナリの「たくみにまなぶ」〜そういえば茨城ばっかだな〜』に出演中だ。地元を大切にする姿勢は好感度が高いと言える。
カミナリに続くのが、東京ホテイソンである。2018年度の『ABCお笑いグランプリ』(朝日放送)では、準優勝を果たした。この番組は関西で行われているため、関東芸人である彼らにとっては完全にアウェーである。その場で、準優勝を成し遂げるのは快挙と言えるだろう。『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)でも、ここ2年は準決勝へ進出しているため、今年の躍進に期待がかかる。
ラッセンネタでブレークを果たすも、すっかりテレビからは消えてしまったように見える永野も、意外な活躍を見せている。自ら原作・脚本を担当し、俳優の斎藤工が主演を務める映画『MANRIKI』が海外映画祭で上映され、11月末には劇場公開が予定されており、文化人的な活躍を見せている。もともと、永野は世の中に斜めの視点からツッコミを入れる、ひねくれたセンスのネタをやっていただけに、作家的才能は高いかもしれない。グレープカンパニーの所属芸人はネタ作りのレベルの高さに定評があるため、永野もそうした才能が生かされたのだろう。
ダークホース的存在と言えるのが、あぁ〜しらきである。2018年にはまったく無名ながら、女芸人ナンバーワンを決める『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)の決勝へ進出。5位の成績を収めた。観客を巻き込んだ漫談はインパクトを残し、こちらも“ネタのグレープカンパニー”を印象づける結果となった。
実力派芸人が着実に結果を残しつつあるグレープカンパニーは、これからも安定の躍進を続けて行きそうだ。