キャバクラ勤めに限らず、アルバイトのかけもちをしている若者は非常に多いです。「一つに絞ったほうが、スケジュール管理がラクなのでは?」と思うのですが、皆さんそれぞれ事情があるのでしょう。
キャバ嬢の場合は、大きく二つに分かれます。まずは、「キャバクラだけだと、金銭感覚がズレてしまいそうなので」というタイプ。真面目ですね。もちろん、キャバクラ勤めオンリーが悪いと言っているのではありません。キャバクラ一本で働いている女性でも、金銭感覚がきちんとしている人はいくらでもいます。しかし、かけもちタイプのキャバ嬢は「性格的に、つい散財してしまうことが自分でもわかっているから」、敢えて普通のアルバイトもしているとのこと。ミミ(18歳)は、キャバクラ勤めの一方、ガソリンスタンドでもバイトしていました。女の子としてはずいぶんハードな職種かと思うのですが、バイクやクルマが好きなミミにとっては性に合っているとのこと。尚、ガソリンスタンドの同僚には、キャバクラ勤めは内緒にしているそうですが、キャバクラのお客さんには、ガソリンスタンド勤めをカミングアウトしているとのこと。バイクやクルマが好きなお客さんとは話が合うので一石二鳥のようです。
一方で、「ホントはキャバクラ一本でやりたいんだけど」とボヤくナツミ(20代後半)は、ドラッグストアのレジとかけもちしています。昼間はドラッグストアで働き、夜はキャバクラ、という生活サイクルのようです。当初は、夜だけの勤務だったそうですが、金銭的に厳しくなってきて、昼間も働き始めたとのこと。というと、ナツミが人気のないキャバ嬢かのように聞こえるかもしれませんが、彼女は充分に魅力的なキャバ嬢です。「いかにもキャバ嬢」という派手な容姿に、気の利いた話術で、指名もそこそこ取れています。にもかかわらず、最近は不況の影響なのか、お店自体が早く閉まってしまうことも少なくないといいます。
ここが、一般的なアルバイトとの一番の違いかもしれませんね。一般の飲食店なら、お客さんが来ようと来なかろうと、営業時間までは店を開けておくものです。しかしキャバクラの場合は、「1時間いくら」というセット料金制のためか、例えば正規の営業時間が04時まででも、03時の時点でお客さんがゼロ人だと、お店を閉めてしまうこともあります。03時にお店が閉まった後は、送迎システムがある店は送りの車が出ますし、そうでない場合は、ファミレス等で時間をつぶすキャバ嬢さんもいます。
長引く不況で「キャバクラに遊びに行く金もない」とボヤいているのはお客さん側だけかと思いきや、キャバ嬢さん側にも不景気の影響は出ているようです。(キャバクラ研究家 菊池美佳子)