それは、何か買っても店員を全面信頼せず自己責任でチェックしなければいけないという事だった。
まずはマグノリア・ベーカリーという、カップケーキで有名な店に「セックス・アンド・ザシティ」のツアーで訪れた時、ツアーを催行しているROAD&SK.INCのガイドのジョー・樋口さんに「Tシャツを買ったらサイズをチェックしてください」と言われて(え? 何でまた)と不思議に思ったが、よく間違うそうなのだ。
極めつけはブロードウェイのディスカウントチケット販売で有名なTKTSでの出来事。今年のトニー賞を受賞した「メンフィス」を購入した際、窓口ではっきりと「メンフィス1枚」と伝え、「これ」とパンフレットまで見せたのだが、1時間ほど経ってから劇場の場所を確認しようと思って封筒から取り出したら「ROCK OF AGES」。(おかしいな)と思いつつ劇場まで出向いたらやっぱり「メンフィス」ではない。慌ててTKTSに戻り返品しようとしたら「販売はファイナルで返金できない」と言うではないか! 「そんな! 販売した人の間違いです、隣のブースの人です」と抗議をしたら「だったらそちらに行ってくれ」と面倒くさそうに言う。隣に行ってクレームをつけ、無事リファンドされたがクレジットカード会社から明細書が来るまではわからない。ブロードウェイミュージカルを楽しむ気分が消し飛んで、チケットは結局その後オンラインで購入した。
案内係に事の顛末を報告したらパンフレットを1枚渡された。そこには「チケットを買ったら必ず確認してください」とある。日本ではまずあり得ない発券間違い。今まで何度もTKTSを利用して問題はなかったので全面的に信頼していたが、これからは必ず確認しようと思う。自己責任とはニューヨーカーがよく言う「誰も信用できない」つまり「人を信用してはいけない」と同義語という気がする。(セリー真坂)