「アベノミクス」効果で「売り手市場」と世間では騒がれているが、就職活動は決して甘いものはない。かつて就職活動で153社に落ちた大川興業の大川豊総裁(53)は、自身の就活(今から約30年前)について「就職活動で落ちた数では、おそらく日本一の記録ホルダーですよ。たぶん、今でも破られていないと思うんですけど。このままのキャラで面接を受けに行って。トヨタだろうが、三菱だろうが、ソニーだろうが。僕らの頃は金融系の会社から就活が始まって、面接面接の連続で。大手町に自転車を置いて面接会場回ったのを憶えています」と振り返った。
153社落ちたものの、「結構良いところまでいきましたよ。住友系列では、役員面接までいったり…」と意外と優秀だったという。しかし、独特の感性を持つ大川総裁。「基本的に他の就活生は面接で御社は素晴らしいって褒める感じだったけど、僕の場合は会社を選ぶ立場だと思ってたから、だって自分がその会社入って売り上げを伸ばすワケだから。選ぶ立場で会社の話をしたら、『キミは失礼な人間だ』って批判されてね」と明かした。
また、当時「絶対に倒産することがない」と言われていた山一証券について、大川総裁は面接で「金融系の面接では、山一が潰れる日が来ると主張したんですけど、面接官は『馬鹿か!』って。人事の人は感覚がわからないんだよね。俺は、銀行も証券会社も潰れていく時代がくると分かっていたから、そういう話をしたのに…。まったくそういう感覚を持ってなかったんでしょうね」と具体的なエピソードを例に挙げて語った。
そして、「今の子たちはみんな頭が良すぎて、就活鬱になっちゃうんですよ。成熟社会になっているので、やりたい仕事をやるかどうか。見つけるかどうかが、勝負の時代になってくる」と分析。
そんな大川総裁は、実は10数年前から就活生の相談に乗っている。「今、エントリーシートで100社応募して、100社断られる。厳しい状況になっていて、面接では人間性も否定されたりね」と就活の現状を説明。
さらに「就活生で一番悩みが多いのは、何がやりたいかわからない人たちが圧倒的です。あとは周囲が、名前の知れている大企業じゃないとダメみたいな感じ。親も子供の良いところが分からない、全然わからない。もう、酷いもんだね。分かると言ったら、早稲田に入ったとか、経歴だけしか分かっていなくて、内面を分かっていない」と真剣な顔で問題点を指摘した。
最後に問題点を踏まえた上で、「自分が何をやりたいかわからないって言うけど…例えばアルバイトでも、ファミレスにするのか、ファストフードにするのか、配達業にするのかって、実は選んでいるっていうところから、自分のキャラを見つけていく。自分の今までの行動を基にね。ゲームでもなぜ『ゼルダの伝説』が好きなのか? なぜ『モンハン』が好きなのか? 『パズドラ』が好きなのか? それで『パズドラ』のどこが好きなのかっていうことを極限まで突き詰めると自分のキャラが見えてくる。それが大事」とアドバイスした。
就職活動には、自己PR、志望動機、長所や短所など様々な角度での自己分析が必須。自己分析は最も難問で、就活において一番大切な作業だともいわれいる。これから就活に励む大学生には、大川総裁のアドバイスを参考にして頑張って欲しい。
【プロフィール】
大川豊 1962年2月14日生まれ。東京都出身。明治大学卒業。「大川興業大チャンネル」ニコニコ動画で配信中!