今秋に大勝負を控える亀田家が大ピンチだ。
この日、デンカオセーンとの世界戦に向けて練習を公開した大毅。シャドーボクシングやミット打ちなど順調な仕上がりをアピールした。
さらに練習後にはとんでもないサプライズが待っていた。“仮想デンカオセーン”になりきった史郎氏と3分1Rのスパー。クリンチなどを仕掛けてくる史郎氏にラッシュを連打し、KO寸前まで追い詰めた。
パフォーマンスを終えた大毅は「愛のパンチや。役に立つな。相手がくるからそこで潰せるやろ。あとは体重落とすだけ」と闘魂を注入してもらい、早くも気合い十分。ところが、公開練習に立ち会っていた亀田ジム関係者は「聞いてない。まさかスパーリングをするとは…」とみるみる顔が青ざめていく。
無理もない。史郎氏といえば、一昨年10月にWBCフライ級王者内藤大助に大毅が挑戦した際、反則行為を指示したとされ、JBCからセコンドライセンスの無期限停止処分を言い渡されている。
それだけに、今回の禁断スパーが問題視される可能性があり、戦々恐々としているのだ。
日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛事務局長は「取り急ぎ、ジムの関係者に事実関係を確認して報告してもらうよう指示しました」とした上で「もし指導したとなると、史郎さんのライセンス再交付の際の判断材料になりますね。マイナスの材料になると思いますが、対応は慎重にしなければいけない」との見解を示した。
現在、亀田ジムは11月29日に行われる興毅の世界戦で、史郎氏の復帰を目指している。だが、今回の言動が指導と見なされた場合、ライセンス再発行が見送られる可能性は大きい。そうなれば今回の元祖・亀田トレインの復活計画はとん挫してしまう。
今回の一件について「トレーナー(ライセンス)だけやろ。セコンドについたらあかんのやろ」と語っていた史郎
氏。いずれにせよ、世界戦を控える亀田家にとってはやっかいな問題を抱えることになってしまった。