事件発覚のきっかけは、2月24日に寄せられたホストからの110番通報だった。
「知り合いの2人の女性が、友人の女性を殺してしまったようだ」
愛知県警が、ホストに名指しされた稲沢市の門田典子容疑者(36)と、名古屋市の石川一代容疑者(34)に事情を聴いたところ、知人女性の遺体を豊田市の山中に遺棄したことを認めたのだ。
「女たちに案内させると、豊田市明川町の伊勢神トンネル近くの山中の道路から崖下に投げ落とされた女性の遺体が見つかった。遺体はグレーの長袖シャツに黒のスカートを着用。うつ伏せに倒れており、腐敗も進んでいた。司法解剖の結果、死因は頭部を強く打った事による外傷性脳障害で、全身に殴打されたあざも残されていた。2人は殺害も認めている」(捜査関係者)
殺されたのは名古屋市に住む無職の犬飼幸子さん(31)だった。
「この3人は、もともと同じ名古屋市中区の風俗店で働いていた。仕事帰りに連れ立ってホストクラブに通っていて、3カ月ほど前からは、仕事場にも行きつけのホストクラブにも近い石川のマンションで同居していたようです」(全国紙記者)
3人は、同じホストに入れ上げていた。そのうち、犬飼さんだけが“上客”の扱いを受けるようになり、門田と石川の両容疑者が嫉妬。1月から犬飼さんに乱暴するようになったという。
「2月3日から4日にかけて、いつものように殴ったり蹴ったり、上に乗って腹を蹴り下ろしたりしていると、いつの間にか犬飼さんが息をしなくなった。知人から車を借りて、遺体を豊田市まで運んで崖下に投げ捨てた」(容疑者の供述)
門田容疑者は、栄のいくつものホストクラブに通い、毎日のように駅前や公園でホストたちとしゃべっている姿が目撃されていた。
「典子は、店では静かに飲むタイプで、どんちゃん騒ぎはしなかった。事件の原因となったホストには、ツケの取り立てを代行するほど尽くしていたよ。それなのに、犬飼さんのほうを大事にされて頭にきたんだろうね」(門田容疑者を知るホスト)
切ない話だ。