政権を奪い取った興奮も冷めない31日朝、表情を和らげた“新首相”鳩山氏は「ようやく(政権に)たどり着き、感慨無量だ」と言葉を噛みしめた。しかし“宇宙人”のニックネームをいただく鳩山氏だけに、平凡な物言いにはとどまらない。
東京・田園調布の自宅で早朝、取材に応じた鳩山氏は「希望を見いだせる社会をつくり上げたい」と決意表明。民間登用を含めた人事構想にも意欲を見せたが、「丸1日休みがあったら」と尋ねられると「1日中、漫画でも読んでいたい気持ちがないわけでもない」と発言したのである。
選挙戦の疲れをにじませるひと言ではあるが、漫画好きの政治家といえば麻生首相。愛読書は「ゴルゴ13」と言い切り、首相就任当初は漫画好きのヲタク層から熱烈に支持された。鳩山氏がそんなキーワードを持ち出したことで、官邸から追い出す政敵の神経を逆なでする可能性もある。当てつけを狙ったわけでもないのに、ポンとこういう言葉が出てくるのはさすが宇宙人だ。
さて、民主党には約140人の「新人議員」も仲間入りする。しかし鳩山氏は「かつての小泉チルドレンみたいにはならない。知的レベルでも意思としても、強いものを持った方がそろっている」と胸を張った。
その後、玄関前に現れ、報道陣数十人に「わざわざおいでくださいまして」と笑顔を見せた。“晴れの日”にもかかわらず、前夜からあいにくの雨。心境を尋ねられ、空を仰ぎながら「天気とは違いますね」と返す余裕も。睡眠時間については「2時間ほどね」と答え、車に乗り込んだ。党本部に入る際には報道陣に左手の親指を立てて見せ、勝利を印象付けた。
そんな鳩山氏には海外メディアも興味津津。中国「京華時報」は、鳩山氏のあだ名は「宇宙人」などと紹介し、「『宇宙人』鳩山氏の夢かなう」と伝えている。