−−菊地毅と組んでジュニア・ヘビー級タッグリーグ戦に参加するが。
「菊地さんと組んだことがないんです。まずそこをどうしていくかってのを話し合ってから、連携も作っていかないと。強豪がそろってますからね。でも、菊地さんは新日本に出て(ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア優勝者の)金本(浩二)さんに勝ったり。いま勢いがありますからね」
−−意識するチームは。
「僕らに関しては全部ですね。でも、即席チームが何個かあるんで、そこにどうにか勝つチャンスがあると思う。あとは、今のGHCジュニアタッグチャンピオンチーム(金丸義信&鈴木鼓太郎組)ですね」
−−出場するからには優勝を狙いたい?
「気持ちはそう思っているんですけど、まずは一試合一試合を一生懸命やれば、結果はついてくると思うんで」
−−今年に入ってGHCジュニアタッグ王座にも初挑戦。着実に力はつけてきている。
「丸藤(正道)さんと青木篤志と3人で組んでから、穴から光がちょっと見えてきました。ジュニアタッグに挑戦してからもイマイチ勢いに乗れてなかったんで。全然結果も出なかった。結果が欲しいッスね。結果を出さないと次に進めない。このまま終わっちゃいますよ。それくらいの覚悟です」
−−同期の青木の存在は気になるか。
「同じ日(2005年12月24日)にデビューして、運動神経はずば抜けてましたからね。それに感情表現がうまい。だからお客さんもついてくる。僕はそういうところが苦手だったんで、そこを意識してますね」
−−同じユニットのリーダーでもある丸藤の印象は。
「すごすぎるというだけです。本当に天才ですよ。試合中はとっさにパッと(技を)出しちゃうから、相手もそれについてこられない」
−−それでも、いつかは越えなきゃいけない壁だと思うか。
「丸藤、KENTA、金丸、鈴木と、いつまでもそこが(ジュニアの)トップじゃダメなんですよ。下からの突き上げがないと。僕たちがやらないと。ジュニアの歴史をひっくり返すぐらいの力をつけたい」
−−そのためにはどんなレスラーを目指しきたいか。
「記録より記憶に残る(レスラー)じゃないですかね。潮崎(豪)さんのチョップとか、KENTAさんのキックとか、そういう部分が僕には無いんで。今そこを探している。印象に残らないとやっていけない」
−−ところで、亡くなった三沢さんについては。
「とにかく頑張るだけです」
−−最後に今後の抱負を。
「前に小橋さんに『弾けきれていない』って言われたんですよ。次のタッグリーグ戦では弾けますんで。肝に銘じておきます」。
◎好きなことには一直線
高校時代はレスリングで国体出場の実績もある逸材。そんな伊藤がプロレスへと導かれた原点はテレビゲームだった。
当時中学3年生の伊藤少年は、攻略本を購入してまでプロレスゲームに熱中。対戦では“無敗伝説”を誇るほどのやり込みようで、その当時は佐々木健介が好きだったという。
そんな伊藤がレスリングと出会ったのは、高校1年生の体育の授業。初挑戦のレスリングで「ブリッジがすごい」と監督の目に留まり、高校2年生の時に門を叩くと、瞬く間に実力をつけ、76キロ級で国体に出場した。
その後は国士舘大学に進むも「やりたいことをやりたい。プロレスラーになれるんじゃないか」と一念発起し、レスラーを目指した。
ノアのスタッフから「ひとつのことに熱中したら、周りが見えなくなる」と評されるように、好きなことに打ち込める並々ならぬ集中力が、プロレスラー伊藤を生み出した。
<プロフィール>
伊藤旭彦(いとうあきひこ)本名同じ。1983年1月10日生まれ。26歳。三重県桑名市出身。桑名工高校時代にはレスリングで国体に出場。身長177センチ、体重91キロ。B型。家族は父、母、兄、妹。2005年12月24日のディファ有明で行われたノア・クリスマス興行、力皇猛&ムシキング・テリー戦でデビュー(パートナーは潮崎豪)。08年6月にはメキシコ修行も経験。同年11月ツアーの「第2回モーリシャス杯」で優勝した。今年1月には橋誠の白GHC王座に挑戦。4月には青木と組んでGHCジュニアタッグ王座にも初挑戦した。好きな女性のタイプは「アヒルみたいなポッチャリした子」「美保純みたいに顔がふっくらしている人」。好きな言葉は「常に一日一日を頑張る」。