茶髪、ヒゲ、服装の乱れなどを毛嫌いする原監督は「球界の風紀委員長」を自認している。昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも、日本代表監督として茶髪というよりも金髪に近い横浜・村田修一に対し、日本代表選手の品格を求め、髪の毛を黒に戻すように指令。実行させている。横浜に戻ったとたんに村田は元通りになったが、それだけ原球界風紀委員長に権威があったということだろう。
「東海大命」の原監督だけに、ヒゲ面、服装の乱れ、態度の悪さと三拍子そろった国母に対しては、母校の面汚しと思っているのは間違いないだろう。なにしろ東海大の原父子人脈はプロ、アマを問わず日本球界を牛耳る一大勢力になっている。それだけに、マイナー競技のスノボーのスター程度の国母に母校のイメージダウンをさせられては、許せないだろう。
「なにしろ原は、世界の王さんの後を受け、日本代表監督としてWBC連覇を果たした世界一監督。しかも、7年ぶりの日本一を奪回。あの川上さんが打ち立てた不滅の金字塔のV9超えを宣言しているほど鼻息が荒い。あれだけ原嫌いのナベツネさん(巨人・渡辺恒雄球団会長)も、実績を残している今は、『原君も成長した。立派な監督になった』とヨイショするしかなくなっている」。今の原監督は、巨人OBがこう語るように、日本プロ野球界を意のままにしてきた天下のナベツネさんにも一目置かれる存在になっているのだ。
ということは、ファザコンと言われるほど、頭の上がらない父・貢氏は、原監督にとってゴッドファーザー的存在になる。アマ球界関係者が打ち明ける。「東海大相模高、東海大の名監督として大学球界に君臨してきた貢氏は、辰徳のおかげでプロ球界に大きな影響力を持ち、大学球界でも後継者を作っている。辰徳がプロ入り後に師と仰いでいた藤田さん(故人=元巨人監督)の娘を嫁にしている、貢氏の愛弟子の国際武道大学・岩井監督だ。今やこちらは大学球界を牛耳るドンになっている」。
かつて球界のドンといえば、プロ野球界で元V9巨人監督の川上哲治氏、アマでは御大と呼ばれた明大・島岡吉郎氏(故人)だった。が、今や原貢・辰徳父子は、プロ、アマを問わずに日本プロ野球界に君臨しようとしているのだ。