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5年ぶり猛虎Vのアキレス腱は金本

 5年ぶりのリーグ優勝へ向け、85年の日本一猛虎打線に負けない破壊力を発揮している阪神だが、アキレス腱がある。アニキと呼ばれ、チームリーダーとして君臨してきた金本知憲(42)だ。

 「阪神が優勝するには、難題が一つだけある。フェンス際で打球が失速する、引退間際の選手の兆候が出てきている金本の存在だ。長嶋さんも『オーバーフェンスしたと思った打球が度々失速して捕られるようになり、限界を悟り、引退を決意した』と自身が語っている。金本に自覚症状があればいいが、そうでないと、厄介なことになる。首脳陣は使い続けなければいけないからね」。阪神OBがズバリ指摘する。
 かつてのチームリーダーが今やブレーキ役になりかねない危機に直面しているのだ。せめてもの救いといえば現在は4番でなく、6番だからチームにかかる比重が軽減されていることだが、存在感が大きいだけに、打たなければ、悪影響は避けられなくなる。
 しかも、厄介なことに金本が3度目のFA資格を得たものだから、球団としては動かないわけにはいかない。現に、フロント首脳がこう明言している。
 「もちろん、来年も残ってもらえるように全力で慰留します」と。確かに過去の実績を考えれば、球団側から解雇を言い渡すことはできないだろう。

 最大のネックだった連続イニングフル出場は、金本本人が決断して、球団、現場首脳は胸をなで下ろしたが、一難去ってまた一難だ。今度も金本が限界を感じて、自ら今季限りの現役引退を決意してくれるのをひたすら待つしかないのが現状といえる。
 が、下手に15日のヤクルト戦(京セラドーム)のように一発を含む、5月30日以来の猛打賞を打ったりするから困る。本人も「まだまだやれるのでは…」とその気になるだろうし、熱狂的な猛虎ファンも金本の復活を信じてしまう。首脳陣も使い続けるしかなくなる。悪循環だ。
 このヤクルト戦では、城島と共にヒーローインタビューのお立ち台に上がったが、金本に対し、城島が気配りマイクパフォーマンスをしている。
 「ネクストで(金本さんが)バントをしようかって言われたんですが、ヒットを打って、1点入って一、三塁でお願いしますっていったら、その通りになったんで。ちょっと驚いたんですけど、一塁ベース上から、お前打てよっていう指さしを受けたんで、こら打たないかんと。とりあえずヒットで良かったです」。
 陽気な城島らしいひょうきんなトークに金本は満面の笑みを浮かべ、ファンも大喜びしていたが、要は、それだけ金本に対し、ナインも気を遣っているわけだ。久々のヒーローだけに、座を盛り上げてあげようという城島ならではの配慮だ。

 現実を直視すれば、周囲が気兼ねしなくてはいけないほど金本の現状は厳しいということだ。昨年までは金本が突っ込み役で、広島時代からの弟分の新井がボケと相場は決まっていたのだから。永遠のスーパースターONにも現役引退の時は訪れた。1番・マートンから始まり、2番・平野、3番・鳥谷、4番・新井、5番・ブラゼル、そして7番・城島がこれまで以上に大爆発。金本が6番でも居場所がなくなり、自ら現役引退を決意するようにする。それしか5年ぶりの阪神の優勝というハッピーエンドの道はないだろう。

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