大阪府警に傷害致死容疑で逮捕されたのは、元プロボクサーの運送業・橋詰知明容疑者(30)。被害者は元力士でアルバイトの浅田宗佑さん(40)だ。
17日深夜、浅田さんは同市のスナックで、友人3人とともにカラオケで盛り上がっていた。そこへ橋詰容疑者らが来店し、浅田さんの友人Aさん(40)と揉めた。
「肩がぶつかった程度のことで、橋詰容疑者は激怒してAさんの顔面を殴打。止めに入った浅田さんにもカラオケのリモコンで頭を殴りつけたんです。浅田さんは膝から崩れるように倒れて意識を失い、すぐに病院に搬送されましたが、死亡しました。死因は頭部打撲によるくも膜下出血および脳挫傷。容疑者は『酔っていて覚えていない』と供述しています」(全国紙記者)
橋詰容疑者は、元世界チャンピオンの井岡弘樹氏が主催するボクシングジムの有力選手だった。2011年にデビューし、西日本新人王決定戦スーパーバンタム級で勝利。その年の新人王とMVPも獲得した。
「ジャブとストレートのコンビネーションが抜群で、スピードが他の選手とは桁違いでした。井岡会長も世界を狙える逸材だと期待していましたが、'16年に警察沙汰を起こし、ボクシング界から姿を消しました。昔から酒を飲むとキレるヤツでした」(ジム関係者)
戦績は、16戦12勝2敗2分(6KO)だった。
一方、死亡した浅田さんは、「杉の山」のしこ名で高田川部屋に所属。力士としての最高位は幕下20枚目。その頃は184・5㌢、123・5㌔の体格だったという。
「柔道経験を見込まれて角界入り。三段目で優勝して将来を期待されましたが、優しい性格と怪我のために幕下止まりでした」(知人)
生涯戦績は133勝119敗。幕下9場所で6年間の相撲人生に見切りを付けた。
酒を飲むと凶暴になる元プロボクサーと、気の優しい元力士が、深夜のカラオケスナックで人生を交差させ、生死を別にした。
なんともやりきれない事件だ。