矢野燿大
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スポーツ 2021年03月09日 20時10分
阪神・矢野監督、藤浪の開幕起用は“ギャンブル”ではない? 本人も驚きの大抜擢、エース・西より優先した狙いは
2012年ドラフトで1位指名を受け阪神に入団し、昨季まで「152登板・51勝46敗・7ホールド・防御率3.32」といった成績を残しているプロ9年目・26歳の藤浪晋太郎。9日、その藤浪が今季の開幕投手に決定したことが明らかになったと複数メディアが報じた。 報道によると、この日取材に応じた矢野監督は前日8日、藤浪に26日の開幕戦・ヤクルト戦での先発起用を通達したことを明言。「あいつも苦しんだ中からここまできたのもあるし、このキャンプの姿を見ても、あいつに開幕(を託す)」と、昨季までの不振や今春キャンプ以降のプレーを全て踏まえた上での決断と語ったという。 >>阪神SA・藤川氏、巨人と阪神の決定的な差をズバリ指摘 キャンプで目の当たりにした光景にため息?「勝負をさせないと」<< 藤浪は2013~2015年にかけ3年連続2ケタ勝利をクリアするなどプロ入り当初は好調だったが、翌2016年から昨季まで5年連続2ケタ未到達と一転して低迷。ただ、昨季は白星こそ1勝にとどまったものの、リリーフに転向した中盤以降は自己最速となる162キロをマークするなど復調。今春キャンプでは開幕ローテ入りに向けて調整を重ねており、直近の登板となった5日のオープン戦・ソフトバンク戦では「4回無失点・被安打3・2奪三振」と好投を披露していた。 藤浪の開幕投手決定を受け、複数の球界OBがSNSや出演したTV番組を通じコメントしている。元ソフトバンク・斉藤和巳氏は、9日に自身の公式ツイッターに「チームも藤浪晋太郎も… 勝負の年やな!」と投稿。26日の開幕戦は藤浪、チームの双方にとって、今季を占うような一戦になるのではと期待を寄せた。 9日放送の『朝生ワイド す・またん!』(読売テレビ)に生出演した元日本ハム・岩本勉氏は、番組内で「矢野監督も別にギャンブルに出たわけじゃない」、「彼(藤浪)はやっぱりそれだけ注目を集める投手。その投手が個人、チームの滑り出しを良くすることによって開幕ダッシュ、優勝争いというのが待っている」とコメント。矢野監督は近年不振にあえいでいた藤浪を開幕起用して自覚や奮起を促すと同時に、その藤浪が勝つことでチームが開幕から勢いづくことも計算に入れているのではと推測した。 今回の一件を受けて、ネット上には「藤浪開幕起用は驚いたけど、実戦ではここまで1失点(4試合・計12イニング)しかしてないし納得できる」、「今の藤浪なら十分期待できる、意気に感じて大役を果たしてほしい」といった賛同の声が挙がる一方、「矢野監督の決断は尊重したいけど、前年1勝の藤浪を開幕に据えるのはさすがに不安」、「エースの西(勇輝)を順当に開幕投手にしなかった理由はなんなのか」といった否定的なコメントも散見された。 「今回矢野監督が昨季11勝を挙げたエース・西ではなく藤浪を開幕投手に据えた理由ですが、岩本氏が指摘した藤浪の奮起を促す以外の理由も考えられます。開幕カードから外れた西は裏ローテの1番手として平日カードの次カード・広島戦(3月30日~4月1日)に回るとみられていますが、開幕直後の阪神はここから『広島→巨人→広島→巨人』という流れで平日カードが組まれています。昨季の西は広島に『4勝0敗・防御率2.00』、巨人に『3勝1敗・防御率1.77』とどちらも好相性でしたので、西を裏ローテに回す方が白星の期待値は高いと言えるでしょう。阪神は昨季最初の5カードで『4勝10敗』とスタートダッシュに失敗していますので、矢野監督も『昨季の二の舞は避けなければ』と考えているのではないでしょうか」(野球ライター) 矢野監督からの開幕投手任命に、「驚きしかないが、チームに勢いがつくような投球をしたい」と意気込みを述べたことが伝えられている藤浪。プロ9年目で初めて任された大役を務め上げることはできるだろうか。文 / 柴田雅人記事内の引用について斉藤和巳氏の公式Twitterよりhttps://twitter.com/kazumi_saitoh
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スポーツ 2021年02月02日 17時00分
阪神・矢野監督、注目のルーキーをズバリ「守備だけじゃなく打撃も」 同期や先輩に危機感をもたらすことを期待
元阪神で野球解説者の桧山進次郎氏が、1日放送の『虎たまプレミアム』(ABCラジオ)に生出演。阪神・矢野燿大監督が特に注目しているというルーキーを明かした。 同日にスタートした春季キャンプに先立ち、矢野監督とオンラインで話す機会があったという桧山氏。今回の番組ではその内容を中心にトークを展開したが、その中で「(ルーキーの中で)誰が注目ですか?」と質問した際の矢野監督の返答を口にした。 >>阪神の春季キャンプは「地獄でしかなかった」濱中氏が過酷な体験談を告白 休日も息つく間は全く無かった?<< 桧山氏は単純に「誰が注目ですか?」と聞くだけでは、矢野監督は「全員ですよ」と個人名を挙げてくれないと考えたという。そのため、「あえて(言うなら)」と少し踏み込んで聞いてみたところ、矢野監督はドラフト6位・中野拓夢の名前を挙げたという。 中野は社会人・三菱自動車岡崎から阪神入りした24歳の内野手で本職は遊撃。桧山氏によると、矢野監督は「思った以上に動きが良い」、「守備だけじゃなく打撃も(逆方向に)おっつけるだけじゃなく力強く引っ張る打撃ができる。これはなかなかいいよ」と攻守両面で中野を評価しているという。 阪神には他にも木浪聖也、北條史也、小幡竜平といった遊撃手がいるが、「(中野の加入で)今までいる選手もうかうかできないし、すごく刺激を与えてくれるんじゃないみたいな(期待を矢野監督から感じた)」という桧山氏。「(矢野監督は)『守れないとレギュラーにはなれない』っておっしゃってたんで、(守備で定位置をつかめるか)この中野選手は注目ですね」と、遊撃争いの中心的存在になることを期待していた。 今回の放送を受け、ネット上には「ファンやメディアが注目してるのはドラ1の佐藤(輝明)だけど、矢野監督はそれ以上に6位の中野の方が気になるのか」、「中野は井端(弘和氏/元中日他)が去年のドラフト前に評価してて、掛布(雅之氏/元阪神)も今日のキャンプ中継でイチオシの選手って言ってたな」、「矢野監督の見方が合ってるのかどうか、早く実戦でのプレーを見てみたいな」といった反応が多数寄せられている。 今回名前が挙がった中野は日大山形高、東北福祉大、三菱自動車岡崎を経て阪神入りした選手。三菱自動車岡崎では加入1年目の2019年から遊撃のレギュラーを務め、社会人選抜の一員として参加した同年オフのアジアウインターリーグでは全選手中2位の打率(.371)を記録。翌2020年は公式戦で無失策を続ける傍ら都市対抗野球予選では2本塁打をマークするなど攻守両面で活躍し、内野の底上げを狙う阪神からドラフト指名を受けている。 初実戦となる4日の紅白戦に向け、「即戦力として期待されているので、スタートダッシュを決めないといけない」と語ったことが伝えられている中野。打撃、守備の両方で矢野監督にアピールすることはできるだろうか。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2021年01月06日 20時30分
阪神・藤浪に「先発よりは中継ぎで」関本氏の主張に賛否 本人は先発切望もリリーフ起用を推すワケは
元阪神で野球解説者の関本賢太郎氏が、5日放送の『ラジオで虎バン』(ABCラジオ)に生出演。阪神・藤浪晋太郎は今季もリリーフ起用すべきと主張した。 今回の放送で関本氏は2021年の阪神のキーマンについて、投打でそれぞれ複数名の名を挙げながらトークを展開。投手として藤浪の名を挙げた上で、本職の先発ではなくリリーフ起用した方が戦力になるとした。 >>阪神・矢野監督、ドラ1佐藤の今後を明言「そんなに甘くない」鮮烈デビューには否定的も、数年後の未来には期待?<< 昨季は先発では「11登板・1勝5敗・防御率4.43」、リリーフでは「13登板・0勝1敗7ホールド・防御率2.35」といった数字を残している藤浪。その藤浪について、関本氏は「先発投手はアルカンタラとチェンを入れて枚数はそろっている」とチームの先発ローテには空きがないとした上で「先発というよりは中継ぎで頑張ってほしい」と希望した。 藤浪のリリーフ起用を推す理由について、関本氏は「先発でもいいけど、25、6試合しか投げないことを考えると(もったいない)」、「先発で10勝してくれるかもしれないけど、(その一方で)70、80試合投げるポテンシャルも持っている」とコメント。リリーフとしてフル稼働する方が、先発で投げるよりも多くの白星をチームにもたらす可能性が高いからだと説明した。 「8回はセットアッパー藤浪、9回に(守護神の)スアレス」と、リリーフ起用なら勝ちパターンの一角として8回に固定すべきという関本氏。「ここが順当に、期待通りに成績を出してくれたら、いよいよ(今年は優勝)やるぞと思う」と、勝ちパターンが期待通りに稼働すれば2005年以来のリーグVも現実味を帯びると期待していた。 今回の放送を受け、ネット上には「確かに藤浪はリリーフでいってほしい、数字的にもリリーフの方がいいし」、「怪我でもない限り先発ローテには空きが出ないだろうから、最初からリリーフ起用した方が戦力としては大きくなると思う」、「昨年はシーズン途中の転向でもいい球投げてたから、開幕からリリーフ1本でいったら物凄い成績を残すんじゃないか」といった反応が多数寄せられている。 一方、「本人は先発戻る気マンマンだから最初からリリーフで起用するのは無理そう」、「矢野監督も藤浪は先発って言ってるしなあ、開幕前までの結果次第なら考え変えるかもしれないが」と否定的なコメントも複数見受けられた。 「関本氏がリリーフ起用を推している藤浪ですが、本人は昨年12月16日の契約更改の際『先発以外は頭にない』と来季の先発再転向を強く望んでいました。また、チームを率いる矢野燿大監督も今オフメディアのインタビューなどで度々『来季の藤浪は先発』と口にしていますので、現状ではリリーフ起用の可能性は薄そうです。ただ、今オフの阪神はアルカンタラ、チェンと2名の助っ人先発を獲得。ここに昨季主にローテを守った西勇輝、青柳晃洋、秋山拓巳、高橋遥人を合わせると先発ローテの6枠は埋まるため、藤浪なしでも先発陣は回せる状況にあります。来月から始まる春季キャンプやオープン戦でもし藤浪が結果を残せなければ、リリーフ起用へと方針を変更することもあるかもしれません」(野球ライター) 「28登板・14勝7敗・防御率2.40」をマークした2015年を最後に、年々成績が落ち込んでいる藤浪。先発、リリーフのどちらでも復活すればチームにとって大きな追い風となるが、果たして今季はどのような起用法でシーズンを戦うことになるのだろうか。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2021年01月05日 17時00分
阪神・矢野監督、ドラ1佐藤の今後を明言「そんなに甘くない」 鮮烈デビューには否定的も、数年後の未来には期待?
阪神・矢野燿大監督が、4日放送の『虎たまプレミアム』(ABCラジオ)に生出演。昨年10月のドラフトで1位指名し獲得した佐藤輝明(近大)に今季の好成績は求めていないことを明かした。 今回の放送で矢野監督は、2021年シーズンの展望について複数選手の名を挙げながらトーク。その中では佐藤の名も挙げたが、1年目からの活躍はあまり期待していないと語った。 昨年のドラフトでは阪神だけでなく、巨人、ソフトバンク、オリックスも1位指名するなど複数球団から高い評価を受けた左打者の佐藤。矢野監督も「素材は間違いなくスケールがデカいので、どう力をつけていくのかは一緒に頑張っていく」、「理想は生え抜きの日本人で中心選手(になること)。(そのような選手は)チームを安定させる、ファンの人が喜んでくれるというところにつながると思う」と、将来的にチームの絶対的主軸に育つポテンシャルは十分だと口にした。 ただ、この直後に矢野監督は「今年すぐに結果を残せるのかというと僕はそんなに甘くないと思う」と、佐藤がプロ1年目の今季、いきなり好成績を残すことは考えづらいと主張。また、「大学卒業して1年目で期待以上の成績を残したのは巨人の高橋由伸ぐらい」と、過去に1年目から主力級の数字を残した大卒左打者は1998年の巨人・高橋由伸(.300・19本・75打点)ぐらいしかいないとも指摘した。 佐藤が通用しないと思う理由については触れなかったが、今季は「まずはプロの投手を経験して、自分はどれくらい通用するのか試していく年になる」という矢野監督。現段階でどれくらい通用するのか楽しみだとしつつも、「本当の力が出るのは何年かかかると思う」と成長するまでにはそれなりの時間を要するのではと推測していた。 >>元阪神・川藤氏、ドラ1佐藤の“即レギュラー”に反対「簡単にやったらいかん」理由は“天狗”になるから?独自主張に反発も<< 今回の放送を受け、ネット上には「佐藤はドラフト以降かなり持ち上げられてるから、監督はこれぐらいドライな方が安心する」、「まだ新人合同自主トレも始まってないからなあ、じっくりと力量を見定めた上で育成するつもりなんだろう」、「左打者がいきなり甲子園で結果残せるとは思えないし、過度な期待はしないという考えは理に適ってると思う」といった反応が多数寄せられている。 「今回矢野監督が名前を挙げた佐藤は大学4年時に関西学生野球リーグの通算本塁打記録を更新(14本)した左の強打者ということもあり、指名当初からファンやメディアの間では『新人での開幕スタメンは十分あり得る』、『30本塁打は十分達成できる逸材』といった期待の声が多く挙がっています。ただ、阪神の本拠地である甲子園は右翼側から左翼側へ吹く浜風が存在することに加え、右中間、左中間が深い構造をしているため左打者が本塁打を量産するのは難しい球場。実際、過去の生え抜きを見ると左打者で30本塁打をクリアした選手は掛布雅之のみで、20本以上にラインを下げても藤田平、桧山進次郎、鳥谷敬の3名を加えた4名しかいません。矢野監督はこうした歴史があることも踏まえ、佐藤が期待外れに終わらないように慎重に育成しようとしているのではないでしょうか」(野球ライター) 今回の放送内で矢野監督は「大山(悠輔/2016年ドラ1)、佐藤、井上(広大/2019年ドラ2)、そこらへんが中心になっていくような時代がくれば」と、ゆくゆくはドラフト上位野手でクリーンナップを構築したいという構想も口にしている。その構想の実現に向け、佐藤の育成には時間をかけてじっくりと取り組む方針なのかもしれない。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年11月12日 17時00分
DeNA・ラミレス監督に「失望した」、矢野監督にも阪神ファン激怒 タイトルかかる大山の敬遠、後続打者にも原因アリ?
11日に行われたDeNA対阪神の一戦。試合は「1-0」で阪神が勝利したが、同戦でDeNA・ラミレス監督が見せた采配がネット上のプロ野球ファンの間で物議を醸している。 問題となっているのは、両チーム「0-0」で迎えた5回裏2死三塁の場面での采配。シーズン最終戦の阪神はこの日、本塁打王のタイトルの可能性がわずかに残っていた大山悠輔を最後の望みをかけて「1番・三塁」で起用していたが、この場面でその大山が第3打席に。しかし、ラミレス監督は申告敬遠を選択したため、大山は打席に立つことすらできなかった。 試合前時点での本塁打トップは巨人・岡本和真の31本、一方の大山は28本で2位タイだったため、タイトル獲得には同戦で3本打つ必要があった。しかし、第1、2打席はどちらも三振に倒れ、第3打席は敬遠で消化。投手戦となった試合展開を踏まえると延長含め残りは最大2打席が濃厚だったため、申告敬遠をされた時点でタイトルの望みは絶たれる結果となった。 タイトルがかかる大山を歩かせたラミレス監督の采配について、ネット上には「ピンチの場面で大山から逃げたのには失望した」、「考えあっての敬遠というのは分かるが、ファンとしては実に興ざめする采配だった」、「タイトル獲得は厳しかったけど、せめて全打席大山と勝負してほしかった」といった反応が多数寄せられている。 一方、「矢野監督が後ろに木浪入れたのが悪い、数字考えたら大山避けるのはむしろ当然」、「敬遠されたくないなら2番にも強打者を置くべきだっただろ」といった、阪神・矢野燿大監督への批判も複数見受けられた。 「同戦で大山を1番で起用した矢野監督は後続の2番に木浪聖也を据えていますが、今シーズンの木浪は『.249・3本・25打点』と目立った数字は残していない打者。一方の大山は『.288・28本・85打点』と高水準の数字を残している上、対DeNAは『.398・5本・22打点』と抜群の相性を誇っているため、一塁が空いている状況なら大山を歩かせ木浪で勝負する選択はむしろセオリーともいえます。そのため、大山と全打席勝負してもらいたければ2番は木浪ではなく、サンズ(.257・19本・64打点)や近本光司(.293・9本・45打点)といった打力のある打者を置く必要があったと考えているファンもいるようです。球界では打撃タイトルのかかる打者が最終盤の消化試合で1番起用されることは珍しくなく、大抵は相手球団もその打者とは普通に勝負するのですが、今回のDeNAには同戦を含め2連勝すればシーズンを5割で終えられるという事情があったことも大山が歩かされた一因かもしれません」(野球ライター) 試合後、ラミレス監督は今回の申告敬遠について「勝つために避けて、次の打者で勝負した」と語ったことが伝えられている。矢野監督の2番打者の人選が、ラミレス監督の采配に影響を及ぼした可能性は高そうだ。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年10月30日 11時10分
中日、福留・能見の両獲りを画策か 矢野監督も危機感? “戦力外ベテラン”の流出がもたらすデメリットとは
阪神対中日の一戦は、「相性」について考えさせられた(10月29日)。両チームの対戦は、これが今季最後。阪神は西勇輝、中日は45イニング連続無失点の大野雄大。西も防御率2・10(試合前)であり、1点を争うロースコアのゲームになると予想されていた。 結果は既報通り、西が2番・京田に本塁打を浴び、大野も連続無失点記録が途切れてしまった。試合は阪神が2試合連続で完封を許していた大野を打ち砕いたわけだが、両チームとも来季への課題を残してしまった。 「そこはまた、僕たちで考える…」 試合後、与田監督は担当記者団に答えた(代表取材)。何を考えるのかというと、「甲子園球場との相性」だ。今季、中日は甲子園で1勝11敗と負け越した。 NPBでのフランチャンズ制が始まった1952年まで遡ってみたが、「甲子園11敗」は、フランチャイズ制が始まった1952年以降ワーストだ。 「甲子園で勝てないことについて、与田監督は『考える』と言っていましたが、エースの大野で最終戦を落としたので、内心は穏やかではないと思いますよ」(プロ野球解説者) 苦手球場、鬼門と言えば、阪神もナゴヤドームでの勝率が悪い。その傾向は長く続いていて、今季も5連敗で同球場での日程を終えている(10月15日)。 中日が甲子園で勝てず、阪神がナゴヤドームを苦手にしている――。 その球場との相性だが、矢野阪神は東京ドームも苦手にしている。巨人との開幕戦でいきなり3連敗を喫した。投手陣の好不調など巡り合わせのようなものもあるのだろう。しかし、阪神サイドからもこんな“悲鳴”も聞かれた。 「あの話は本当か? どれくらい現実味のある話なんだ?」 >>阪神、今オフ大激震か矢野監督も“フロント主導”に混乱、能見の戦力外は大幅リストラの布石?<< 投打のベテラン、福留孝介外野手と能見篤史投手が今季限りで“退団”となる。フロント幹部から「来季の構想外」であることが伝えられたが、当人たちは現役続行を強く希望しているという。福留の古巣・中日が手を差し伸べるとも伝えられたが、ここに来て、その話がちょっと変わってきたのだ。 「福留だけでなく、能見もいっしょに獲得するらしい。パ・リーグも能見に興味を示しており、中継ぎはもちろん、まだ先発でできるとの評価もあります」(球界関係者) 苦手のナゴヤドームで、福留、能見が敵に回ったら…。2人とも、トラの内情を知り尽くしている。鬼門・ナゴヤドームでベテランがオニになる。快勝しても、矢野監督の表情がイマイチだったのは、このウワサのせいかもしれない。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年10月26日 11時10分
阪神、ドラフト1位は近大・佐藤で確定? 矢野監督の意味深発言、来シーズンの続投も決定的か
目の前での胴上げを阻止した阪神・矢野燿大監督が、「トラの近未来像」について答えた(10月25日)。今日、26日にプロ野球・ドラフト会議が行われる。1位指名の名前を明かさなかったが、矢野監督自身がクジを引くことが決定的になった。 「クジの話が出るということは、指名選手の重複を前提に最終協議が行われたのでしょう。近大・佐藤輝明内野手の入札で間違いないと思います」(在阪記者) デーゲームで行われた巨人戦後、矢野監督は宿泊ホテルに戻り、関西にまだ残っている編成の主要スタッフとのオンライン会議に臨んだ。約1時間半、1位選手の最終選考、外れ1位リストの確認、2位以下の指名選手の絞り込みなどがされたそうだが、こんな声も聞こえてきた。 「クジは矢野監督が引くことが決定的になりました。それよりも、ドラフト会議とは、チームの将来を任せるアマチュア選手の選択の場です。来年以降のチームの話し合いに矢野監督も同席したので、来季も『続投』と見ていいのでは」(ベテラン記者) ドラフト会議は、未来を決めるものだ。しかし、矢野監督にとって“悲しい現実”を突き付けられた機会でもあった。それは、過去2年、1位指名の抽選クジを外しまくったからではない。 「昨年、阪神は高校生中心の指名となりました。ファンは甲子園で活躍した球児の成長を楽しみにしていましたが、彼らが一軍戦力になるのは、3年以上先の話。つまり、矢野監督には直接影響のないこと」(球界関係者) 高校生がプロ1年目から、一軍で活躍するのはレアケースだ。 そう考えると、矢野監督がドラフト会議よりも心配しているのは、今オフのフリーエージェント(以下=FA)補強の方だろう。 阪神は中日・大野雄大投手を狙っているという。京都府出身、少年時代は阪神ファン。「FA権を行使したら、阪神優勢」と目されているが、ここに来て、対照的な意見も出始めた。 「大野は中日に不満があるわけではありません。優勝、日本一を狙う緊張感の中で試合がしたい、と…。今季終盤戦に入って、中日は2位に浮上するなど絶好調です。残留も十分にあり得る」(前出・同) プロ野球界では、自軍の有望な若手と重複するポジションの選手はドラフト指名しない。また、オフのFA補強や外国人選手、予定しているトレードなど見越して、指名リストの最終作成に入る。関係者によれば、今回のオンライン会議では「スカウトが指名選手を推薦するにあたって、FA補強を重ねた発言はなかった」(関係者)という。カンの良い矢野監督のことだ。FA市場に異変があったことを察したのではないだろうか。 「フロントがドラフトに先駆けて、来季の構想外を通告した福留、能見の両ベテランですが、福留は古巣の中日、能見に関しては『左の中継ぎ』として、セ・リーグのライバル球団も調査を開始したと聞いています」(前出・ベテラン記者) >>阪神・能見、最良の新天地は広島?退団決定のベテラン左腕、ブルペン立て直しの秘策となる球団は<< 同日、昨年戦力外を通告した千葉ロッテの鳥谷敬がオリックス戦に代打出場し、プロ通算350二塁打を達成した。福留、能見がリストラされた悔しさをライバル球団で爆発させたら…。矢野監督はドラフト指名選手の将来性よりも、トラ退団選手の猛威を考えていたのかもしれない。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年10月23日 11時20分
阪神、今オフ大激震か 矢野監督も“フロント主導”に混乱、能見の戦力外は大幅リストラの布石?
ベテラン選手は強い影響力を持つ。それは、時に「監督以上」とも言われている。だから、経営陣は彼らの引き際にもっとも配慮しなければならないのだが…。 10月22日の広島戦後、阪神・矢野燿大監督は「趣旨」の異なるさまざまな質問をぶつけられ、ちょっと混乱していた。広島に敗れたゲーム内容の質問もされたが、今オフの大粛清を予告するようなハプニングも起きていたのだ。 「ボーアが試合登録から外されました。夫人も、このまま退団するようなニュアンスの書き込みをブログ上で発表しています」(在阪記者) そのボーアは試合前の練習に参加している。時折、若手にじゃれつくなど明るく振る舞っており、シーズン途中での退団なんて微塵も感じさせなかった。 矢野監督は「枠の問題」と説明した。1試合に登録できる外国人選手の人数は4人まで。投手のエドワーズを使うためで、他意はないと言っていたが、 「大山悠輔が本塁打王争いをしています。対戦投手のマークを集中させないためにも、大山の前後に長距離タイプのバッターを置いておかないと」(プロ野球解説者) とのこと。僅差でのAクラス争いも続いているだけに、ここでボーアを外すのは良策ではない。 >>阪神・矢野監督、大山の“三塁外し”でファン大ブーイングタイトルがかかる打者を外野に追いやったワケは<< 矢野監督が答えに窮したのは、ベテラン左腕・能見篤史に関する質問だった。同じく、試合前に今季限りでの退団が決定した。7回からリリーフ登板し、全球ストレート勝負で三者凡退。球団から事実上の戦力外通告を受けたことを明かし、コメントも発表している。 「テンポ良く抑えられたしね。能見自身もいろんな思いを持って」 ベテランの投球を称賛した。聞きたかったのは、そんなことではない。福留、藤川、能見と、チームはベテランを切り捨てようとはしている。再建を急ぐのは分かるが、引退発表を円満に行ったのは藤川球児だけだ。福留、能見は現役を続けたいとしている。ベテランのメンツも潰すようなやり方は、チームを混乱させてしまう。 「能見は配球に長けたピッチャーです。それを教えたのは、現役時代の矢野監督です。『捕手・矢野』が若手時代の能見を鍛え上げ、なぜ、この球種を要求したのかなど、駆け引きを教え込んだんです」(球界関係者) 能見は捕手陣の教育係でもあったようだ。通常、解雇要員は一軍監督が最終決定を下す。矢野監督との信頼関係を聞かされると、ベテラン選手のリストラはフロント主導で進められているようだ。その通りだとすれば、矢野監督の知らないところで「来季のチーム再建構想」が進められているのだろうか。 オフの激震は避けられそうにないが、宿敵巨人の最短優勝は25日とされている(同時点)。状況次第では、矢野監督は目の前で胴上げを見る屈辱にも見舞われそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年10月22日 16時30分
阪神・矢野監督、大山の“三塁外し”でファン大ブーイング タイトルがかかる打者を外野に追いやったワケは
21日に行われた阪神対広島の一戦。試合は「2-0」で阪神が勝利したが、同戦で阪神・矢野燿大監督が見せた采配がネット上の阪神ファンの間で物議を醸している。 問題となっているのは、矢野監督が組んだスタメンオーダー。この中で矢野監督は三塁が本職であり、現在セ・リーグ本塁打王(26本)の大山悠輔を今シーズン初めて右翼で起用。また、空いた三塁には同日に二軍から昇格したマルテを据え、他の助っ人打者であるサンズ(左翼)、ボーア(一塁)も同時起用する超攻撃型の布陣を敷いた。 だが、いざ迎えた試合で阪神打線が記録した得点はわずか2。マルテは3号2ランをマークしたものの、その他はサンズが1安打、大山、ボーアが無安打という結果に終わった。 大山を三塁から動かしてまで攻撃型打線を組んだ理由について、矢野監督は試合後「大山は本当は固定してあげることがいいのは分かっているけど、どうしても兼ね合いの部分で」とコメント。ただ、この“兼ね合い”の詳細は明かしていない。 >>阪神・藤浪、162キロ達成の理由は“左足”にアリ?歴史的な投球をOBが称賛、佐藤氏は「膝を地面から垂直方向でなく…」と分析<< 今回の矢野監督の采配を受け、ネット上には「タイトル争いしてる大山になんでわざわざ調子が狂うようなことをするのか」、「結果出してレギュラー張ってる選手にこの仕打ちはモチベにも関わる、案の定ノーヒットだし」、「マルテは一塁も守れるから一塁に置いて、ボーアをベンチっていう形はダメだったのか?」、「兼ね合いってどんな兼ね合いだよ、監督ならきっちり説明する義務があるぞ」といった反応が多数寄せられている。 一方、「大山の右翼起用は助っ人の最終テストのためという意味合いもあるのでは?」、「大山をずらしてまで助っ人3人を同時起用するってことはそういうことなんだろう」とのコメントも複数見受けられた。 「今シーズンの阪神はマルテ(年俸1億4000万円/推定)、サンズ(同1億2100万円)、ボーア(同2億7500万円)と助っ人打者を3名抱えていますが、マルテは『3本』、サンズは『19本』、そしてボーアは『17本』といずれも年俸を考えると不釣り合いな成績。この億超えトリオはいずれも1年契約のため、今オフはこの中から少なくとも1名はクビを切られるのではという予想は多いです。ただ、昨今のコロナ禍の影響で今オフはどこの球団も助っ人補強が難航するとの見方もされていますので、新助っ人を滞りなく補強できるかは未知数。そのため、矢野監督は大山に多少の不自由を強いることを覚悟の上で、助っ人の残留可否を見極めているのではと考えているファンもいるようです」(野球ライター) 来シーズンの続投は既定路線と報じられている矢野監督。就任3年目となる2021年シーズンに向け、一足早く戦力整備に着手している可能性もあるのかもしれない。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年10月20日 17時00分
阪神・藤浪、162キロ達成の理由は“左足”にアリ? 歴史的な投球をOBが称賛、佐藤氏は「膝を地面から垂直方向でなく…」と分析
19日に行われた阪神対ヤクルトの一戦。試合は「1-1」で両チーム引き分けとなったが、試合結果以上に話題となったのが阪神・藤浪晋太郎の「162キロ」だった。 同戦の7回表に3番手として登板した藤浪は、中村悠平、西浦直亨、松本友から三者連続三振を奪い1イニングをピシャリ。このうち、3人目の松本に投じた2球目で自己最速、そして球団史上最速となる162キロをマークした。 球速が電光掲示板に表示された直後、甲子園球場のスタンドから大きなどよめきが起こった藤浪の162キロ。試合後、本人は「いいボールだったと思います。腕を振りに行ったボールでしたし、出たこと自体はいいと思う」と手応えを口にしている。 >>阪神・藤浪に「来年先発に戻って」片岡氏が先発再転向を主張「後ろの投手はクイックや…」リリーフの弊害を指摘も賛否<< 藤浪の162キロについて、複数の球界OBが出演するTV番組やメディア上で分析している。同日放送の『プロ野球ニュース 2020』(フジテレビONE)に生出演した元横浜・齊藤明雄氏は、番組内で「普段より(右腕を)トップの位置から振り下ろすまでの力、力感(が抜けており)、体に腕が巻き付く投げ方をしていた」とコメント。右腕の力をいい意味で抜き、体に巻き付くほどしならせて振ったことで球に伝わる力が大きくなったのではと推測した。 元阪急・佐藤義則氏は、20日の『デイリースポーツ』(株式会社デイリースポーツ/電子版)の記事内で「左足を上げる時、膝を地面から垂直方向でなく、軸足(右足)よりもさらに右、左腰をひねるような感じで中堅方向へ上げている」と、左足をひねりながら上げ着地させるまでのタメを作ったことで上半身に力が十分に伝わったと指摘。また、「工夫や鍛錬で、さらにスピードを上げられる可能性がある」と、今後の取り組み次第ではさらに球速は伸びるとの見方も示した。 両氏の分析を受け、ネット上には「確かに映像見返したら振り終わりの右腕が軸足の後ろまで到達してた」、「左足を上げる時膝から下を後ろに曲げてたけど、あれで遠心力が加わって球速が増したってことか」、「今のフォームは上半身と下半身が噛み合った理想的なフォームなのかな、昨日はフォークも150キロ近く出てたし」といった反応が多数寄せられている。 「2012年ドラフトで1位指名を受け阪神に入団した26歳の藤浪は、翌2013年から2015年まで3年連続で2ケタ勝利をマーク。しかし、7勝に終わった翌2016年から成績が低迷し、昨シーズンはプロ入り後初の未勝利に終わりました。この不振からの脱却に向け、2019年オフの秋季キャンプや翌年の春季キャンプでは山本昌臨時コーチの指導のもと、手首の立て方などを矯正。また、オフ期間には投球フォームの動作解析も行うなど様々な取り組みを行いました。162キロ達成には、こうした取り組みも活きているのかもしれません」(野球ライター) 試合後、矢野監督も「どんどん速い球を投げて勝負していってもらえたら」と評価した藤浪。NPB記録は日本ハム・大谷翔平(現エンゼルス)が2016年のポストシーズンにマークした165キロだが、この記録に肩を並べる日も近いのかもしれない。文 / 柴田雅人
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