プロ野球
-
スポーツ 2020年05月08日 17時00分
片岡篤史氏「やかましい!」後輩に激怒の原因はイチロー? 日本ハム時代の同僚が驚いた試合での一幕を暴露
元プロ野球選手・片岡篤史氏が7日、自身の公式ユーチューブチャンネルに動画を投稿。元プロ野球選手・イチロー氏を巡る、日本ハム時代のエピソードを語った。 4月14日に新型コロナウイルス感染を公表し、同月24日に退院した片岡氏。退院後に撮影された本動画では、ゲスト出演した日本ハム時代の同僚・岩本勉氏と共に日本ハム時代をテーマにしたトークを展開。その中でイチロー氏がきっかけで起こったエピソードを語った。 具体的な日付は明らかにされていないが、片岡氏によると1996年シーズンの試合中、当時オリックスのイチロー氏が一塁へのゴロを打ったとのこと。同戦で一塁を守っていた片岡氏は前進してゴロを捕球し、ベースカバーに入った後輩投手・今関勝氏にトスするも、今関氏はイチロー氏に追い抜かれ内野安打を許してしまったという。 「(今関は)すごいリアクションで『アウトやろ!』って言ってたけど、『いやいや、お前追い抜かれてるぞ』って(思った)」という片岡氏。このプレーを境に、「あいつ(今関氏)に(守備面で)何か言われるのが嫌になった」という。 すると、一連の経緯を聞いた岩本氏が「試合中に(今関氏に)『サード!』って言われて『うるさい!』かなんか言ってたでしょ?」と、別の試合でのエピソードを暴露。「足が速い打者が打席に入って(今関氏が)『バント警戒してください!』って言った時に、『やかましい!分かっとるわい!』って言ってたでしょ。試合中にそんな掛け声初めて聞きましたよ」と岩本氏に言われ片岡氏は大笑いしていた。 「しかしあの時のイチローは速かった。どうしたらアウトになるかって考えて、『(一塁を)踏むよりタッチや!』って(コーチが)言ってた」と当時のチーム戦略を語った片岡氏。岩本氏も「一、二塁間のぼてぼてのゴロとかは、イチロー氏が(体を)泳がされてるので走り打ちになるじゃないですか。だから倒れ込みながらタッチしないと間に合わないくらい」と同調していた。 今回の動画を受け、動画のコメント欄やネット上には「イチローのせいで今関にとばっちりがいってるな」、「笑いながら話してたから不仲とかはないんだろうけど、話だけ聞いたら後輩に当たりが強い嫌な先輩みたいに聞こえる」、「イチローの活躍はMLB時代からしか知らないけど、NPB時代から印象的なプレーをしてたのか」、「当時のイチローがめちゃくちゃ足速かったんなら片岡も大目に見てやれよ(笑)」といった反応が多数寄せられている。 本動画で名前が挙がった今関氏は日本ハム(1993-2000)に8年間所属した後、アメリカの独立リーグや日本の社会人野球でもプレーした投手。49歳となった現在は、日本野球機構(NPB)の職員として野球振興・普及に取り組んでいる。 NPB時代のイチロー氏は9年間で199盗塁をマークし、1995年には盗塁王(49個)も獲得した選手。俊足を飛ばしてアウト性の当たりを内野安打にするプレーも多かったが、これには対戦相手もかなりイライラしていたようだ。文 / 柴田雅人記事内の引用について片岡篤史氏の公式ユーチューブチャンネルよりhttps://www.youtube.com/channel/UCSFE1o0ihc5mfODf2FybeuA
-
スポーツ 2020年05月08日 12時41分
巨人・菅野、周囲が驚いた「効果的な自主トレ」とは 7月開幕説も浮上、“考える”エースがペナントの明暗を分ける?
奇しくも、ペナントレースでぶつかる予定の2人の開幕投手が“実戦”を意識した投球練習を同日に行った。 巨人の開幕投手、菅野智之がブルペン投手の他に、屋外での遠投にも多くの時間を割いていた(5月7日)。この日は強い風が吹いており、肩周辺の筋肉を鍛えるのなら、室内で他の練習もできたはずだ。しかし、強風の中で遠投する菅野を見て、こんな情報も思い出した。 「自主トレ期間中、菅野は米国のスポーツ施設を利用しています。その施設内には逆風に向かって投げ込みをするスペースがあり、『強いボール』を習得するためであり、無風状態で投げるよりも効果的だと」(関係者) 菅野が“強いボール”を投げていた頃、横浜DeNAベイスターズの開幕投手、今永昇太に関する情報が飛び込んできた。ブルペン投球を行ったそうだ。巨人とDeNAは開幕戦でぶつかる予定だ。 こちらも「3密状態」を避けるため、横浜スタジアム内の練習場は取材NGなので詳細は分からない。だが、その後のオンラインによる質疑では「個人的に6月下旬を開幕戦の最速日に仮設定している」と、答えていたそうだ。 6月19日の開幕説が一時濃厚となった。本来ならば、セパ交流戦を終えて通常ペナントレースが再開される日だった。現時点では緊急事態宣言が5月6日で解除されなかったため、「さらに先延ばしになる」との見方が支配的だが、こんな情報も聞かれた。 「各球団が選手を再招集し、合同練習や紅白戦を行うだけでは不十分です。調整の一環として、対外試合を行う時期も必要です。そのため、7月半ばに開幕戦が設定されるという声もあれば、同時に対外試合ナシのぶっつけ本番論も出ています」(プロ野球解説者) もちろん、緊急事態宣言が解除されることが大前提だが、開幕投手は“危険”も感じているそうだ。 「自主練習が長引き、選手たちは体力を持て余しています。『飛ばし過ぎ』で肩を壊すようなことにならなければいいのですが」(前出・同) 菅野の強風下での遠投は、筋力アップによる予防策も兼ねていたようだ。 各チームの練習施設には、ほぼ毎日、選手がいる。しかし、監督、コーチは常駐ではない。その辺について聞いてみると、意外な話が帰って来た。 「データ解析ですよ。オフシーズン、チームの弱点を補うため、スタッフミーティングを行います。対戦チームの特徴を洗い直すだけではなく、自軍の失点を減らすためにはどうすればいいのか、そのために四死球を減らす必要性が指摘されれば、バッテリーの配球を見直さなければなりません。自主練習期間中は、頭脳作業ですよ。体を動かしていたほうがラクです」 某球団コーチの証言だ。 チーム関係者などによれば、菅野は強風を知って、あえてグラウンドに出たそうだ。今永も単に体を動かしているのではなく、開幕戦を逆算しながらの調整を続けている。「考えながらの自主練習」ができる両エースは、ペナントレース本番でどんな結果を出すのだろうか。(スポーツライター・飯山満)
-
スポーツ 2020年05月07日 20時30分
松井秀喜氏、入団決定前にヤンキースのユニフォームを着ていた? 実は3年前から密かに移籍を視野、ニューヨークへの想いを語る
元プロ野球選手の松井秀喜氏が、6日放送の『池上彰×松井秀喜inキューバ』(テレビ東京系)に出演。2002年オフのヤンキース入団にまつわる裏話を告白した。 番組では松井氏とジャーナリスト・池上彰氏が共に今行きたいと望んだというキューバの市街地や球場などを巡り、その後ヤンキースの本拠地であるヤンキー・スタジアム(ニューヨーク)で対談を行った。その中で、松井氏はヤンキース入団前後の裏話を明かした。 1993年から2002年まで巨人でプレーした後、同年12月に海外FA権を用いてヤンキースに移籍した松井氏。メジャー、そして意中の球団であるヤンキースに行きたいと意識し始めたのは巨人時代の最後の3年間(2000-2002)あたりだったという。なお、松井氏は1999年10月14日にヤンキー・スタジアムで行われたヤンキース対レッドソックスの一戦を現地観戦しているが、これが移籍決断の要因になったとされている。 「巨人時代の最後(2002年)は日本一になってすごく良い終わり方をしましたので、そこから『じゃあ、FAで行きます』というのは言い出しづらい感じ」だったという松井氏。それでも「あそこでやりたい」という思いは消えず、2002年オフにヤンキース入り。当時の報道では代理人に対し「まずはヤンキースと交渉してほしい」と要望を出していたことや、当時の巨人・長嶋茂雄監督(現終身名誉監督)からも「メジャーに行くのならヤンキースのユニフォームを着ろ」と後押しを受けていたことなどが伝えられている。 同年12月の入団決定直後にニューヨークを訪れた際、まず最初に2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロの跡地『グラウンド・ゼロ』に足を運んだという松井氏。そこで、「これからニューヨークで野球をやっていく」と、その光景をまぶたに焼き付けたそう。 翌2003年1月に入団会見に臨み、背番号「55」のユニフォームを初披露した松井氏。ただ、松井氏によると2002年オフの日米野球(11月10日~17日)中に、MLBオールスターチームの一員だったヤンキース・ジアンビからユニフォームをもらっていたとのこと。松井氏はヤンキースが意中の球団であったことから「東京の家でこっそり着てました。ジアンビ(のユニフォーム)なので背番号は25番でしたけど」と明かし、池上氏も「初めて聞いた」と驚いていた。 今回の放送を受け、ネット上には「日米野球ってまだ入団決まる前じゃなかった?そこでヤンキースのユニもらうのはなんか奇遇だな」、「移籍当時は『急に何言ってんだ』って感じだったけど、3年も気持ちを抱えたまま巨人で戦ってくれてたのか」、「911の跡地に足を運んでたのは知らなかった。異国の地で野球やる決意は相当強かったんだな」といった反応が多数寄せられている。 現役時代に巨人(1993-2002)、ヤンキース(2003-2009)、エンゼルス(2010)、アスレチックス(2011)、レイズ(2012)でプレーした45歳の松井氏。現在はヤンキースでGM付特別アドバイザーを務め、ヤンキース傘下のマイナー球団を巡回し指導を行っている。 MLB時代に「1236試合・.282・175本・760打点・1253安打」といった数字をマークし、2009年のワールドシリーズではMVPに選出されている松井氏。その松井氏が語ったヤンキース移籍直前の裏話に驚いたファンも多かったようだ。文 / 柴田雅人
-
-
スポーツ 2020年05月07日 17時30分
巨人・阿部二軍監督、独自の練習法で選手に喝? 広島の“階段ダッシュ”には賛否、延期中の練習でシーズンの明暗も分かれるか
技術か、それとも体力か? 巨人・阿部慎之助二軍監督がジャイアンツ球場での自主練習を視察し(5月6日)、自身が現役時代に行っていた「独自の打撃調整法」で、育成選手のエスタミー・ウレーニャ内野手)を直接指導した。意図的にファールを打つ練習で、その狙いは同監督が共同取材で明かした通りだが、こうも考えられた。ペナントレースが開催されないこの時期の過ごし方が、チームの勝敗に大きく影響してきそうだ、と。 「自主トレをやり直しているようなもの。例年以上に練習する時間があるので、レベルアップにつながれば」(プロ野球解説者) 巨人の自主練習は、2勤1休。ベテランも多いチームなので、「何をすべきか」はコーチに指示されなくても分かっている。若手もそれに触発され、相当量のバットを振っている。ファールを意図的に打つ調整法(=技術)も、通常のシーズン中では「試合優先」となって、学ぶことができなかっただろう。 対照的とも言える情報が、広島方面から聞こえてきた。 「カープ投手陣がマツダスタジアムのスタンドで階段ダッシュを実施しました。練習開始から約10分、全員、無口になっていきました」(スポーツ紙記者) 技術か、体力か…。プロ野球選手にとってどちらも大切だが、そもそも、今年のプロ野球ペナントレースはウイルス禍がなくても変則で行われる予定だった。東京五輪の開催期間中、いったん中断となるため、例年よりも約1週間早く開幕する日程だった。そのため、キャンプ序盤の「基礎体力のアップ」を図る練習は省略され、どの球団もキャンプ中盤から行う実戦形式の練習からスタートした。 「自主トレ期間中に、各選手が体力アップをしっかりやっていたはず」(前出・同) しかし、オープン戦中盤でのこと。年長のプロ野球解説者たちは、登板する各投手が打ち込まれるたびに、「下半身ができていない」と嘆いていた。走り込み量の不足だ。 「ひと昔前、キャンプでトータル3000球を投げるのは当たり前でした。投げ込みの数が多ければ良いという意味ではないが、『先発、中継ぎ、クローザー』と完全分業制が定着したからか、先発投手は端から完投しようという意識がないみたい」(ベテラン記者) 広島投手陣の階段ダッシュは、ウイルス禍で長引く自主トレの“ダラダラ感”に喝を入れる意味もあったのかもしれない。 巨人の自主トレについて、関係者がこう説明する。 「阿部二軍監督がグラウンドに入ると、雰囲気が一変します。緊張感が出て、選手も手抜きができなくなります」 阿部二軍監督は現役晩年、自主トレで同行した選手たちを指導していた。シーズン中も昼過ぎには球場入りし、黙々とティー打撃を行い、それにつられるように他選手たちも早出の練習を自らに課していた。 走り込み量が少ないということは、スタミナ不足を意味する。体力不足が故障につながられなければいいのだが…。阿部二軍監督の指導により、新しい技術を習得しようとすれば、自ずと練習量も増えていく。阿部二軍監督の狙いはそこにあったのかもしれない。変則的となる今季のペナントレースのカギは「故障者を出さない」ということになりそうだ。(スポーツライター・飯山満)
-
スポーツ 2020年05月07日 17時00分
マエケン、大谷の凄さを独自の表現「ちっちゃ!」 NPB時代に打者として対戦、打席で受けたストレートの衝撃を明かす
ツインズ・前田健太が6日、自身の公式ユーチューブチャンネルに動画を投稿。エンゼルス・大谷翔平について言及した。 『日本時代に打席で見てスゴイと思ったピッチャーBEST3!!(ストレート編)』というタイトルの本動画で、前田は広島時代(2007-2015)に打者として対戦しストレートがすごいと感じた投手を3位から順に発表。その中の3位に大谷の名を挙げた。 NPB史上最速記録(165キロ)を保持する大谷について、前田は「1回だけ打席に立ったことがある。158キロとか投げてきてめちゃくちゃ速かった」と発言。大谷のストレートは「投げた瞬間から(どんどん球が)小さくなる。打席の近くまで来ると『ちっちゃ!』みたいな感じ」と、速さのあまり目で追うこと自体が非常に難しく感じたという。 「(速過ぎて)球の縫い目が見えなかった。白いピンポン玉みたいに見えて、打つのがすごく難しいなと思った」という前田。対戦時にはストレートをバットに当てることはできたとのことだが、「ストレートしか待っていなかったから、変化球を投げられたらバットには当たっていなかった」とのこと。ストレートだけなら慣れや研究による対応は可能だが、変化球が加わると球種の分だけ対策が必要となるため対応しきれないことを語った。 高校時代(PL学園)に4番を任されるほどの打力を兼ね備えていることもあり、他の投手のストレートを速いと感じたことは少ないという前田。ただ、大谷のストレートは「今までで一番速かった。(今回のランキングでは)3位なんだけど、(純粋な)速さで言うと一番速かった」と評していた。 今回の動画を受け、動画のコメント欄やネット上には「中継で見てても速いから実際に見ると想像以上の球なんだろうな」、「好投手はマウンド上の姿や投げる球が大きく見えるってよく聞くけど実際は逆なのか」、「NPB史上最速の投手だからそりゃインパクトも強いよね、バットに当てるマエケンも凄いけど」、「マエケンは大谷に三振喫してなかったか?」といった反応が多数寄せられている。 これまで広島(2007-2015)、ドジャース(2016-2019)、ツインズ(2020-)でプレーしている前田と、日本ハム(2013-2017)、エンゼルス(2018-)に所属している大谷。両者は2013年から2015年にかけNPBの交流戦で3度対戦しているが、そのうちの1つである2014年6月4日の試合では打者・前田、投手・大谷として対戦。前田は大谷に「2打数0安打・1三振」に抑え込まれている。 日本時代から打力のある投手として知られ、メジャーでも昨シーズンは「.250・6打点・12安打」と高い数字をマークしている前田。その前田でも、大谷のストレートに対しては脱帽しているようだ。文 / 柴田雅人記事内の引用について前田健太の公式ユーチューブチャンネルよりhttps://www.youtube.com/channel/UCJlavxr4G9OFkymtkbKZmOw
-
-
スポーツ 2020年05月07日 11時30分
オリックス版総選挙は山岡泰輔が2連覇!“神童”由伸大躍進!
オリックス・バファローズは、今年2月から投票を受け付けていたオリックス版総選挙『オリ姫が選ぶバファローズの推しメン(略してオリメン)』の集計結果を次の通り発表した。1位(1位) 山岡泰輔2位(9位) 山本由伸3位(3位) 福田周平4位(2位) 吉田正尚5位(8位) 小田裕也6位(5位) 安達了一7位(6位) 西野真弘8位(初) 松井雅人9位(初) 中川圭太10位(4位) 山崎福也 1位は、“エース”山岡泰輔が昨年に引き続き2連覇を達成。山岡はキャンプなどでファンへの神対応が有名となっており、即席で行うサイン会は45分にも及ぶ日もあり、「出来る限りやりたい」という本人の意向から列が途絶えるまで行っていた。キャンプ終盤は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、ファンサービスが中止になってしまったのは、「まだ足りない」と話していた山岡にとって、心残りだったことだろう。 山岡は「オリメンに投票してくださり、ありがとうございました!2年連続オリメン1位に選んでいただきありがとうございます!いつも皆さんの声援が力になっています。これからもあたたかいご声援よろしくお願いします!」と、2連覇のコメントの中でファンに対する感謝の意を述べている。 その他を見てみると、昨年9位だった“神童”山本由伸が、2位に大躍進。これはインスタグラムでの積極的な発信が功を奏したものと思われる。昨年、中日から途中入団した松井雅人が8位、ルーキーで活躍した中川圭太が9位に入るなど、昨年同様、オリメン投票ならではの選手がランクインしているのが面白い。 選出された選手たちは、ゴールデンウィーク中に、『GW企画!「#おうちのオリメン」画像で選手とデート気分♪でステイホーム』をSNSで開催。今月中旬には、LINE公式アカウントにて、『応答メッセージ』を使った選手に関するクイズを予定しているという。シーズンが始まれば、延期が発表されている女性ファンを対象にしたイベント試合『Bsオリ姫デー2020』も開催予定。ここに合わせて、オリメン10選手を対象としたオリ姫グッズも発売される見込みだ。 チームの顔である猛牛三銃士がベスト3を占めた今年のオリメン投票。来年はどんなニューカマーが入って来るのか楽しみである。(どら増田)
-
スポーツ 2020年05月07日 11時00分
暗黒時代のエースが逝く!タテジマを愛したキーオ氏
トラの暗黒時代を支えてくれた右腕、マット・キーオ氏が亡くなった。享年64歳。メジャーリーグ公式サイトも悼惜の言葉を伝えていたが(日本時間/5月3日)、彼を知る阪神OB、球界スタッフは「何かの間違いでは?」と現地関係者に確認の電話を入れていたという。 「信じたくないという思いもあったんでしょう。阪神在籍の4年間、本当にチームに溶け込んでいましたからね」(在阪メディア) 第一報が入ってきた時、当時巨人の選手だった中畑清氏(元DeNA監督)が現役時代の対戦を打ち明けている。投球が顔に向かってきたと思いきや、大きな弧を描いてキャッチャーミットへ――。軌道の大きいカーブでNPB通算45勝44敗(4年/107試合)を挙げた。 しかし、この「軌道の大きなカーブ」の話には“続き”があった。 1989年8月31日の対巨人戦、キーオは、井上真二外野手(53=現巨人三軍監督)の左頭部にぶつけてしまった。当時の井上と言えば、同年5月にスタメン出場のチャンスを掴むと同時に、「2か月弱で11本塁打」と爆発。将来のクリーンアップ候補と期待されていた。頭部への死球は大事には至らなかったが、その後は伸び悩んでしまった。 キーオの死球による後遺症、内角を攻められるとその時の残像が…。心ないメディアがそう伝えていたが、当時を知る関係者がこう反論する。「避けられるボールだったんです。だけど、避けられなかったんです」 どういう意味かと言うと、キーオのカーブは中畑氏の言葉にもあったように、頭部付近から大きく曲がっていく。井上はギリギリまで、「カーブか否か」を見極めようとし、投げ損じと分かった時はもう手遅れだったのだ。 「キーオは井上を個別に訪ねて謝罪していました。その真摯な態度に巨人選手も敬服していました」(前出・関係者) キーオは阪神退団後も現役を続けようとしたが、叶わなかった。その後は、キャリアをスタートさせたオークランド・アスレチックスのフロントに入り、05年にはゼネラルマネージャー補佐にまで上り詰めた。阪神時代の同僚である藪恵壱氏のアスレチックス入りにも関わっている話は有名だが、その後は野球界から退いている。 「阪神で一緒にプレーしたセシル・フィルダーが米球界復帰後、メジャーのトップ選手に成長しました。キーオはフィルダーの成功を喜び、日本球界の緻密なプレーや指導の巧さを代弁してくれました。甲子園球場のきめ細やかなグラウンド整備の話もしてくれました」(前出・同) 父のマーティ・キーオ氏も南海ホークスでキャリアを終えた。その縁で幼少期にも日本に滞在している。親日家なのはそのためだろう。メジャーリーグでは、「チームメイト=ファミリー」の意識も強い。日本では、監督、コーチとは上司・部下、チームメイトは同僚と、“会社組織的な雰囲気”がある。どちらが良いという話ではないが、キーオは藪氏の米球界挑戦をサポートしたように、退団後も“日本のファミリー”を大切にしてくれた。僅か4年の在籍でも、虎ファンが「弱い暗黒時代を支えてくれた」と故人の功績を讃えているのは、“家族のために勝つ”の思いがマウンドからも伝わってきたからだろう。合掌。(スポーツライター・飯山満)
-
スポーツ 2020年05月06日 17時30分
西武、松坂の後継者を一本釣り? コロナ禍で吹く追い風、本人直々の英才教育も見られるか
ウイルス禍がドラフト戦線も変えていた。高校野球を始め、大学、社会人などアマチュア球界が活動を停止・縮小していることは今さらだが、その影響はプロ野球界のバイブルとも言うべく野球協約の変更にも及びそうだ。 「一部で、試合が見られないから、ドラフト会議の指名リストも作れないみたいな報道もありましたが、それはちょっと大袈裟かな。センバツや春季大会が行われなかったので、お目当ての高校生の成長を確認できなかったのは本当だけど、指名候補になる選手の元には、ずっと以前から練習も視察しているからね。情報不足にはなるが、練習の視察、去年までの試合データで判断すればいいだけのこと」(在京球団スカウト) 高校生の指名は、2年生だった昨年までに結果を出している“早熟タイプ”になりそうだ。12球団が 少ないデータの中で高く評価している高校生がいる。明石商の右腕・中森俊介投手だ。 「彼が去年のドラフト対象だったとしても、佐々木朗希(現千葉ロッテ)、奥川恭伸(現東京ヤクルト)と同クラスの評価を受けていたはず。今年はスカウトデータが少ないので、去年までのデータがたくさんある中森クンに注目が集まっています」(前出・同) とは言え、高校生の指名には「育成期間」が付きもの。こんな情報も交錯している。 「1球団が抱えられる最大選手数は70人。極端な話、7人の新人選手を指名するには、その前に7人の選手をクビしなければなりません。どの球団も育成に時間の掛かる高校生を避け、大学、社会人選手の即戦力の選手を指名するのではないか」(球界関係者) 野球協約第66条第2項 保留の手続<契約保留選手の数は70名を超えてはならない> 野球協約に従えば、70人の支配下登録枠に“指名人数分の空き”を作ってからドラフト会議に臨まなければならない。 「ペナントレース、二軍戦が開催されない以上、解雇か否かのボーダーライン上にいる選手を正しく判断することもできません。ボーダーライン上にいる選手を育成枠に落とす方法もあるけど、良策ではありません。今季はペナントレースが再開されても、無観客試合になるので、球団の経営難は避けられません。どの球団も少人数のドラフト指名になりそうです」(同) 埼玉西武は支配下登録選手数が最も少ないチームの一つだ(3月31現在、67人)。「将来の大器・中森」の指名に臨めるのは、少数精鋭の埼玉西武かもしれない。地元に近い阪神、オリックス、そして、将来のエース候補が欲しい巨人も熱い視線を送り続けているが…。 「中森クンはストレートの球速もあり、変化球のキレもバツグンです。20代前半のころの松坂大輔のピッチングスタイルに近く、西武に入れば、松坂から直接学ぶこともできます」(前出・同) また、埼玉西武は昨季、チーム防御率がリーグワーストだった。即戦力の投手は欲しいが、投打ともに「有望な高校生を獲って育てる」のチーム方針を貫いてきた。それに松坂は“教え魔”でもある。野球協約のルールを変え、70人以上を登録できるとなれば他球団も高校生の指名にも積極的になれるが、経営的事情から選手を大量に抱えられるのはごく一部の球団だけだろう。 松坂が自らの後継者を育てるシーンも見られるかもしれない。(スポーツライター・飯山満)
-
スポーツ 2020年05月06日 11時00分
王監督に「死んでお詫びしろ」 主力選手も涙ながらに語った、ダイエーファン激怒の“生卵事件”とは
新型コロナウイルスの影響により、GW期間の現在も開幕延期が続いている今シーズンのプロ野球。本日5月6日は2005年にセ・パ交流戦が始まった日でもあるが、その交流戦も新型コロナの影響により中止された。 中止となった交流戦で最も結果を残しているのが、昨シーズンを含めて過去8回優勝しているソフトバンク。交流戦の存在もあり近年は5月を得意としているが、前身のダイエー時代には今では考えられない事件が起こった。 舞台となったのは、1996年5月9日に大阪・日生球場で行われた対近鉄3連戦の3戦目。同年のダイエーは、4月を終えて「7勝16敗」の最下位。5月に入ってからも調子が上がらないチームに不満を抱くファンも多く、同月7日に同球場で行われた3連戦1戦目の試合後にはファンが移動バスを取り囲む騒ぎが起きていた。 同戦にも「2-3」で敗れ4連敗を喫したダイエー。すると、試合終了直後に客席から発煙筒が投げ込まれ、激怒した一部ファンがグラウンドに乱入するなど球場は騒然となった。 また、1戦目の取り囲みを受けて停車場所を移動していたバスも先回りしたファンに取り囲まれていたため、選手たちは逃げるようにバスへ。すると、バスを取り囲んだファンの中の複数人が、選手やバスを目がけて生卵を投げ付けた。 当時ダイエーの指揮を執っていたのは、就任2年目の王貞治監督。王監督はその直後のミーティングで「ああいうファンこそ本物なんだ」、「将来優勝した時に、一番喜んでくれるのはああいう人たちなんだ」と選手に檄を飛ばしたが、バスに乗り込む際は怒りで体を震わせていたという。 選手が受けた衝撃も大きかったようで、当時主に4番を務めた小久保裕紀は2016年8月17日の『現代ビジネス』(講談社/電子版)のインタビュー内で、「あんなやつら人間じゃない」とファンに激怒していたと告白。また、当時外野のレギュラーだった村松有人は、2010年オフの引退会見で「日生球場で卵をぶつけられた時は、本当に悔しかった」と涙ながらに語っている。 この騒動に奮起したチームは6月に「13勝11敗」と勝ち越し一度は最下位を脱出するも、終盤に失速し「54勝74敗・勝率.422」で最下位に。この間も王監督に対する批判はすさまじく、客席には「頼むからヤメテくれ!王」、「王貞治 死んでお詫びしろ」といった辞任を求める横断幕もたびたび掲げられた。 しかし、同年のダイエーは小久保が2年連続で20本塁打をクリア(24本)し、村松が58盗塁で盗塁王を獲得するなど一部選手がブレーク。また、ドラフトでは井口資仁(当時の登録名は井口忠仁)、松中信彦、柴原洋と、後に主力となる野手3名の獲得に成功した。 その後、チームは1997年に4位、1998年に3位と着実に順位を上げ、1999年にダイエー時代では初となるパ・リーグ優勝を達成。その勢いのまま日本シリーズでも中日を下し、こちらも初となる日本一を果たしている。 同年を含めてチームは昨シーズンまでにリーグ優勝8回・日本一8回を記録するなど、球団名がソフトバンクに変わった現在も結果を残し続けている。ファンの怒りが渦巻いた“生卵事件”は、チームの転機になったのかもしれない。文 / 柴田雅人
-
-
スポーツ 2020年05月05日 17時30分
中日・石川、未曽有の事態に焦り? 大舞台で躍動のドラ1、困難を乗り越え“恐竜打線”の核となれるか
「規格外」の男は我慢の時を迎えている。 ドラゴンズのルーキー、石川昂弥はその爪を研ぎ澄まし、プロの打席に立つ時を待っている。 昨年春の選抜高校野球で甲子園を大いに沸かせる存在となったことは記憶に新しい。母校、東邦高校に30年ぶりとなる優勝をもたらしたこの大会で、全試合に先発、打っては3本塁打を記録している。投打にわたりチームをけん引、強烈なインパクトは野球ファンの脳裏に今なお、焼き付いている。 また、夏に行われたU-18W杯でも全試合で日本代表の4番に座り、打率.333と「世代の主軸」としての役割を存分に果たした。特に、パナマ戦で放ったレフトへの豪快な一発は打球の鋭さはもちろん、拮抗した試合展開の中でチームに勢いをもたらす絶妙な場面で披露したもので、膝元の速球をとらえ、すくい上げてスタンドへ放り込む技術、重要なシーンで「決め切る」勝負強さをいかんなく発揮した、鮮やかな本塁打だった。 ドラフトを経て、地元でもあり相思相愛だった中日ドラゴンズのユニフォームをまとうなど、順風満帆ともいえる、華やかな道のりは続いた。 ただ、キャンプを2軍で迎え、期待に包まれながらプロとしてのスタートを切ったものの、試合出場の機会はまだ訪れていない。多くのプロ野球選手、アスリートと同じく、そのパフォーマンスを発揮することができずにいる。未曽有の事態の中、練習すらままならず、大型ルーキーといえども、グラウンドでのプレーが思うようにいかない現状にもどかしさと焦りを感じているのが容易に想像できてしまう。「思うようにできないところはある」といった本人のコメントもメディアを通して伝えられている。 それでも、人々に通常の生活が戻り、グラウンドにも日常が帰ってきたとき、この男の目の覚めるようなアーチが観客を大いに沸かせてくれることは間違いない。新しい世代の、若きスター候補として、多くのファンが認めていることは確かであり、ドラゴンズ待望の和製大砲となれる素質を秘めている。中心打者として「恐竜打線」をもう一度、蘇らせるとともに、多くのプロ野球ファンにまばゆい希望を届けてくれるはずだ。
-
スポーツ
西武、一軍キャンプ帯同も「松坂は別メニュー」か 渡辺GMの目論見がメンバー編成から判明?
2020年01月16日 11時30分
-
スポーツ
DeNA・倉本寿彦、「周りを気にしている立場ではない」6年目の決意
2020年01月16日 11時00分
-
スポーツ
巨人、オフ補強失敗が意外なベテランに影響? 元木ヘッドコーチも期待、若手を差し置いての優先起用もあるか
2020年01月15日 11時57分
-
スポーツ
中日・根尾が二軍、ルーキー石川が開幕一軍? 就任2年目のシーズン、与田監督が目論むチーム構想とは
2020年01月14日 11時44分
-
スポーツ
ソフトバンク・コラスも復帰絶望か 給料を持ち逃げした選手も、球団との契約を反故にしたお騒がせ助っ人
2020年01月13日 09時00分
-
スポーツ
.350、22本、106打点…メジャー1年目の日本人野手が残した打撃記録、筒香・秋山は更新なるか?
2020年01月12日 18時00分
-
スポーツ
西武・松坂、一軍キャンプ投入は危険? 渡辺GMの意味深発言、昨季未登板の内海とも明暗分かれるか
2020年01月11日 17時30分
-
スポーツ
日本ハム・中田も怯える「プロ野球選手寮」 心霊現象の頻発、球団が対応に追われたケースも?
2020年01月11日 11時00分
-
スポーツ
阪神、現コーチ陣には存在意義がない? 山本昌待望論が渦巻く春キャンプ、秋に敷かれた“かん口令“も継続か
2020年01月10日 11時40分