-
レジャー 2009年05月25日 15時00分
人物クローズアップ “第2の「千の風になって」”生み出した樋口了一からの『手紙』
昨年10月22日に発売されたCD「手紙」が、オリコン5月25日付シングル週間ランキングで9位に入った。半年以上にわたってジワジワと支持を広げ、今や第2の「千の風になって」との呼び声も高い。この曲を世に出し、そして歌い続けるシンガーソングライターの樋口了一(45)に話を聞いた。 この曲が生まれるきっかけは、友人でポルトガル語翻訳家の角智織(すみともお)さんの元に届いた1通のチェーンメール。そこにはポルトガル語で書かれた作者不詳の散文詩が記されていた。 「最初、角さんは訳した詩をパソコンのスライドショーにして、僕を含めた4〜5人にメールで送ってくれんです。モニターに映し出される言葉がリアルで、脳裏に映像を呼び起こされるような感じがしました。2〜3日たっても忘れられなくて、角さんに改めて訳詩を送ってもらい曲を付けてみたんです」 歌詞にしては直接的、率直な内容で、日本の楽曲にはなかったような言葉で構成されている。 「最初は驚きましたが、海外の人たちのコミュニケーション手段にユーモアを感じて、すごく柔らかい考え方で表現する視点を持てました。確かにJ-POPにはないものですが、だからこそ“曲にしたい”という思いが強まった感もあります。これを歌にするのもアリかと」 詩の内容は一見して、高齢の親が子供に自らの老いを訴える“衰えの歌”のようにも受け取れる。 「でも、僕は逆の力強さを感じたんです、老いていく人が立ち上がる…みたいな。こうした力強さや安心感を曲に滲(にじ)ませたせいか、リアルな言葉で内面に踏み込んでいく、聞く人に対して癒やしや救いを持った曲になりました。これまで僕が抱いていた“メッセージ性を持った音楽を作っていたい”という思いを、違った手法で実現できたんじゃないかな」 訳詩に触れたとき、自分の心の中にしまっていた映像がよみがえり、それが大きな安心感につながり、やがて詩の内容に対して肯定的な気持ちになっていったという。 「生まれて四十数年。幼いころの父親の思い出とか、いろんなことがフラッシュバックしてきて。僕の支持層は割と同世代がメイン。僕には80過ぎの両親に、5歳と2歳の子供がいます。ファンも似たような家族構成でしょう。昔からのファンは『手紙』に、違和感より同世代としてのシンパシーを感じ取ってくれたんじゃないかと思います」 だが、リリースから半年が過ぎた今、ここまで広まるとは具体的に想像していなかった。 「僕の曲がファン以外に広がっていくのって、初めての経験なんですよ。作曲中は多くの人に伝わって欲しいとは思ったけど、いかんせん経験がないですから。最初はインディーズで出そうと思ったんですが8分以上もあるし、CDにしたいけど無理かなって。これは生で伝えるしかないと(笑)。でも、テイチクさんからリリースが決まったとき“売れる売れないは関係ない。この曲は一人歩きするから別に心配してない”って言われたんです。その気持ち、よく分かったので僕も不安はありませんでした」 実際に親の面倒を見ていたり介護に携わっている人たちから、数多くの手紙が届いているという。それは封書はもちろん、メールも。 「曲を聞いて返事を書きたくなる方が多いみたいです。しかも皆さん、長い文章で思いをつづられて。これはJ-POPにはないリアルさです」 先ほど“生で伝えるしかない”とあったが、聞きたい人のもとを訪ねて生で歌う「ポストマンライブ」を、今年1月から実際に続けている。 「普通のコンサートと違ってリアルな反応を感じます。ご夫婦二人と相対して歌えば、向こうからも感情が伝わってくる。それがまた僕のエネルギーになるんです。この曲を聞いて涙を流す方が多い。でも、それは悲しいからではなく、忘れて洗い流してスッキリする、そうした涙なんです。僕も最初この詩に触れたときの衝動をできる限り忘れず、軸をブレさせず、テンションを保ったままでいたい。直接この歌を届けに行き、なるべく生で聞いてもらいたい。その意味で今年の目標は…健康でいること(笑)」 樋口を語る上で欠かせないのが、大泉洋らが出演していた北海道の人気ローカル番組「水曜どうでしょう」。エンディング曲「1/6の夢旅人」はファンの愛唱歌だ。 「『1/6の夢旅人』と『手紙』は内容が真逆のようですが、人を応援したいという点で目的は一緒なんです。先日も『どうでしょう』の藤村忠寿ディレクター(D)と一緒に“姫だるま”で有名な大分の温泉に行ったんですが。番組のファンの前で藤村Dがこの詩を朗読し始めたら、途中で爆笑し始めて読むのを止めちゃった。後で湯につかりながら“なんで爆笑したの?”って聞いたら“泣きそうになったから”だって。いかにも藤村Dらしい理由でしょ」 これまでTOKIOやV6らに楽曲を提供してきた“作家”でもある樋口。最近、常に曲作りを迫られる創作活動へのプレッシャーとは別の意識を感じていたという。 「ここ数年、単にいい曲というだけでは足りないのでは? 真に人から必要とされる曲が存在するんじゃないかと、自分に問いかけてきました。その答えのようなものが『手紙』で見えた気がします。結果的に『手紙』が人から必要とされる曲、イコールいい曲になればいいと思います。僕もまた詩の言葉に、手紙に鼓舞され励まされている一人。聞いて下さる皆さんと一緒です」 あす26日には「歌謡コンサート」(NHK総合・午後8時)にも出演する。まだ聞いたことのない方は、一度ぜひ耳を傾けてほしい。 ひぐち りょういち 1964年2月2日生まれ、熊本県出身。立教大学中退。93年「いまでも」(東芝EMI)でデビュー。主に作家としてさまざまなアーティストに楽曲を提供。97年「Anniversary song」リリース後、活動小休止。03年、6年ぶりの新曲「1/6の夢旅人2002」で本格的にアーティスト活動を再開。
-
レジャー 2009年05月25日 15時00分
高橋四丁目の居酒屋万歩計(1)「さかばやし」(立ち飲み)
さして落胆しているふうでもなく「90万円磨(す)った」と、ケイタイで話しながら歩いている男とすれ違った。東京証券取引所のある茅場町からも遠くないこのあたりでは日常茶飯のことなのか、言外に、まだ自分に才覚があったから損失を90万円で済ませた、とほのめかしている。 行き交う男たちのほとんどがスーツ姿。仕立ては、必ずしも良くない。襟首に皺(しわ)が2、3本、大きく湾曲している。男のスーツ姿というものは、じつは都会でもっとも有効な身を隠す術(すべ)なのだが、そういう意味合いでもどうやらなさそうだ。 映画という、光と陰でできた虚の世界に長く浸っていると、実業の世界の人々こそが物語の中にしか存在しないのではないかという錯覚に陥りそうになる。やがて、その錯覚を否定できなくなる。否定しなくなる。肯定するようになる。 「さかばやし」の酒林(杉の葉を束ねて球状にした酒屋の看板)をくぐって中に入る。 左手に、真っすぐ前を向いたお姉さんがいらした。男というものは、しょうもなく遊びにくるもの。遊ばなければ人生を実感できない、そういう生き物なのだから、見逃すしかない。まあ、こちらも商売だから遊ばせないことはないのだけれど、こいつらは枷(かせ)をしておかないと、羽目を外す。ここは白い歯を見せずに、ひと睨(にら)みしておいたほうがいい。 男は図に乗るとどこまでも甘えてくる。それはもう自分の亭主だけで、たくさん。だいたい、あの亭主も…というふうにお考えになっているかどうかは知りません。知りませんが、ややきつく、やや冷たいお姉さまがきりりと紅を引いてお待ちになっているので、酒とつまみを申告して、お支払いして、停まる卓を選択しましょう。 これが、キャッシュ・オン・デリバリーのシステム。お釣りは小さな竹籠(かご)に入れておきましょう。どうせまもなく出て行きます。 チンしてもらったニラ玉も、ぷっくりしたソラマメもとても良いアテながら、まぐろのブツがうわさに違わぬ絶品でした。ブツという言い方が違います。大とろと中とろの、お雛さまサイズというべきでありましょう。 一切れつまんで、お燗(かん)に切り替えました。このとろける甘さと油分は、冷やでは洗い流せないものです。 大ぶりのテレビでは今年、生誕100年の松本清張物を再放送中。画面で米倉涼子(女優)が土下座しております。立ち飲みの酒場では、必ず誰かはぼーっと眺めているものですが、ここではみんな話に夢中か、思案の最中なのでした。予算2000円東京都中央区日本橋小伝馬町9-1
-
トレンド 2009年05月25日 15時00分
高橋四丁目の居酒屋万歩計(2)「帰ってきたとぶさかな」(居酒屋)
両手に余る長巻紙に、本日のお品書きがずらりと羅列してある。なかに、ひらまさとあって、懐かしさがこみあげた。むかし、それとは知らずに食べたひらまさが、ぶりの親戚のようでそうではなく、淡白でありながら旨みが残る味わいに、これはなんですかと尋(たず)ねるとひらまさだという答え。 30歳のわたしは、映画「野性の証明」(佐藤純彌監督)のロケ地となった石川県金沢市に来ている。可愛いおばさん役が最近、お似合いの薬師丸ひろ子さん(女優)がデビューした作品だ。スタッフの宿舎は、風光明媚(めいび)な城下町が売りである古都の観光基準に反旗を翻して、一軒だけ目を引く色で壁面を塗って騒動を起こしている、某旅館。わたしの仕事といえば、取材にみえる芸能記者の案内役。灯ともし頃になれば「野性軍団」と命名されたアクション系若手俳優たちの兄貴分として、夜な夜な盛り場に出撃していた。 今夜は浅野川の畔(ほとり)の寿司屋にきている。しかしまあ困ったことに、主役の高倉健さんがいたずら好きな方で、今朝も喫茶店の若いウェイトレス(懐かしい響きだ)をからかっていた。からかうったってなにをするでもない。ただ、こんにちは、というだけである。問題は、誰が「(ニコッと満面笑みの高倉健から目を見つめられて)こんにちはッ」と挨拶されることを予期しているか、である。女の子はもうちょっとで、トレーのホットコーヒーをひっくり返すところだった。 ひらまさ、である。 北国生まれのわたしが、当時、見知りもしなかったのは当たり前で、ひらまさの分布は温帯と熱帯域で、日本では本州中部以南になる。真夏の海の代表的な魚で、針にかかると数百メートルを一気に突っ走ること、姿形はぶりに似ているが味はぶりに優る高級魚であること、漢字では平政と書いて、寿司屋でもなかなかの高嶺の華であること、などは後で知る。お待ちどおさまという声とともに、ほのかな紅色の筋が綾なした刺し身が五葉、目の前に出てきた。ひらまさである。確かに、夏の魚らしく、舌に残るということをしない。思い出というものも、かくありたいものである。 まぎらわしいが「帰ってきた とぶさかな」が本店である。2年前、筋向かいに支店「とぶさかな」を出した。魚料理中心の居酒屋で若い衆が、さらに若い衆を使って威勢良く商売に精を出している。地元にも馴染(なじ)んでいて、土日は家族連れや年配者同士が多い。 薦(すす)められたのでいただいた本日お薦めのサザエの刺し身も、潮の香を残した肝と、刺々(とげとげ)しい部位と、柔らかな部位とを、3つに分けて供する仕事ぶりや良し。年配者には荒々しいサザエではなく、別の刺し身を提案するなどの接客ぶりも良し。なかなか頼もしい若い衆ではある。予算3500円東京都世田谷区北沢2-15-5
-
-
トレンド 2009年05月25日 15時00分
高橋四丁目の居酒屋万歩計(3)「豊後」(ぶんご、居酒屋)
豊後は、九州大分県の旧国名。豊後九重山(くじゅうさん)山麓の九重高原は、映画「乱」(黒澤明監督)の野戦シーンが撮影されたところである。神代のむかしから、映画の制作会社と配給会社とは折り合いが悪く、撮影の前・中・後と諸問題が勃発し続けることになっている。 年上の友I氏は、あちらを立てればこちらが立たない、そんな両者の利害を調整する立場にいて、状況に応じて豪華さで名高い黒澤組のディナーを(かなりの確率で空いている監督の真正面の席で)監督と談笑しながら共にしたお人である。これは、なかなかできるものではない。さらにI氏は「乱」を遡(さかのぼ)ること数年前、多国籍映画「戦場のメリークリスマス」(大島渚監督)の合作責任者としてオーストラリアに赴き、大島監督が沈む夕陽に向かって叫んだ「まだOKじゃない。沈むな、バカヤロー」という演技指導をその耳で聞いてもいる。この言葉の意味を瞬時に理解すること、これまた、なかなかできるものではない。 仲間内でも、対極的な作風の2人の映画監督と、みっちり中味の濃い仕事をやってのける神経はどういう神経か、一度、頭の中を覗いてみたいものだと囁(ささや)かれていた。 ついでながらこの方は、観ていない映画をあたかも昨日観てきたかのようにとうとうと語るという特技をお持ちであり、そのような特技の発展形として、酒を一滴も飲まないのにスコッチのシングルモルトに精通してもいる。 下戸のI氏とは残念ながら、豊後の酒「一乃井出(いちのいで)」について、縷縷(るる)吟味することはできないが、ここにいればいたで、なにか上手(うま)いことを発言しそうで怖い。 この豊後の地酒が、いかにも不思議な酒なのである。持ち重りのする、でっぷり太った2合入りの徳利で独酌。燗酒なのに薫香がしない。いぶかりながら、口をつける。含む。嚥下する。息をつく。そのいずれの過程にも、酒の酒であるところの酒らしさが感じられない。それは、物足りない、のではない。これまでの燗酒にはない、異な体験に戸惑う。さらに杯を重ねても、1度目の飲み口と、12度目の飲み口と、なにも変わらなかった。 舌の上の酒が、こちらの理解を待たずに、胃の腑(ふ)に落ちてしまう。そしてそのことが、得も言われぬ快感になりはじめる。なぜだろう。小ぶりで渋い、いい造りのお店で、あてに鴨の燻製と菜の花辛子をいただいて、わたしは高揚のあまり、イノカシラでこんないい思いをしてイーノカシラと、鼻歌をうたっていた。 隣の客が、そのまた隣の客のクサヤの煙で、顔をしかめていた。で、謎の解明であるが、ここで試みて、ここで考えて、ここで答えを出すしかない。なぜならば、一乃井出という酒は全東京中「豊後」でしか飲めない(女将談)からなのだ。 わたしも謎解きに喜んで再挑戦するけれど、同好の士もよろしければ、ぜひ一度。予算3000円東京都武蔵野市吉祥寺南町2-6-6 第二丸昌ビル
-
レジャー 2009年05月25日 15時00分
日本ダービー(JpnI、東京芝2400メートル、31日)丹下日出夫の虎の巻 アンライバルドは最低でも2着は外さない!
さあ、今週は競馬の祭典「第76回日本ダービー」(JpnI、東京芝2400メートル、31日)。主役を張るのは、父子2冠制覇を目指すアンライバルドだ。3強対決にわいた皐月賞でも、いの一番に本命に推した競馬評論家の丹下日出夫は、今回ももちろん◎。最悪でも2着は外さないと見ている。 今年の皐月賞は、記録面において、ダービーにつながるさまざまな記録を内包している。そのラップをひも解くと、前半1000メートル通過は59秒1。ここまでは、通常より少し速めだったように思うが、何と7F目からは11秒9→11秒8→11秒7と、3連続で11秒台のラップが並び、ラスト1Fは12秒1(3Fは35秒6)。こんなタフな流れの皐月賞は、お目にかかったことがない。 引っ掛かり癖のあるアンライバルドにとっては、このハイピッチは、まさに絶好の流れ。当面のライバルであるリーチザクラウンやロジユニヴァースを内外に見ながら、仕掛けのタイミングを計る恩恵を受けたとはいえ、直線入り口では津波が押し寄せるかのように、一気に他馬を飲み込み、皐月賞史上歴代2位の芝2000メートル1分58秒7という好記録で完勝した。 ちなみに、アンライバルド自身の上がり3Fは、レースのそれを1秒上回る34秒6。勝負を決めた残り2F目のレースラップ・11秒8から逆算すると、推定10秒9前後の脚を駆使。あのハイペースの上に立っての10秒台の加速力はズバ抜けている(距離延長もOK)。しかも、1分58秒7はレースレコードに0秒2差。ノーリーズンが保持するレコードは、中山の馬場改修後、初めての皐月賞で、好タイムが続出した年でもあったし、実質的には、今年の皐月賞こそがレコードといっていい。 なんて、個人的には、馬体のラインやつくりは、マイラー寄りとは思うが、普通、この走破タイムと上がりで勝てば、まずダービーでも崩れない。何か他馬の大駆けにあったとしても、少なくとも2着は確保できるはずだ。 人気では、同馬より上の支持を集めていたロジユニヴァースとリーチザクラウンは、あの激流にモロに巻き込まれ、14・13着に大敗。ただ、リーチザクラウンは、怒とうの返し馬と馬体の迫力を見て、アンライバルドが負けるとしたら、この馬だろうと即座に断言したくらい。記録面においても、2戦目の未勝利戦は、何と後続を12馬身もちぎる大差の楽勝。机上の計算だが、芝1800メートル1分47秒4の先の1Fを12秒0で走ったとすると、2000メートルは1分59秒4。2歳暮れに、2分を切ろうかというケタ違いのポテンシャルを見せつけている。果たして今回は大胆な追い込み策か、それとも…。いずれにしても、スローペース必至のダービーとなると怖い。アンライバルドが逆転を許すなら、スケールの大きなリーチだろう。 もちろん、ロジユニヴァースも、札幌2歳Sでジャングルポケットが保持していたレコードを、0秒5も塗りかえる芝1800メートル1分49秒1をマーク。続くラジオNIKKEI杯は、歴代3位の好タイムでリーチザクラウンを4馬身差と完封しているだけに、皐月賞を惨敗したからといって、まったく無印とはいかない。惑星程度の印は、考えておいたほうがいい。 皐月賞は、直線勝負に徹する、無欲の作戦が功を奏したこともあるが、アンライバルドを上回る上がりをマークしたトライアンフマーチと、セイウンワンダーも連下には押さえておきたい。ただ、あくまで流れに恵まれての2・3着候補。アンライバルド逆転までは疑問だ。 一角崩しがあれば、アプレザンレーヴ。青葉賞からは、いまだダービーの勝ち馬は出ていないものの、芝2400メートル2分26秒2は上々。確実に上位争いには加わってくる。アイアンルックは、NHKマイルC組では、唯一中距離馬の馬体をしている。距離はもつ。前回は勝負どころで馬体をぶつけられる不利があっただけに、一発があっても不思議ではない。
-
-
レジャー 2009年05月25日 15時00分
日本ダービー(JpnI、東京芝2400メートル、31日)アプレザンレーヴ 父超えで頂点に立つ
遅れてきた大物が混戦を断つ。競馬の祭典「第76回日本ダービー」(GI、東京芝2400メートル、31日)がいよいよ間近に迫ってきた。注目はダービーと同じ距離、コースの青葉賞を制したアプレザンレーヴだ。2005年、ディープインパクトで無敗の3冠を達成した池江郎調教師が「どうしても出したかった」と2度目のダービー制覇を強く意識する逸材。父のシンボリクリスエスは青葉賞を勝ったものの、ダービーは2着惜敗。同じローテーションで父の残した夢に挑む。 いつもの穏やかな表情を少し引き締めて、池江郎調教師は言い切った。 「僕自身、この馬だけはどうしてもダービーに出走させたかった」 毎年、有力3歳馬を多数抱えている。今年も例にもれず素質馬がそろっているが、ことダービーとなれば適性、潜在能力ともにアプレザンレーヴが抜けているという。 それを実証したのが前走の青葉賞だ。淡々としたペースの7、8番手を追走。気負うことなく流れに乗った。直線、坂下からの追い比べで外からトップカミングに交わされたが、差し返す勝負強さを見せつけた。ダービーと同じ条件で示したしぶとさ、したたかさは、皐月賞とは別路線組の中にも怖い馬がいることを印象づけた。 「外から一度交わされてね。普通の馬ならあれで戦意を喪失してしまうもの。あそこから盛り返すんだから、相当にいい勝負根性をしている」 父のシンボリクリスエスもそうだったが、520キロを超す馬体はゆとりがあって、懐の深さをうかがわせる。「レースを使うたびに力をつけているし、まだまだ底を見せていない。伸びしろは十分に見込める」と言うのもうなずける。 中間の動きにも晩成らしさが出ている。20日の1週前は栗東DW。追いかけた分、併せたウインヴェロシティ(3歳500万)には遅れたが、6F79秒8の好タイムをマークした。以前は攻め駆けしなかっただけに、6F80秒を切ったのは成長の証し。騎乗した村本助手は「とても良かった。何の心配もない」とうなずいた。 父のシンボリクリスエスは02年の青葉賞を勝ってダービーに挑んだが、タニノギムレットの2着に甘んじた。古馬になって絶対王者として君臨したが、ダービーだけは置き忘れた夢。あれから7年、同じローテーションで息子が父超えに挑む。 池江郎師にとっても、ディープインパクトで無敗の3冠を制した05年以来となる2度目のダービー制覇のチャンス。「仕上げにはベストを尽くす。当然、期待しているよ」。名伯楽が見抜き、ほれた素質。遅れてきた大物が、一気に頂点を狙っている。
-
レジャー 2009年05月25日 15時00分
「オークス」(JpnI、東京芝2400メートル、24日)ブエナビスタ2冠奪取 秋は凱旋門賞挑戦へ
史上11頭目の牝馬2冠馬が誕生。「第70回オークス」(JpnI、東京芝2400メートル、24日)は、単勝140円と断然の人気を集めたブエナビスタ(牝3歳、栗東・松田博厩舎)が、桜花賞に続き栄冠を勝ち得た。勝ちタイムは2分26秒1(良)。 その強さは万人が認めるところだが、後続を7馬身突き放したヴィクトリアマイルのウオッカとは対照的なハナ差勝ち。安藤勝騎手は「勢いはあったが、ゴールを過ぎてから(2着レッドディザイアを)交わしたと思いました」と、一瞬負けを覚悟したほど、最後は際どかった。 それもこれも、「4角で内を狙うか、外に出すか迷って仕掛けが遅れた」ことが原因だった。この日は、「内を通った馬が伸びている」とインプットされたことが、名手の判断を鈍らせたのだ。しかし、外に出すと瞬時にギアが上がり、立ち木を倒す勢いでグイグイ伸びてきた。 上がり3Fは33秒6。絶望的な場面からメンバー最速の差し脚を繰り出し、力でレッドディザイアをねじ伏せた。内容は着差以上に強かった。勝利を信じていた松田博調教師は、「見ていて疲れたよ。心臓に良くないね」と苦笑い。改めて愛馬の強さを再認識した。 一方で気になるのは勝って海外挑戦のプランが持ち上がっていること。「凱旋門賞挑戦? オーナーと相談して決めますよ」。トレーナーは含みを持たせたが、ファンから見れば、年内で引退が決定しているウオッカとの夢の女傑対決も待ち遠しい。 秋は秋華賞でメジロラモーヌ(1986年)、スティルインラブ(2003年)以来の牝馬3冠を目指すのか。それとも、さらなる高みを目指し、海を渡るのか。前途洋々の女王の動向に注目が集まる。
-
レジャー 2009年05月25日 15時00分
東海S(GII、ダ2300メートル)ワンダースピードが押し切る
26日の中京メーン「第26回東海S」(GII、ダ2300メートル)は、小牧騎手が騎乗した2番人気のワンダースピード(牡7歳、栗東・羽月厩舎)が優勝。勝ち時計は2分23秒7(良)だった。 道中は3番手をキープ。2週目の向正面でマコトスパルビエロ、アロンダイトが一気に仕掛けてハナに行く展開にも動じることなく、直線は先に抜け出したアロンとの差を一完歩ごとに詰め、1馬身4分の1差振り切った。 「厳しい流れになったが、内でうまく立ち回ることができた。ダートの長いところも、この馬には合っているね」と小牧騎手。これで重賞は通算4勝目。ダート界の古豪が春シーズンをきっちり締めくくった。 一方、1番人気に支持されたウォータクティクスはまさかのシンガリ負け(16着)。ダート無敗の連勝記録は「6」でストップした。
-
レジャー 2009年05月25日 15時00分
さきたま杯(JpnIII、浦和1400メートル、27日)スマートファルコン 主役の座は譲れない
昨夏に再びダートに路線変更後、交流重賞を6勝。南は佐賀から東は南関東まで諸国漫遊にいそしんでいる(?)スマートファルコン。 まさに、競走馬版の水戸光圀公といった印象だが、そんな黄門さまが目をつけたのが、さきたま杯だ。「地方の小回りの競馬場は、スピードのあるウチの馬にとって有利だからね」と畑助手。浦和は昨秋の浦和記念(1着)以来、2度目の遠征。もちろん、ここでも栄光の蹄跡を刻む腹積もりだ。 「21日の(栗東)坂路では楽に(800メートル)52秒台が出たし、24日にもやって万全の態勢。秋にはJBCという大目標があるからね。着実に勝って賞金を加算したい」 もはや交流重賞のJpnII・IIIクラスでは敵なしの状況。“印ろう”を出すまでもなく、あっさりライバルたちを片付けそうだ。
-
-
その他 2009年05月25日 15時00分
福岡SG第36回「笹川賞」クオカードを10人にプレゼント
26日から31日まで、福岡競艇で行われるオールスター戦「SG第36回笹川賞」。同レース開催の記念クオカードを10人にプレゼントします。 ※プレゼントの応募は締め切りました。
特集
-
岡平健治「19」解散は「お金の問題じゃない」 岩瀬敬吾、地元に戻るのを「止められてよかった」 今後はバラエティーで「ポンコツっぷりを見て笑ってほしい」
芸能
2025年08月05日 23時00分
-
野球人生“燃え尽きた”元プロ野球選手・宮國椋丞氏 今後は「周りの人に頼られたり、笑顔にしたい」
スポーツ
2025年07月25日 23時30分
-
-
豊ノ島、YouTubeチャンネルで若乃花とコラボ熱望 タレントとして相撲番組で「冠番組」持ちたい
芸能
2025年07月21日 12時00分
-
宮迫博之「雨上がり決死隊」再結成は「蛍原さん次第」 ドジャース始球式の裏話も明かす
芸能
2025年07月14日 17時00分
-
元ザブングル松尾陽介、沖縄で芸人のセカンドキャリアサポート 芸人引退に「心境の変化」
芸能
2025年04月28日 19時03分