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ミステリー 2011年08月26日 15時30分
錆びない鉄
インドのデリー郊外の世界遺産クトゥブ・ミナールに、アショカ・ピラーと呼ばれる鉄柱がある。直径44cm、高さ7m、地下部分2m、重さ10tの柱は99.72%の高純度鉄でできていて、表面にサンスクリット語の碑文が刻まれている。不思議なのは、鉄柱が1500年もの間、風雨にさらされながらも錆びないでいることだ。 鉄は不安定な物質で、酸素と結合し酸化鉄の状態で安定する。錆びはその過程で生じる。それを防ぐには加工が必要で、日本刀のように、熱を加えて叩く製法は確かに錆びにくいが、維持するためには手入れが必要である。 一説によると、柱が、地中を支配する蛇の王ヴァースキの首に刺さっていると云われ、現在のように柵で囲われる以前は、あやかろうとした多くの人々が素手で触れている。現地の習慣で、強い陽射しから肌を保護するために塗る油が付着し、錆を防いでいるのではないかと言われる。ただ、錆びない個所が、人々が触れたであろう低い位置に限られていないことから、疑問である。 また、最近有力視されている説は、現地で産出される鉄鉱石には多くのリンが含まれており、精製過程で加熱しながら叩くとリン酸鉄となり、錆に強くなると言うものだ。残念ながらこの説だと、他にも多くの錆びない鉄製品が存在するはずであり、やはりこの鉄柱の謎が解明されたとは言えないだろう。(七海かりん/山口敏太郎事務所)
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社会 2011年08月26日 15時30分
食肉と文化 -動物を食べるということ-
8月11日、タイの東北部で1000匹もの犬を食用に密輸しようとした男らが拘束された。タイ人2人とベトナム人1人。密輸先は中国とベトナムだという。 この情報が流れたとき、ネット上で多くの日本人が「犬を食べるなんて…」と憤る声が多く流れた。圧倒的多数の意見は「犬のように賢くてかわいい動物を食べるなんて許せない!」というものである。 言いたいことはわからなくもない、この意見だけだと、一部動物愛護団体が「イルカやクジラのような賢くてかわいい動物を食べるなんて許せない!」という理論とまったく同じになってしまう。問題は「密輸」であることと「犬の捕獲経路」「食の安全」ではないだろうか? 密輸は当然犯罪である。その犬を誰かが飼っていたものであれば窃盗になる。野良犬であった場合、食の安全に疑問が残る。 ちなみに昭和の中ごろまで日本にも犬食の伝統はあった。つまりつい最近まで日本人は犬を食べていたのである。もちろん精肉店に売っていたのではなく、野良犬や自宅で飼っていた犬を食べることが稀にあったらしい。 古来日本には仏教と神道の影響により天武天皇4年(676年)に肉食禁止令が出ている。これは「絶対に肉を食べてはいけない」という意味ではなく、人々はそれなりに肉食をしていた。その食べていた肉は、牛や豚よりも、狩りで獲れた獣肉か犬が多かったようだ。戦国時代にポルトガルからやってきた宣教師のルイス・フロイスは「日本人は野犬や鶴、大猿、猫、生の海草などをよろこぶ」と書き残しているくらいだ。 江戸時代になると、肉食はかなり減る。 幕末に来日したアメリカ人の外交官タウンゼント・ハリスが、伊豆の下田にアメリカ領事館を構えていたころ、牛乳が欲しくて幕府の通訳に求めたことがある。 当時の日本人には牛を食べるどころか牛乳を飲むなんて習慣はなかったから、そんなキテレツな要求をされた日本人は心底ビックリしたという。当時の日本では、牛は農家の玄関先で飼われていた。人間と同居しており、また重要な労働力だったから、食べる事は何よりも残酷なことと認識されたし、子牛に与えるべき牛乳を奪うなどという発想もなかった。 それに比べると、むしろ犬の方が日常的に食べられていたという。なぜかというと、農耕民族である日本人にとって牛は労働力。しかし犬は狩りでもしない限りあまり役に立たないので、食用にもされていたという事だ。 逆にいえば、狩猟民族であるヨーロッパ人が犬を食べないのは、狩猟のパートナーとして役に立つから、食べるよりも使役するほうがいいと考えられたためと言える。 今でも中国やベトナム、韓国などで犬を食べる文化があるが、これらの国も農耕民族で、犬はあまり役に立っていないからと考えられている。 ちなみに日本でも韓国料理店にいけば、犬鍋が出されているのだが、その犬肉は中国からの輸入が主であるらしい。農林水産省の統計によると、犬肉の輸入量は2007年に77トン。ここ10年くらいで10倍くらい犬肉の輸入量が増えているとのこと。 そしてその犬肉がはたしてどれくらい衛生的であるか、安全であるかはまったくの疑問である。参照:http://ja.wikipedia.org/wiki/犬食文化(山口敏太郎事務所)
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トレンド 2011年08月26日 15時30分
初のグループ展が盛況! 写真家集団「optic nerve」とは
iPhone専用アプリ「instagram(インスタグラム)」で出会った6人からなる写真家集団「optic nerve」が、東京・四谷の「CROSSROAD GALLERY」で初のグループ展を開催中だ。期間は9月4日(日)まで。出展者は「ripcord」「aya」「Hal Takenaka」「ryoco」「Aki Takenaka」「mushman」の6人。会場には約60点の作品が展示されている。23日のオープニングパーティーには約100人の観客が訪れた。 「optic nerve」を主宰するAki Takenaka氏は「instagramの中でできたフォロー、フォロワーという関係を発展させて何かやろうとはずっと思っていて、そのうちの何人かから自然発生的に起こった動きを形にしてみたら、このような写真展になった」と話す。 6人からスタートした「optic nerve」、今後の展開は?「人は増えていくと思います。撮る写真や、使うカメラ、デジタル、アナログとかの選別は全くなくて、そこは写真家の感性がいい感じで繋がっていけば。また、私達のような写真家グループも他に存在してますので、そうしたグループとも互いを尊重した上でリンクしあったりしてます。今後の予定は、そんな仲間達と一緒に撮影会をしたり、共同での催しを計画してます。そうした小さなグループと全国規模で手を繋いで行きたい」(Akiya氏) 「optic nerve」では9月半ばに撮影会。年内に名古屋でのグループ展開催を予定と、活躍のフィールドを広げている。「OpticNerveSync」http://www.0ptic-nerve.com/■開催場所 CROSSROAD GALLERY http://www.roonee.com/crossroad/新宿区四谷4-28-16 吉岡ビル5F■期間 2011年8/23〜9/4 ※8/29(月)は休館<関連記事>instagramから生まれた写真家集団「optic nerve」が23日から初グループ展 http://npn.co.jp/article/detail/45891885/
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芸能 2011年08月26日 11時45分
やしきたかじん 島田紳助さん引退に関するつぶやきを訂正しても削除せず
23日の会見で暴力団関係者との“黒い交際”を明かし芸能界を引退した島田紳助さんだが、自身のツイッターで引退の背景を匂わせたのが“関西芸能界のドン”と呼ばれるやしきたかじんだ。 たかじんは会見当日、ニュース番組でみた紳助の会見について「歯切れ悪いですね。本質が暴力団とのメールだけで吉本興行は切らないと思いますが」と感想を書き込み、「ここ10数年間、南に土地ビルを収得・商売を展開している間に其の種の人達と関係が深まって行ったのは事実としてあります」と“黒い交際”の実態を伺わせた。 「たかじんは個人事務所に所属し、紳助さんが所属する吉本興業の圧力に屈しない唯一の関西系芸能人。紳助さんの師匠格にあたる元タレントの上岡龍太郎さんの大親友でもあり、会見に物足りなさを感じて思わずつぶやいてしまったのだろう」(芸能記者) たかじんのつぶやきは各メディアで報じられ話題となっていたが、25日に「今日TVで訂正しようと思っていたのですが南で商売を展開している間にその種の人達と関係が深まった事実としてあったのかをあります(原文ママ)、と打ってしまい直ぐ訂正すれば良かったのですが怒涛の様にフォローが来てしまい、訂正遅れました。ここでお詫びして訂正します」と謝罪した。 「現在のフォロワー(読者)は約5万6000人だが、紳助さんに関連した書き込みをしたところ、1日に約2万人も増え、訂正しようにも、拡散のスピードが速すぎたようだ」(同) 訂正の書き込みをした後は「ぼくのtwitterを使用していいかの打診も一切なしに勝手に載せる新聞等に憤りがあります」、「もし、圧力がかかって来たら直ぐにこのtwitterで圧力情報をながします」と書き込んでいるだけに、周辺からの圧力はなく、あくまでも自身の意志で書き込んだようだが、これまでの書き込みを一切削除しないのは、さすがたかじんだ。
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芸能 2011年08月26日 11時45分
元モー娘 紺野あさ美アナ お泊り熱愛撮られちゃった!
元モーニング娘。で現在はテレビ東京の紺野あさ美アナウンサーの熱愛が写真週刊誌「フライデー」で報じられた。お相手はイケメン青年実業家で紺野の大学の先輩である松本剛徹氏。 同誌によると都内のホテルでディナーを楽しんだ二人は、その後、タクシーで高級マンションへ向かい一夜を過ごしたという。さらに、地下鉄の駅のホームで抱擁を交わす姿もキャッチされている。 紺野あさ美アナウンサーは、モーニング娘。として活躍、卒業後は慶應大学に入学、卒業後はテレビ東京へアナウンサーとして入社。元アイドルの女子アナウンサーとして話題になっている。
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芸能 2011年08月26日 11時45分
ナインティナイン オールナイトニッポンで「紳助さん、正直まだまだやって欲しかった」
25(木)深夜1時から放送された『ニッポン放送 ナインティナインのオールナイトニッポン』(毎週木曜日 深夜1時〜)で、先日、芸能界を引退した島田紳助さんについてナインティナインの2人が今の気持ちを激白した。 番組冒頭、岡村は、「皆さんも、ご存知かと思いますが、紳助師匠が芸能界を引退されたという事について。正直まだまだやって欲しかったというのが、今の気持ちです。こういうことがあって、皆さんが、紳助さんに対してどういう印象をお持ちか分かりませんけれども…」と語り出し、自身が昨年、体調を崩し休養していた時に、「時間はかかるかもしれないけど、ゆっくりいこう! お前は走り過ぎたんや。ゆっくり焦らずな」「今、沖縄きてんねん。いいとこやで。体調がよくなったら一緒に行こうな! でも焦るなよ。ゆっくりな」などのメールをコンスタントに紳助さんからもらっていたことを話した。また、メールは岡村だけでなく、矢部にも同様に送られていたという。 また、岡村は、「熱い人で後輩思いの人でした。“引き際”については、このラジオで僕もよく話をしていますけど、上の方々達には早く引退して欲しいなんて言ってましたけど、実際にこうなったら嫌ですね。まだまだ勉強させてもらいたいし…」と今回の引退を悔しがった。
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芸能 2011年08月26日 11時45分
Perfumeあーちゃん 激ヤセの原因は心労から!?
人気テクノポップユニット『Perfume』の“あーちゃん”こと西脇綾香だが、最近ファンの間で「痩せすぎでは?」と心配する声が上がっている。 この指摘が挙がってきたのは、今年5月に発売されたキリン『氷結』のCMソングに起用された「レーザービーム/微かなカオリ」のジャケット写真が公開された4月頃から。新曲「レーザービーム」のイメージに合わせての黒い衣装に身を包んだ彼女たち。元々スタイルの良い彼女らだが、とくにあーちゃんの体型が今までテレビ等で見るよりも急に細くなったような印象を受ける。変化の度合いが余りにも大きいので、ファンの間では「大丈夫?」「ちゃんとご飯食べてる?」と心配する声が上がっているのだ。 あーちゃんの“激ヤセ”疑惑は今に始まった事ではない。2009年末頃にもあーちゃんが激ヤセしている!? として騒ぎになった事がある。その頃は彼女たちの人気も上がりだし、忙しくなってきた頃。またあーちゃんは髪型や服装などを少しずつ変えており、イメージチェンジも計ってきていたので、痩せ方が顕著に見えたのだろう。 しかし、雌伏の時間が長かったぶん、売れてからの急激な環境の変化に未だについて行けていない、という話も聞こえてきている。また先日、歌手の森進一の長男であり『ONE OK ROCK』のボーカルTakaと熱愛か!? という記事も報じられたことも影響しているという。いつも無邪気で時に天然な発言を見せるあーちゃんだが、その影でめまぐるしく変わる周りの環境や報道に疲れ、相当心労が溜まっているという関係者の証言もある。 今年、代表曲の「ポリリズム」がディズニーのピクサーフィルムより公開された『カーズ2』に全世界共通の挿入歌として採用され、海外からの注目も高まり人気が更に上がっているPerfume。期待に応えようと頑張っているのかもしれないが、無理は禁物。3人合わせて元気な顔を見せ続けて欲しいものである。
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トレンド 2011年08月26日 11時45分
レピッシュ・マグミの「音楽玉手箱」今週はこの1枚を聞け!<第45回>
毎週金曜日に連載するレピッシュのマグミによるオススメCDを紹介する企画の第45回目。マグミがDJの際にいつも持ち歩く「音楽玉手箱」(CDボックス)から、今週のオススメCDをピックアップしてもらった。◇今週のこの1枚◇マット・ビアンコ「Matt's Mood」(2004年/UNIVERSAL MUSIC INTERNATIONAL) 元々、80年代にイギリスで湧き上がったムーブメント、funkalatinaの代表格ブルー・ロンド・ア・ラ・タークの中心メンバーたちにより、マット・ビアンコが結成されました。ちなみにネーミングは、60年代のスパイ映画に出てくるキャラクターを想定したものです。 このバンドは、1984年の「WHOSE SIDE ARE YOU ON(日本盤タイトル:探偵物語)」でデビューし、けっこうたくさんのアルバムを出していて、全部好きなのですが、基本latinで暑い季節にぴったりなので、その中でも残暑を想定して、一番新しく、しっとりとしたアルバムを選びました。前にも紹介したのですが、1stアルバムで、バーシアとダニー・ホワイトが脱退して、20年ぶりに再会を果たしました。この3人が再結成するきっかけは、マーク・ライリー(ボーカル)の言葉によると、「不思議なことにずっと互いのことを想い続けていて、ダニーがある日スタジオに遊びに来た時にすべてが始まった。」とのこと。他のアルバムと比べると、jazz的な要素がふんだんに感じられます。また、お得意のbossanovaテイストの曲なども、バーシアのボーカルを際出させています。全体を通して、大人の社交パーティなどでかかっていてもまったくおかしくないような落ち着き感があります。 このアルバムのツアーを国際フォーラムで見たのですが、どの曲もすごく気持ちが良く、まさしく一流の人たちが20年間の溝を埋めようと、音楽でゆっくり会話しているように聴こえました。本物のキューバ音楽やブラジルのlatin音楽も素晴らしいのですが、一度自分たちのフィルターを通して整理しているところが、マット・ビアンコの魅力ではないでしょうか。ブルー・ロンド・ア・ラ・タークのCDも早く発売にならないかな。■マグミ オフィシャルウェブサイト http://magumi.jp/main.html■2011/09/17(SAT)「GROOVY ISLAND」at 新代田FEVERMAGUMI AND THE BREATHLESS/nil/salsaDJ:ISHIKAWA (DISC UNION / a.k.a TIGER HOLE)OPEN 18:30 / START 19:00料金:前売り¥2,800 当日¥3,300 (ドリンク別)チケット:8/17〜ローソンチケット、9/10〜FEVERinfo 新代田 「FEVER」http://www.fever-popo.com/■2011/09/24(SAT)「GEN Chang Night Vol.3 〜La-ppisch +(プラス)」at 川崎「CLUB CITTA'」出演:LA-PPISCHGuest:奥村大(from ELE、wash?) / 松本大英(from ELE)OPEN17:00/START18:00チケット料金:オールスタンディング 前売¥6,300 当日¥6,800(共に消費税込み、ドリンク代¥500別、6歳以上有料:未就学児入場不可)チケット発売日:8/20(土)電子チケットぴあ(Pコード:145-112)ローソンチケット(Lコード:75481) イープラス(e+) http://eplus.jp問い合わせ:クラブチッタ■2011/10/16(SUN)「Electric Discharge」MAGUMI AND THE BREATHLESS ワンマンライブ at 大阪「LIVE SQUARE 2nd LINE」OPEN17:30/START18:00adv¥3,500/door¥4,000(+D)チケット発売日:8/27(土)チケットぴあ(Pコード:146-814)ローソンチケット(Lコード:52195)CNプレイガイドイープラス(e+) http://eplus.jp問い合わせ:ソーゴー大阪
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トレンド 2011年08月26日 11時45分
スカパラら出演。TOKYO TOMORROW SMART LIVE 2011が9月4日(日)いよいよ開催
震災の影響で3月開催を見合わせていた「TOKYO TOMORROW SMART LIVE 2011」が9月4日(日)SHIBUYA-AXで開催される。 「音楽の力で明日の東京を元気に」をスローガンに掲げるNPO法人“TOKYO TOMORROW”が運営するこのライブイベント。昨年11月にNPO設立キックオフ記念のプレイベントが開催されましたが、公式な“TOKYO TOMORROW”としてはこれが初イベント。その記念すべきライブアクトには東京スカパラダイスオーケストラ、paris match、伊藤ふみおの3アーティストがラインナップされている。 尚、今週末8月26日(土)、27日(日)には“TOKYO TOMORROW”の関連イベント「みんなで歌おう!こどもクワイヤーワークショップ」が開催される。この催しに参加する子供たちは有名アーティストからクワイヤー(合唱)とラップの指導を直接受け、出演アーティストとともに「TOKYO TOMORROW SMART LIVE 2011」のステージに臨む。チケットは各プレイガイドにて一般発売中。 本公演は3月18日(金)に予定していたイベントの振替公演。3月18日(金)公演のチケットはそのまま有効となる。■公演情報“TOKYO TOMORROW SMART LIVE 2011”日時:2011年9月4日(日)OPEN:17:00 / START:18:00会場:SHIBUYA-AX出演:東京スカパラダイスオーケストラ/paris match/ 伊藤ふみお※尚、3月18日(金)の公演で出演を予定しておりましたLos Amigos Invisibles はスケジュールの都合により、出演いたしません。
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トレンド 2011年08月26日 11時45分
『アリアドネの弾丸』第7話、葛藤と悲哀を演じた福士誠治
フジテレビ系ドラマ『チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸』の第7話「真犯人」が8月23日に放送された。ドラマも中盤ながら、今回で北山錠一郎(尾美としのり)警察庁刑事局審議官の死の真相が明かされる。その中で福士誠治が演じる宇佐美壮一・特命広域捜査官の葛藤と悲哀が際立った。 医療ミステリーに分類される『バチスタ』シリーズであるが、『アリアドネの弾丸』は既得権益に固執する警察の闇を描く点が特徴である。死因究明のためにAi(死亡時画像診断Autopsy Imaging)を推進する主人公サイドと阻止しようとする警察の対立が描かれる。警察が悪玉になるが、警察側の人物は三者三様である。 警察の絶対正義という立場を固守するために情報の独占を目論む斑鳩芳正(高橋克典)警察庁長官官房情報統括室室長。間違ったDNA鑑定結果に基づいた冤罪事件への悔恨からAiの暴走を危惧する北山。凶暴性を秘めながらも北山には忠実な宇佐美。 これまでは斑鳩が黒幕のように演出されてきたが、今回は真相を追及する立場になっている。その限りで主人公サイドと共闘関係に立つが、「立場は違っても共通の目的のために手を携えよう」的な陳腐な展開には陥らない。白鳥圭輔(仲村トオル)は斑鳩に「本当は知っていたんじゃないの」と問いかけ、不信感を緩めない。 犯罪という一線を越えたか否かの点で斑鳩と北山・宇佐美のどちらが悪玉かは明白である。しかし、警察の正義を演出するために間違っても非を認めず、都合の悪い事実を認めない斑鳩の姿勢は受け入れなれない価値観である。斑鳩はAiへの懐疑論で警察と共同歩調をとった法医学者の笹井スミレ(小西真奈美)からも否定されている。 これに対して、冤罪事件への悔恨からAiの暴走を危惧する北山の思想は正論である。ドラマでもAiによる死因の見落としを描いている。この点では斑鳩よりも北山に共感できる。冤罪であることを認識している点も、島津吾郎(安田顕)の逮捕報道をぶつけて情報操作を目論む斑鳩よりも人間的に救いがある。 ところが、その北山も死の間際に「常に正しく、強く堂々と輝きながら、市民を守る。それが警察」と語った。これは斑鳩と同じ思想である。冤罪事件への悔恨も、社会からバッシングされる警察の姿を見ることが耐えられないという身勝手な発想からである。冤罪被害者に申し訳ないという気持ちは皆無である。 歪んだ思想に取りつかれている斑鳩や北山に対し、宇佐美には葛藤や悲哀が描かれた。警察官僚トリオも中で最も歯車として行動した宇佐美に最も人間的な葛藤や悲哀が描かれることは皮肉である。冷静に考えれば宇佐美の行動は理不尽であり、支持できる要素はない。 それでも福士誠治の演技には視聴者を感情移入させる迫力があった。前々クールの月9ドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』での自信と理解力のあるヒロインの見合い相手と同一人物とは思えない演技であった。(林田力)
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