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トレンド 2011年08月31日 15時30分
『トリコ』第1回人気投票は主人公が圧勝するもヒロイン不足
8月22日発売の『週刊少年ジャンプ』38号で巻頭カラーになった島袋光年の『トリコ』が第1回の人気投票結果を発表した。主人公のトリコが堂々の1位を獲得し、6位まで主人公サイドのキャラクターが占めるという安定感ある結果となった。 『トリコ』は、美食が価値の中心となったグルメ時代において、未知の食材を探求する美食屋トリコの冒険を描く作品である。少年漫画の王道である冒険やバトルにグルメという要素を加え、『ONE PIECE』と『NARUTO-ナルト-』に並ぶ『週刊少年ジャンプ』の三枚看板に成長した。 トリコは3373票を獲得し、2位のココの2256票を大きく引き離しての首位獲得である。人気投票では主人公よりもクールな脇役が上位になることがある。『幽遊白書』の飛影や『BLEACH-ブリーチ-』の日番谷冬獅朗が代表的である。しかし、脇役人気頼みの展開となると、主人公中心の物語が論理破綻してしまう。主人公が圧倒的な人気を誇ることは作品に安定感がある証拠である。 注目は小松の3位である。小松はトリコとコンビを組む料理人であるが、戦闘能力がなく、バトルでの見せ場がない。背が低く、ルックスも人気投票向きではない。『ついでにとんちんかん』の発山珍平や『銀魂』の志村新八のように出番が多い割には人気投票の順位が伸びないキャラクターのポジションに近い。 それにもかかわらず、小松が3位を獲得したことは、小松の役回りが作品中に確固としたものとして描けているということである。小松はトリコらのように猛獣を仕留めることはできないが、貴重な食材を見つけ出して調理できる。これは小松でしかできないことである。この38号に掲載された第154話でもトリコでは絶対に不可能な小松の活躍が描かれる。 人気投票は4位にゼブラ、5位にテリー、6位にサニーと主人公サイドのキャラクターが続く。悪役は7位のスタージュンが最上位であるが、票数は435票で6位の802票から引き離されている。主人公サイドが人気登場上位を占めることは、作品内の価値基準が明確に描かれていることを示している。 バトル漫画では魅力的な悪役に人気が集まることも多いが、基本的に悪役は主人公サイドに倒されれば終わりである。高い人気故に一度は倒された悪役が主人公の仲間として再登場することもあるが、それは悪役としての魅力は欠けたものになる。 今回の人気投票で目立たなかった存在が女性キャラである。唯一ランクインした女性キャラは10位の二代目メルクのみである。これはオカマであるウーメン梅田の8位よりも低い。しかも二代目メルクは女性であることを隠しており、ヒロインとして評価された訳ではない。ヒロイン候補としては、トリコに恋する鈴(リン)がいるが、男勝りな言動で、女性的魅力の描写は弱い。 王道的な少年漫画として安定感ある結果となった人気投票結果であったが、一方でヒロイン不足という特徴も浮き彫りになった。(林田力)
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スポーツ 2011年08月31日 11時50分
ビーチバレー 浅尾美和が新ペア結成
9月29日より、お台場ビーチで開催されるビーチバレーベボニアカップの出場選手が確定、注目の浅尾美和は楠原千秋とペアを組むことがわかった。同大会がはじめての同ペアのお披露目となる。 楠原千秋は高校時代にバレーボールで国体優勝。東京学芸大学3年のころからビーチバレーをはじめ、社会人になってから本格的に転向、アテネ五輪、北京五輪にも出場経験ががるベテランだ。
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芸能 2011年08月31日 11時45分
TOKIO山口達也が無免許不祥事でもテレビ出演自粛とはならなかったワケ
ジャニーズTOKIOの山口達也(39)が無免許運転で検挙された問題で、CM起用していたヤマト運輸と富士重工業は30日、CM放送を当分見合わせることになった。打ち切りなどの措置については「検討中」としている。一方で、山口の出演番組はほとんど“お咎めなし”となりそうだ。実際、山口は31日、週一でレギュラー司会を務める日本テレビ朝の情報番組『ZIP!』に出演。番組の冒頭と最後に謝罪の言葉を述べ、「来週からも番組を続ける」と発表。ネット上などでは「処分が甘い」などの批判が噴出する事態となっているが、番組での謝罪で一応の幕引きをはかった形だ。 あるテレビ関係者は話す。「紳助さんの引退騒動の前に発覚していたら、こんなものでは済まなかったかもしれませんね。芸能界は8月と2月は“ネタ枯れ”(の時期)と言われ、ニュースソースが少ない。普通ならマスコミがこぞって報道し、当面出演を自粛となるところですが…。特に日テレなどは、まだ“紳助パニック”を引きずっていて、『ZIP!』にまで気が回らないといったところでしょうか」。黒い交際疑惑で島田紳助が突然引退してしまい、番組の差し替えや撮り直し、編集し直しでてんやわんやだったところに発覚した山口の不祥事、テレビ制作関係者に言わせると「吉本興業への対応で忙しいときにジャニーズまで対応していられない」といったところが本音のようだ。 また、日本テレビには山口をいま引っ込めるわけにはいかない事情も。前出のテレビ関係者は「TOKIOがレギュラーを務める『ザ!鉄腕!DASH!!』(日曜午後7時)の特別企画として、福島第一原発から30キロ圏内にあるDASH村(浪江町)で、放射性物質のデータ採集と、ひまわりを植えて土壌の浄化実験を継続的に行っていくことを会見で発表したばかりなんです。初回放送は9月11日なので、中心メンバー山口の出演シーンを削除なんていまさらできない。出演自粛でモザイクなんて入れたりしたら、それこそジャニーズ事務所の怒りを買って関係は最悪になる。ジャニーズ事務所が騒動収束に積極的に動いたわけではなさそうですね。不祥事発覚直後、日本テレビが謝罪会見の場所を提供したのは、そのあたりにも理由がありそうですよ」と話す。 日テレの対応で“DASH村復興プロジェクト”はお蔵入りを免れたようだが、今回の山口へのテレビ局の対応が、今後の芸能人の不祥事対応への悪しき前例にならなければいいが。<関連記事>無免許・山口達也は事故しなかっただけまだマシ!? こんなにあるジャニーズ自動車運転関係トラブル http://npn.co.jp/article/detail/55460343/
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トレンド 2011年08月31日 11時45分
噂の深層 芸能界激震!! 某プロダクション制作番組打ち切り、大物タレントK、Sに捜査の手が
島田紳助さんの衝撃的な引退、その後噴出している紳助さんと暴力団関係者の親密ぶりを示す証拠の数々。10月1日に全国の都道府県で施行される『暴力団排除条例』を使った警察の芸能界、テレビ業界からの暴力団排除行動が活発化している。 警察のターゲットは、西日本に基盤を持つ大手某プロダクションや、暴力団とプライベートも親密に付き合っている大物タレントに絞られており、所属タレントのトップクラスの大部分が暴力団と関係があると噂されている関西の某大手プロダクションに対しては専門の捜査チームが完全マークの状態で密着していると言われている。プロダクションサイドが捜査に非協力であったり、幹部タレントと暴力団の関係を否定するようであれば、最悪の場合、そのプロダクションに家宅捜査が入る可能性も高い。 この某プロダクションへの警察権力の猛チャージに対して、付き合いの深い関西ローカル局は庇うような動きを見せているが、コンプライアンスの意識の高い在京キー局は、某プロダクションの関連会社が制作する番組に対して、打ち切りを検討し始めている。既に、打ち切りが発表された番組もあるが、今後制作発注の中止という事態も十分にありうる状態となりつつある。 「関東の芸能事務所の中には、暴力団とずぶずぶの関係にある関西系のプロダクションを一気に関東キー局から排除し、彼らのシェアを奪いとりたいと動いているところもあるようです」(芸能記者) 「関西系の芸能人のほとんどが暴力団と接点があり、それ系のイベントや営業に行っています。通常はそれで終わりなんですが、それをきっかけに深く付き合う者もいるんです。そのようなダークなタレントを使うなとテレビ局上層部からは指示が下りてるんで、今後黒い噂のある関西系タレントはどんどん排除されていくでしょうね」(芸能ライター) また関西の大物タレントK、Sにも警察のマークがついているという情報も流れており事情聴取や謹慎処分、引退劇などが今後も続く可能性がある。関東でも大物タレントSが地方営業の斡旋、JR・飛行機の発券等で暴力団と深い付き合いがあると言われており、警察の別チームがマークしているという。警察による芸能界からの暴力団排除戦略はまだ始まったばかりである。
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芸能 2011年08月31日 11時45分
すでに手遅れ… 山口もえが離婚
タレントの山口もえ(34)が、離婚していたことをスポーツニッポンが報じている。夫である実業家の尾関茂雄氏は今年6月に風営法違反容疑で逮捕されていた。報道によるとすでに離婚届けも提出、2人の子供の親権は山口がもち、慰謝料の話し合いも済んでいるという。 今回の離婚の背景には、もちろん夫の逮捕の影響があることは間違いなさそうだが、離婚後も山口には、“厳しい現実”が待っていると芸能ライターは語る。「山口もえは何が芸があって活躍できているわけではない。あくまで“雰囲気”のタレント。逮捕の一件で評価がガタ落ち。離婚したからといっても、一度下げた評価を戻すことはできないでしょう」 現実的に2人の子供を養っていかなければいけない山口。このままでは“ヌード”“AV”などの言葉も聞かれるようになりそうだが…。<関連ニュース>また海老蔵のとばっちり…高級キャバ無許可営業で逮捕された山口もえ夫http://npn.co.jp/article/detail/86138077/
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芸能 2011年08月31日 11時45分
大物独身演歌歌手・小林幸子がついに結婚!!
NHK・紅白歌合戦の常連の大物演歌歌手の小林幸子が5年以上の交際を経て再生医療の会社「TESホールディングス」(東京都文京区)の社長で8歳下の林明男さんと年内に入籍する予定であることが一部スポーツ紙で報じられた。 「林社長は元サッカー日本代表で、スポーツキャスターの永島昭浩さんに似たイケメンという。知人の紹介で会食したのを機に交際をスタートさせたが、小林は仕事を優先させるあまりなかなか結婚に踏み切れず。それでも、林社長が仕事に理解を示してくれたから結婚を決意したようだ」(芸能記者) 林社長が経営する同社はHPによると02年4月に設立。肌や骨を再生させる医療技術の研究開発や、大学や研究機関、医療機関の臨床試験のサポート業務、医療コンサルティングなどを主な事業とし、06年には自家皮膚細胞を用いた皮膚再生医療の実用化に成功。7月には台湾への進出を発表するなど、今後はアジアでのビジネス展開を視野に入れているようだ。 「あまり浮いた話しはなかったが、それなりに恋愛はしてきた。しかし、なかなか仕事とプライベートの両立がうまく行かず。林社長の場合、多忙なためなかなか小林とゆっくり過ごす時間はなさそうだが、小林にとってはその方がお互いに気をつかわずにそれぞれの仕事にも打ち込めるので、その辺りのことをじっくり話し合ったうえで結婚を決断したようだ」(同) 9月1日からは東京・明治座で座長公演「小林幸子特別公演」が開幕(26日まで)。同公演の第1部の芝居では白むく姿を披露するというが、毎年衣装が話題になる紅白では“花嫁バージョン”の豪華衣装を披露してくれそうだ。
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芸能 2011年08月31日 11時45分
松浦亜弥 子宮内膜症であることを発表
歌手の松浦亜弥が、子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)」との診断を受けたことを公式サイトで発表している。 同サイトには「お知らせ」とのタイトルで「弊社所属松浦亜弥ですが、4年程前から腹痛による体調不良を度々起こす事があり、病院で診察を受けたところ「子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)」との診断を受けました」とのコメントが掲載されている。 また、子宮内膜症は100万〜200万人の潜在患者がいる病気であり、ここ最近では、若年化が進み20代から30代の患者も多く、まだ原因の特定にまでには至ってない。激しい痛みを伴う病気であることから、松浦は診断後からコンサート活動を制限するなど、体調を考慮しながら活動を続けてきたという。 今後も無理をしない範囲で活動を続けていくことも発表されている。
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トレンド 2011年08月31日 11時45分
aiko、全国ツアー「Love Like Pop vol.14」 仙台での振替公演もいつも通りの爆笑ステージで無事終了
4月29日(金・祝)からスタートしたaikoの全国ツアー「Love Like Pop vol.14」は、先月7月24日(日)にNHKホールで最終日を迎えていたが、震災を受け延期になっていた仙台公演が8月29日(月)に無事終了、これで約4か月に渡って繰り広げられた全ての公演が正式に幕を閉じた。 仙台での振替公演は、aikoいわく「番外編みたいなライブにします!」と宣言していた通り、今回のツアーのどの公演とも異なるセットリストを披露。ライブ当日が8月29日と言うこともあり、久しぶりに披露された『最後の夏休み』に続けて披露されたのは、彼女の代表曲『カブトムシ』。特別なセットリストを披露してくれたかと思うと、MCではいつもと変わらないaikoの姿が。最近届いた変な迷惑メールの話や、前日に仙台の町を一時間散歩して靴擦れが出来た話等、いつも通りの爆笑トークで会場を大いに盛り上げた。 「今日が初日で、今日が最終日の今日しかないライブをやろうと思ってスタートしました。やっぱステージにあがったら、本当に何も変わらなくてみんながいてくれて、みんながライブを一緒につくってくれて、そしてやっぱり何よりもみんなの声が本当に大きくて、本当に来ることができてよかったなって、心から思いました。ありがとうございます」と語るaikoは、ステージを元気に駆け回り、MCでは友達のような何気ない会話を繰り広げ、終始“大爆笑”のステージとなった。 今回のツアー、ライブ中盤の弾き語りコーナーでは、客席から募ったキーワードをすべて盛り込み即興で曲を作るという離れ技を見せてきたaiko。各会場いろいろなワードが飛び出したが、この日の仙台公演では“ずんだ”“楽天”“いづい”(しっくりこない意)などのご当地ワードが満載。それぞれ全くつながりのないこれらの言葉も、aikoの手にかかれば感動的なラブソングに(笑)。ひとつの恋の物語が作られ、その場で楽曲になるという奇跡に、会場からは大きな拍手が沸き起こった。ピアノ弾き語りのバラードで暖かい雰囲気に包まれた会場から一転、後半戦では再びアップナンバーを続けて演奏し、ラストまで一気に駆け抜け、更にはダブルアンコールとして、『帽子と水着と水平線』をこの日の為に特別披露し、3時間に亘る公演は大盛況のうちに終了した。 「いろいろな気持ちをかかえてこの会場にきてくれたひとたちが沢山いたと思います。私も本当に死ぬほど緊張してステージに立ったけどやっぱり皆と楽しい時間を一緒につくりたいなと思ってこのステージをスタートしました。いろんなものを一瞬でも座席にちょっと置いて、それで『あほやな、aiko(笑)』って、笑って過ごせる時間を一緒につくりたかった」と話すaikoの言葉通り、会場に集まったお客さんはキラキラの笑顔で溢れていた。 そして最後は「やっと来ることができて、本当によかったです。みんなとまた、必ず、絶対に会えるように頑張ります。だから、一緒にがんばろうね! 本当に今日は最後までどうもありがとうございました」と、aikoらしい等身大のメッセージで締め括り、会場は暖かい熱気に包まれ幕を閉じた。 4か月間にも亘って行なわれた長いツアーが幕を閉じたのも束の間、早くも10月からはライブハウスツアー「Love Like Rock vol.5」の開催が決定している。
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社会 2011年08月31日 11時45分
野田新首相は、低迷する格闘技界に手を打ってくれるのか?
8月30日開催の衆院本会議にて、第62代内閣総理大臣に指名された民主党新代表・野田佳彦氏。 野田新首相といえば、大の格闘技ファンで、自身も柔道2段の格闘技の猛者であることは、すでに多くの方が各メディアのニュースでご存じのことだろう。 そんな野田氏が愛してやまない格闘技であるが、今やすっかり衰退し、低空飛行が続いたままである。特に、日本格闘界の盟主だった「PRIDE」が、2006年に暴力団との癒着を週刊誌に報道されたのをきっかけとして2007年に滅亡して以降、現在の格闘技界の状況は悲惨そのもの。PRIEDの後発団体の「DREAM」も人気が伸び悩み、母体の「K-1」も資金繰りが悪化したため興行が激減、その他にも満足に興行も打てない団体が続出するなど、ほぼ壊滅状態といっても過言ではない。 格闘技好きの野田氏は、格闘技バブル真っ盛りの2005年に発足した「格闘技振興議員連盟」の会長に選任された。格闘技振興議員連盟といえば、K-1やPRIDEを「国の代表的なスポーツ」として認識し、さらなる振興に努めることを高らかに謳っていた。格闘技好きの新首相ならば、是非とも初心を思い出し、メジャー格闘技の復興にも力を注いでいただきたいところだ。 かつて野田氏が(裏事情を知らないまま?)こよなく愛したPRIDEは、裏社会との蜜月による潤沢な資金力で隆盛を極めたが、結局そのダークな背景が命取りになり、消滅した。暴力団の力を借りないメジャー格闘技の復興こそ、すべての格闘技ファンの宿願である。 先日、吉本興業が島田紳助氏の引退を受け入れ、長年の関係を解消した通り、古くから暴力団とは切っても切れない関係を続けてきた芸能界でも、すでに自浄化の波が起こっている。もう一度超満員の大会場でメジャー格闘技を観たいという思いは、野田氏も大多数の格闘技ファンと同様であろう。 日本の政治の長となった今こそ、野田氏が先頭を切って、暴力団と格闘技興行を切り離す舵取りを行っていただきたいところだが…。
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トレンド 2011年08月31日 10時00分
『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』 木幡竜 インタビュー
9月17日(土)から公開される『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』で、威厳ある力石毅大佐役を見事に演じた木幡竜(敬称省略)にインタビュー出来る機会が配給会社のご協力から実現した。 簡単な木幡の略歴だが、1976年神奈川県生まれ、ボクサーとして活躍後の2003年に俳優デビューを果たす。主な主演作は、NHKドラマ『純情きらり』(06)、TBSドラマ『セーラー服と機関銃』(06)、映画『ゴジラ FINAL WARS』(04)、『DETH NOTE デスノート』(06)、『GOEMON』(09)などがある。 『イップ・マン』(08)のドニー・イェン、『トランスポーター』『ゴージャス』のスー・チー、そして『インファナル・アフェア』のアンソニー・ウォンなど、今回の『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』ではアジアの名だたる俳優の中で相交わって独特の威圧感をスクリーンで示した木幡だが、実物の彼はとても快活で謙虚な印象を受けた。 顔を上げ、こちらに目をまっすぐに向けてインタビューへと真摯に回答する姿勢は、厳格な規律の中で鍛えられた格闘家の持つスポーツマン精神に通じているように感じられた。 その木幡に今回の映画のことや、中国での活動について聞いた。 リアルライブ(以下RE)「お忙しいところ、(実は木幡はこのインタビューを受けた次の日には、中国での新作映画の撮影が開始されるために離日しなければならない)一日何社ものインタビューを受けられ、また小社も同じようなことをお聞きしなければなりませんが、ご勘弁ください」 木幡竜(以下KO)「大丈夫です。宜しくお願いします」 RE「一番の見どころと言っても過言ではない、ドニー・イェンとのラストシーンでの対決についてお聞きしたいのですが、このために特別に役作りされたなど、何かご苦労されたことはありましたか?」 KO「普通の格闘技と映画のアクションとは全く違いますので、撮影中でもアクションのためのトレーニングをずっと受けていました。それが本当に過酷で(笑)、僕だけでも6人のアクショントレーナーが付きました。その6人がそれぞれ30分ずつ僕を見てくれるんですが、連続していますので、僕は一回当たり3時間ぶっ続けでトレーニングすることになるんです。そうすると、自分でも判るほどに見る見るうちに痩せていくんです」 RE「食べていてもですか?」 KO「はい、監督からは一日5食食べるように言われていました。しかも、筋肉を付けるための食事とかではなく、体力をつけるために、ただ『単に食べろ』でした(笑)。あと苦労したことは、空手の動き…特にキックです。今までにキックなんてしたことがなかったので」 RE「やってこられたボクシングはこのために役にたちましたか?」 KO「ボクシングがアクションの動きに対して役に立ったということはありませんでしたが、ドニー(イェン)が求めていた本当に人を殴るという気持ちを表現出来たことは良かったと思います。またドニーのアクションに対する考えは、ただ画面の中でキレイにキマるだけのものとは対極なんです。ドニーはアクションも演技の中の一つとして捉えていますので、格闘をしながら感情表現も必要とされました。ですから、ボクシングをしていたことは感情面を生かす事では大変役に立ったと思います」 RE「撮影中にケガなどはされましたか?」 KO「大きなケガなどは全くありませんでした。ただし、打撲やナマ傷などはたえませんでした。あと疲労が溜まりますと、腰が痛くなったりしました。ドニーも同じく腰が悪いので、同じマッサージ師にお世話になっていました(笑)」 RE「それでは、そもそも俳優になられたきっかけは何ですか?」 KO「今考えると、中学生のころに映画を観るのが好きで。その時は漠然と『俳優ってカッコいいな』と思っていました。でも、自分なんて顔もそんなに良くないし、まさかなれるわけがないとも思っていました。また当時はケンカが強くて、地元でも有名でした。そんなことで、高校と大学ではボクシングを選びました。プロとしてもやっていましたが、そのボクシングには付きものの減量で、じっとしている時は常に映画を観ていたんです。今も溝口健二、成瀬巳喜男など日本の昔の映画が大好きなんですが、そうするうちに段々とエンターテイメント業界でやっていきたいと気持ちが大きくなり、今に至ったというわけです」 RE「そうすると、洋画より邦画がお好きなんですか?」 KO「映画は全般的に好きですが、でもどちらかと聞かれたならば日本映画が好きです。今も日本映画は世界の中で一番面白いと思っています」 RE「その日本映画を愛する俳優が、中国で仕事をすることになった特別な理由などはあるんですか?」 KO「特に大きな理由はありません。中国で仕事があり、それを受けたということだけです。それまで恥ずかしながら、中国という国のことを良く判りませんでしたし、また特別な感情も偏見もありませんでした。中国へ行くとなってから、歴史や映画を自分なりに勉強しました。そして仕事を何度かすることで、中国映画の可能性を感じました。また中国の人たちは本当に親切なんです。ただ、私自身は中国へ行ったということではなく、世界に出たという風に感じています。ですから、それが中国でなくても、もしかしてインドであっても自分にとっては同じことなんです」 RE「中国に対するイメージは、行く前と今では違いますか?」 KO「全然、違います。日本で報道されている中国のことは、ほんの一部だということを感じます。また逆に、中国人も同じように日本のことをよく判らないんです。お互いの情報があまりないんですね。逆にそれが面白いなと感じています。中国人も日本人も優しくて親切なのは同じですよね。人種関係なく、僕たちは『これを題材にして映画を一本撮りたい』ということが一番大切であり、目的なんです」 RE「自分の中国語はどのくらいのレベルだと思われますか?」 KO「今では会話であれば問題なく出来ます。ただ、今度中国での4本目にあたる映画で演じるのは中国人の役なんですが、ネイティブさがどれほど出せるか、若干不安があるので頑張らなければいけないと思っています」 RE「それは、日本人である自分が中国人を演じてもいいのかという葛藤からでしょうか?」 KO「それもあります。もともと日本人役が必要で中国に渡っているのに、これって矛盾しているんじゃないのか、という気持ちです。次回の中国人を演じる映画は、今回の『レジェンド・オブ・フィスト』プロデューサーのゴードン・チャンが監督で声をかけてもらったのですが、僕のことを俳優として評価していただいたことは大変光栄なことです。言葉の話しに戻りますが、俳優たちは台湾、香港、そして中国本土のいろいろな場所から集まってくるので、言葉がお互い通じないことが多々あります。監督でさえ、中国本土の標準語(北京語)を話さないくらいですから。演じてセリフはその場でしゃべりますが、映画完成時にはアテレコで後から声を入れています。ですから、スタッフから『キミも彼らとそんなに変わらないよ』『中国語の発音が多少おかしくても、アテレコだから大丈夫』『キミが自分で思っているほど、キミの中国語は不自然ではないよ』なんて言われています」 RE「今後は中国映画に限らず、他の国からのオファーも受けていくということですね?」 KO「はい、ただ良い映画に出演していけたらいいなと思っています」 RE「日本と中国の撮影現場の違いはありますか?」 KO「ないと思います。ただ全くというわけではありません。脚本がその当日になって変わることがよくあります」 RE「そうなると俳優の能力が問われるところですね」 KO「はい、でもやみくもに変更しているわけではなく、良い映画を作ろうとギリギリまで考えている証拠だと思います」 RE「一年のうち、中国と日本に滞在する割合を教えてください」 KO「中国が8割、日本が2割です」 RE「では、どちらの国の居心地がいいですか?」 KO「それは、日本です。(笑)なぜなら、多くの仲間が住んでいるからです。中国にも少しずつですが、仲間は増えつつあります。でも、やっぱり昔から知っている仲間が日本にはいるので。ただ、中国では生活の面で困ることは一切ありません。ストレスも全くありません。一つだけ友達に会えないことが僕にとっての試練です。でも、今はスカイプとか安い国際電話がありますから、頻繁に話してはいますから、気が紛れてはいますが。ですから、たまに日本に帰ってくるたびに彼らと夜遅くまでバカ話ししながら過ごしています。酒はあまり飲めませんが、酒の場は大好きです」 RE「すいません、お聞きしなければならないことが、随分と映画のことからかけ離れてしまったようです。最後に『レジェンド・オブ・フィスト』のPRを木幡さんからお聞きしたいと思います」 KO「世界に通用するアクションシーンを是非劇場でご覧になってください」 RE「ありがとうございました」 KO「ありがとうございました」 木幡は今回の『レジェンド・オブ・フィスト』でのアクションが認められ、次回の2作品もアクション映画に出演することになったという。 千葉真一や、この『レジェンド・オブ・フィスト』にも出演している倉田保昭が日本人として、70年代から現在に至るまで香港や中国本土で絶大な人気を誇っているように、木幡竜という彼らの系譜を受け継いだ、新たな“中国電影”日本人スターが誕生するのも、もうすぐと思われる。■『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』■9月17日(土)より新宿武蔵野館、立川シネマシティ、ワーナーマイカル新潟南にて、9月24日(土)よりシネマート心斎橋、他全国順次公開■監督:アンドリュー・ラウ プロデューサー:ゴードン・チャン 撮影:アンドリュー・ラウ、ン・マンチン アクション監督:ドニー・イェン 武術指導:谷垣健治■出演:ドニー・イェン/スー・チー/アンソニー・ウォン/ホアン・ボー/ショーン・ユー/木幡竜/倉田保昭/AKIRA(EXILE)■原題:精武風雲・陳真/2010年/中国/カラー/105分/シネスコ/ドルビーSDR/字幕翻訳:寺尾次郎■提供・配給:ツイン 配給協力:太秦■公式HP:http://www.ikarinotekken.com/
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