社会
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社会 2017年12月31日 14時00分
天下の猛妻 -秘録・総理夫人伝- 中曽根康弘・蔦子夫人(中)
「“結婚詐欺”にあったようなものでした。役人と結婚したら平穏な生活ができると思って嫁に来たのに、途中で何一つ相談なしで勝手に役人を辞めちゃって。結局、選挙ばかりやらされることになりました」 中曽根の妻・蔦子は冗談めかし半分、本音半分で、その結婚生活を振り返ったことがある。 中曽根は群馬県高崎市の「古久松」という屋号の、関東有数の材木屋の息子である。両親の限りない愛情、恵まれた環境のもとで、県下の名門・旧制高崎中学から静岡高校を経て東京帝国大学法学部に進み、太平洋戦争開戦9カ月前の昭和16年(1941年)3月の卒業と同時に内務省に入った。ここで海軍を志願、東京・築地にあった海軍経理学校を出て主計中尉、将校になった役人としてのエリートでもあった。 「開戦直前に設営隊長を命ぜられ、3000人の部下を率いてフィリピンのダバオに上陸、飛行場の設営に従事していた。部隊はヤクザ上がりをはじめ、荒くれ揃いだった。そうした部下に対し、中曽根は『おまえらの命はオレにくれ』などとカッコよく丸め込み、若いに似合わず抜群の統率力を示したそうです。のちに政界に出たあとも、カッコよく人の耳目を引くことで定評のあった中曽根だったが、この頃にして度胸も満点、自信に溢れた男だったそうです」 元中曽根派担当記者の証言である。 一方の蔦子は、早稲田大学で地質学の教鞭をとる教授の娘で、日本女子大学を出た「理知的な娘」との評判があった。中曽根に言わせると、結婚の経緯は次のようなものだった。 「彼女は、じつは戦友(注・教授の子息)の妹だった。私が東京へ行くということでその戦友から荷物と手紙を託され、彼の家へ行った。そこで、初めて彼女に会った。しっかりしているが、なかなか可憐でもあった。私は、まず彼女の母親に気に入られてね、『是非、婿になってくれ』と言われた。私の父親も、私が戦争でいつ命を落とすかも知れない息子だけに、早く孫の顔が見たいとの願いもあり、戦争のさなかだったが結婚することにした」 挙式は終戦を迎える6カ月前の昭和20年2月11日の「紀元節」(現在の「建国記念日」)を選び、中曽根は海軍軍務局勤務の26歳、蔦子23歳であった。 結婚当初の中曽根は、家庭にあっては時に「貴様ッ」などと海軍調で蔦子を一喝、しばし新妻をビックリさせたものだが、相当ホレていたのか、蔦子の次のような述懐がある。 「私の写真を、いつも内ポケットに入れていたそうですよ。最初の妊娠をしたときも私が酸っぱいものを欲しがるので、あるときなど、主人は会議に出た夏ミカンを食べたふりをしてそっとポケットに入れ、持って来てくれたこともあったのです」 ところが、新婚わずか1年半ほどで“事態”は急変する。当時、中曽根は警視庁監察官に就任したばかりだったが、突然、内務省に辞表を提出、さっさと一人で郷里の群馬へ帰ってしまったのだった。東京に置いていかれた蔦子のもとに“消息”が入ったのは、中曽根が高崎に帰ってから1週間も経った頃で、来たハガキにいわく「次の総選挙に出るから高崎に来い」であった。 蔦子が乳飲み子(のちの長男・中曽根弘文参院議員)をかかえ高崎へ帰ると、どうだろう、すでに中曽根は内務省の退職金で買った自転車をペンキで白く塗り、「日本をアカの手から守ろう」などと訴えて回ったり、青年団に働きかけて『青雲塾』なる会を結成、「日本の再建を目指そう。青年よ立て!」などと、口角泡を飛ばしたりしていたのだった。当時から「反共」の一本ヤリ。“舌”の使い方は海軍時代からさらに磨きがかかっていた。まさに、まごうことなく蔦子いわくの「結婚詐欺」だったということである。 その頃のことを、NHKの元アナウンサーでもあった二女・美恵子は、次のように蔦子から聞いている。 「母にとってはまさに“寝耳に水”のことでしたが、それまでの父は、自分の考えを他人の意見は聞かずに独断で進めてしまうことがたびたびだったので、文句を言う間もなかったようです。その最初の選挙のとき、兄(弘文)が1歳、姉がお腹にいて投票日は臨月だったのです。そんな具合でしたから、母にとっては凄絶な選挙戦を余儀なくされたといいます。 大きなお腹を抱え、一方で兄のオムツを取り替えながら、その間をぬって支援者へのあいさつ回り。しかし、こうした“政治家の妻”は母にとってはいかにも不本意だったでしょうが、一方で、父の仕事をなんとかまっとうさせてやりたいということで、そうした中での選挙の手伝いもできたのだと思っています」 昭和22年4月のこの総選挙で、中曽根は蔦子の献身も手伝ってトップ当選。その後は異名「風見鶏」全開の“政界遊弋史”を刻んでいくことになるのである。=敬称略=(この項つづく)小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材48年余のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『決定版 田中角栄名語録』(セブン&アイ出版)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。
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社会 2017年12月30日 14時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第252回 プライマリーバランスという毒針
2017年12月12日、筆者は西田昌司参議院議員、藤井聡内閣官房参与と共に首相公邸に招かれ、安倍晋三内閣総理大臣と会食する機会を持った。筆者は本連載にてたびたび取り上げた著作『財務省が日本を滅ぼす』(小学館)を総理に進呈。日本経済の喉元に刺さった「毒針」であるプライマリーバランス(基礎的財政収支、以下PB)黒字化目標を中心に、日本の「財政」について突っ込んだ議論を交わした。 もちろん、総理との議論の内容についてすべてを明らかにすることはできないが、重要なポイントを書いておくと、 (1)『財務省が日本を滅ぼす』を書いた三橋との会食について「クローズではなく、オープンで」と決めたのは官邸(オープンであるため総理動静にも載った)。官邸が望んで「公開」したのである。 (2)日本国の「経世済民」のために政策を推進しようとしても、すべてPB黒字化目標が「壁」となり何もできないという現実を総理は認識している。 (3)だからと言って、 「総理はPB黒字化目標が問題であることは分かっている。ならば大丈夫だ」 などと思ってはいけない――の3つになる。 特に重要なのは(3)だ。総理が真実、PB黒字化目標が日本経済に突き刺さった毒針である事実を理解していたとして、だからと言って現行の緊縮路線が転換されるわけではない。 財務省主権国家「日本」をなめてはいけない。現在の日本を財政拡大に転換させるのは、たとえ筆者が総理大臣の席に座っていたとしても無理だ。なぜならば「政治家」「世論」「空気」が緊縮歓迎になってしまっているためである。過去に膨大な時間、コストを費やし、財務省の「国の借金で破綻する」プロパガンダが展開され、多いに成功を収めているのだ。 現在の日本において、政治家が財政政策の拡大、例えば、交通インフラの整備を主張すると、途端に「国の借金で破綻する!」「放漫財政だ!」「無駄遣いするな!」「また公共事業のバラマキか!」と、陳腐なレトリックで攻撃され、国民の支持をかえって失うことになる。安倍総理大臣にしても例外ではない。 現在の日本国内には「財政拡大はいけない」という空気が満ち満ち、国民を豊かにし、デフレ脱却をもたらす財政政策を妨害する。この空気こそが、財務省のPB黒字化目標に正当性を与えてしまっているのだ。空気を変えるためには、やはり「言論」を動かさなければならない。特に、緊縮路線を進み続ける安倍政権を、「正論」に基づき批判しなければならないのだ。 率直に書くが、安倍政権の支持者たちこそが(筆者は違うが)、むしろ積極的に安倍政権の緊縮路線を攻撃するべきだ。何しろ政治とは安倍総理本人が語った通り、「結果」がすべてなのである。そして、安倍政権の「結果」は、緊縮路線の継続だ。 「安倍総理は、財政拡大が必要だと理解している。素晴らしい」 などと総理を褒めたたえたところで、結果的に緊縮路線が継続するならば、わが国は「亡国」に至る。 筆者が総理と会食した同日、'18年度の与党税制改正大綱の原案が明らかになった。所得税改革として、年収850万円超の会社員は所得控除が縮小され、増税だ。 財務省は、 「多様化する働き方に対応するため、誰もが使える基礎控除を増やし、高所得の会社員向けの給与所得控除を減らす」 と、説明しているが、全体としては1000億円近い「増税」になる。 もちろん、高所得者層に増税することは現在の日本にとって必ずしも間違っているとは言えない。とはいえ、それは高所得者への増税を財源に、低所得者層の負担を軽くする再分配政策があってこその話である。現在の日本政府は増税で国民の所得を巻き上げ、負債返済に充てるという最悪の路線を採っている。確かに負債返済によりPBの赤字は縮小するが、その分、日本国民が「貧困化」していく。 日本政府は第二次安倍政権が発足した'12年以降、PB赤字を激しく縮小させた。'11年に44.7兆円だったPB赤字は、'15年には18.6兆円。何と26兆円もの縮小だ。安倍政権の過激なPB赤字縮小がなければ、わが国の需要(GDP)は少なくとも5%超大きくなっていたはずで、とっくにデフレ脱却を果たしていただろう。 しかも、10月の総選挙の際には「所得税改革」の「し」の字も出てこなかった(消費税の議論はあったが)。選挙が終わった途端に当たり前のように「所得税改革」が推進され、増税が決まる。 所得税増税に加えて、出国税(観光促進税)、たばこ増税と、次から次への増税路線。さらには診療報酬、介護報酬の同時引き下げの推進。これが安倍政権の「結果」なのだ。 何しろ、PB黒字化目標という「毒針」を抜くことができていない。高齢化により社会保障支出が増加する以上、'19年の消費税増税、さらには所得税等の増税、社会保険料の引き上げ、診療報酬・介護報酬の削減、公共投資削減、防衛費や科学技術予算、教育予算、食料関係費等の抑制は「既定路線」なのである。 例えば、総理との会食において「農業問題」でも議論し、少なくとも、 「日本のコメ等を輸出し、食料生産能力を維持するには、輸出補助金(アメリカのように)を付けなければならない」 という点は一致を見たのだが、結論は、 「とはいえ、PB黒字化目標があるから、できない」 というのである。 すなわち、日本国の行く末は「PB目標を破棄できるか否か」に絞られている。最低でも、'18年6月の閣議決定の際にPB目標を破棄できなければ、話にならない(それが実現したとしても、予算に反映されるのは'19年度からなのだが)。 PB黒字化目標という「毒針」を抜くためには、世論や政治家の空気を「財政拡大」「反緊縮財政」の方に動かさなければならない。さもなければ、誰が総理大臣であってもPB目標破棄は不可能なのが現実の日本なのだ。 今回『財務省が日本を滅ぼす』の著者である筆者が総理と会食し、「PB黒字化目標が問題」という点について合意を見たことは、政治的に影響する可能性がある。とはいえ、筆者と総理が合意したところで、世論や多くの政治家が変わらなければ、このまま亡国まっしぐらというのが日本の現実なのである。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2017年12月29日 14時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 ビットコイン・バブル
インターネット上の仮想通貨『ビットコイン』の取引価格が急騰し、12月8日には、史上初めて1ビットコイン=200万円を超えた。ビットコインの相場は、年初には1ビットコイン=10万円前後で落ち着いていたが、11月下旬に100万円を超え、さらにその後、2週間足らずで、2倍に急騰したのだ。 これだけの高値を呼んだのは、なぜだろうか。それは、ビットコインの先物取引が始まることや、ビットコインを保有していると、新しい仮想通貨の無償交付が受けられるのではないかという期待が高まったからだ。しかし、私はいまの高値は完全なバブルだと思うし、一部で囁かれているように、ビットコインが普通の通貨を駆逐して主要通貨になるという事態も起きないと考えている。 仮想通貨というのは、インターネット上の通貨だ。エディやスイカなどの電子マネーとは少し違う。電子マネーの場合は、支払いには使えるが、誰かに送金したり、現金に戻したりはできない。しかし、ビットコインは、その両方が可能だ。加えて、相場も大きく変動し、1日で何十%も価値が変動することも珍しくない。そのため、相場変動の激しいネット上の「外貨」だと理解するのが、適当と言えるだろう。 ビットコインの為替相場が急騰を続いているのは、技術的に限界のあるビットコインの供給を需要が圧倒的に上回っているからだ。その結果、1年間で20倍もの値上がりになった。しかし、通貨の価値が20倍になるということは、裏を返せば1年間で物価が20分の1になったということだ。 物価が下がる「デフレ」が経済を破壊するというのは、よく知られている事実だ。だから、もしビットコインが主要通貨になっていたとしたら、それを使う経済は、恐慌状態に陥っただろう。そうしたことから、ビットコインが将来、通貨の主役となることはないし、それを期待して投資してはいけないのだ。 しかし、世界中に手数料なしで瞬時に資金移動ができるなど、仮想通貨が、通常の通貨と比べて計り知れない利便性を持っていることは間違いない。だから、私は今後、「固定相場」の仮想通貨が主役になっていくのではないかと考えている。 例えば、三菱UFJグループでは、MUFGコインという仮想通貨を作っていて、いま1500人の行員が実証実験を行っている。10月には、CEATEC JAPANというデジタル関係の見本市で一般公開された。MUFGコインは、1コインが1円となっている。コインを現金に戻すことも可能だ。為替相場の変動がないから、保有の不安がないのが、大きな特徴になっている。 ただし、こうした固定相場の仮想通貨は、他の金融グループなども開発を行っており、MUFGコインが、必ず主流になる保証はどこにもない。 いま、仮想通貨は100以上もの銘柄が作られていて、百花繚乱の状態にある。おそらく、これからは淘汰や合従連衡が行われて、実際に多くの人に使われる主要通貨が決まっていくことになるだろう。だから、我々が仮想通貨を活用するのは、それからでも遅くはない。現時点において、焦る必要はまったくないのだ。
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社会 2017年12月29日 10時00分
『日本カー・オブ・ザ・イヤー』で輸入車上位独占でも業界安堵の謎
今年の『日本カー・オブ・ザ・イヤー』が12月11日に最終選考会を実施し、ノミネートされていた10車種からボルボ『XC60』が選ばれた。輸入車の受賞は2013年のフォルクスワーゲン『ゴルフ』以来、2度目となる。 「無資格検査問題が発覚した日産とスバルが自主的にノミネートを辞退したことから、本命の日産『2代目リーフ』がノミネートされなかったことも大きいと言われています。選考の過程は、まれに見る混戦でした」(自動車ジャーナリスト) ノミネートされた10車種の獲得ポイントは以下の通りだ。ボルボ『XC60』294点、BMW『5シリーズセダン/ツーリング』242点、トヨタ『カムリ』232点、スズキ『スイフトシリーズ』210点、ホンダ『N-BOX』189点、レクサス『LC』115点、アルファロメオ『ジュリア』89点、マツダ『CX-5』83点、シトロエン『C3』35点、フォルクスワーゲン『ティグアン』35点。例年は1位と2位が飛び抜けてトップ争いを演じることが多いが、今年は複数台で接戦になったことが特徴だ。 「結果的に輸入車が“今年の車”となったことについて、業界は好意的に受け止めています。なぜかと言うと、今年の東京モーターショーを見て分かる通り、世界中の自動車メーカーは市場が熟しきった日本よりも、まだまだ伸びる余地のある中国や東南アジアにシフトをしており、明らかに日本パッシングの状態にあります。 となると、日本の消費者が車を購入する際に選択するメーカーや車種が少なくなったり、自動車メーカー同士の競争がなくなれば、日本の消費者は不利な価格やサービスで購入しなければならなくなるかもしれません。そのため、今回のボルボの受賞によって、日本市場は輸入車も寛容に受け入れる市場であることを海外メーカーに示すことができた、というわけですね」(車専門誌記者) 輸入車の比率が全体の10%にも満たない日本市場が世界中のメーカーからパッシングされないためには、“ホメ殺し”をするしかないのかも…。
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社会 2017年12月28日 22時40分
チケキャンのサービス停止であふれ返りそうな“チケット難民”
今月初め、芸能プロダクション「ジャニーズ事務所」の商標権を侵害したなどとして商標法違反、不正競争防止法違反両容疑で兵庫県警から捜索されていたことが明らかになったチケット転売の仲介サイト「チケットキャンプ(以下チケキャン)」だが、来年5月31日でサービスを終了することを27日、運営会社の親会社であるIT大手の「ミクシィ」が発表した。 「チケキャン」の運営会社は、独自にジャニーズ事務所関連のウェブサイト「ジャニーズ通信」を運営。同事務所が持つ商標を不正使用した疑いがあるとして、同県警から捜索されていたことが明らかになった。 「『ジャニーズ通信』はジャニーズ所属グループ・タレントのコンサート日程、チケット販売情報、本人の目撃情報、グッズ情報などを、公式情報やTwitterの投稿などを基にまとめ、記事として掲載。Twitter、LINEに更新情報を流していたが、根本的に『ジャニーズ』の名前を使ってしまったため、ジャニーズ幹部の逆鱗に触れてしまった」(芸能プロ関係者) 「ジャニーズ通信」はすでに公開停止。「ミクシィ」によると、サービス終了日まで、新規の会員登録や出品・リクエスト、落札は不可。すでに取引が成立したものは、通常通り取引可能で、売上金も振込依頼をすれば受領可能。 ただし、サービスが終了する来年5月31日以降は、取引の連絡、売上金の受け取りを含み、全ての機能が利用できなくなるという。 そのため、5月31日以降に開催される公演のチケットの取引が成立していれば、ユーザー側で取引相手と連絡がとれる状態にしておくように推奨している。 「結局、チケットの高額転売撲滅を目指すジャニーズの思うがままに事が運んでしまっている。チケキャンの事態を受け、おそらく、今後、『ヤフオク!』でもジャニーズチケットの扱いを自粛するのでは。チケキャンでは圧倒的に取り扱いはジャニーズのチケットが多かったので、チケキャンのサービス停止によってあふれ返る“チケット難民”は、ジャニーズのファンクラブ加入しか“救済措置”がなさそうだ」(芸能記者) 昨年末、SMAP解散でかなりの逸失利益があったジャニーズだが、チケキャンのおかげで増益となりそうだ。
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社会 2017年12月28日 14時00分
がん新薬開発で巻き返す「武田薬品」自社ビル売却の吉凶
武田薬品工業(本社=大阪市)が12月1日、東京都中央区にある東京本社が入る自社ビルと土地を、高島屋に売却することを発表した。譲渡額は495億円。この動きは、660億円を投じて間もなく完成する新東京本社ビル(同区)への移転に伴うものだが、狙いはそれだけではないという。 「資金を確保し、新薬開発資金、M&A資金に振り向けたいというのが実際のところ。世界の薬品業界は今、M&Aの嵐が吹き荒れると同時に、潤沢な資金で新薬開発を進めなければ淘汰されてしまう状況。日本ではトップの武田もその荒波にさらされており、それが余剰資産の売却に向かわせているのです」(薬品業界関係者) 武田薬品の場合、同業他社よりも、その動きを急ピッチで進めなければならない事情がある。 「2010年から'11年には約3000億円〜4000億円以上あった営業利益が、'13年頃から1000億円台になり厳しい経営状態にある。そうした中、社内の一部では不満が募り、'14年の株主総会では、創業者一族の一部と株主OBらが、当時社長だった長谷川閑史氏に事前質問状を送り付けるなど、大混乱したのです」(同) 内容は後任社長に米大手製薬会社グラクソ・スミスクライン出身のクリストフ・ウェバー現社長を選んだ理由と疑問、つまり外資に乗っ取られるのでは、という危惧での“反乱”だった。 当時の執行部はこれに対し、「グローバル化に必要な人材がウェバー氏であり、外国人社長と乗っ取りが同一に語られる理由が分からない」と反論、強気の姿勢で臨んできた。以来、武田薬品は一貫して日本のトップ製薬会社から世界のトップ10位以内に入ろうと、あがき続けているのだ。 「その延長線上に今回の売却話があるわけですが、資金捻出という意味では、今年4月にも品川区の賃貸用オフィスビルを約320億円で売却している。しかし、その2カ月前、がん治療薬の開発を手がける米アリアド・ファーマシューティカルズ社を約6200億円で買収しており、スクラップアンドビルドしながら攻めの経営を押し進めるというのが、武田の姿勢なのです。ただし一方で、業界内では“武田の焦りに勝算はあるのか”との声も聞こえてきます」(業界紙記者) 年商1000億円を超える薬を、「ブロックバスター」という。武田薬品は、かつて、そのブロックバスター商品である世界的特許薬を、4つも抱える超優良企業だった。糖尿病薬『アクトス』、高血圧薬『ブロプレス』、前立腺がんなどの抗がん剤『リューブリン』、消化性潰瘍薬『タケプロン』だ。 「しかし『タケプロン』が'09年、『アクトス』が'11年、『ブロプレス』が'12年と次々に特許切れとなり、『アクトス』はアメリカで発がんリスクがあるという評決が下された。この4特許製品で6割を占めていたことから売り上げは激減し、そんな事態にもかかわらず次期有力商品を開発できなかったのです。焦る経営陣は海外企業を買収して有力商品を乗っ取る計画に出たが、マネジメントと開発も失敗続きと揶揄され、結局、M&Aに数兆円を費やしただけに終わってしまった。この負のスパイラルから、いまだに抜けきれていないのでは、との指摘があるのです」(医療系大学教授) もっとも、武田薬品の苦悩は、国内の製薬会社に共通する部分もある。 「国内製薬会社の多くは、新薬の研究・開発で、患者数が多く市場性もある高血圧、糖尿病などの生活習慣病に重点が置かれてきた。ところが、この領域ではほぼ新薬が出尽くしているのが現状。そこで今度は、がんの治療薬にシフトし始めているのですが、こちらは販売までもっていくのが難しい。研究を始めた新薬候補が実際に発売される成功率は、3万分の1とも言われるほどなのです」(同) その成功例として象徴的なのが、小野薬品工業が20年かけて開発した、抗がん剤の『オプジーボ』('14年販売開始)で、これにより同社は'16年度の売り上げを対前年比48.2%増の、2413億円にまで押し上げた。 「しかし、これは奇跡に近い開発。新薬創出の困難さが増している今、製薬会社各社は生き残るためにあらゆる手を尽くして開発費を生み出し、M&Aを積み重ねていくしかない。ちなみに、世界トップの米ファイザーにしても、2位のスイスのロシュにしても、売上高5兆円企業とはいえ、研究開発費の方も1兆円近くで、3000億円程度の武田とはかなりの開きがある。どこまでも攻めの姿勢で行かなければ、サバイバル合戦にも参加できない状況なのです」(前出・記者) 武田薬品も今回の売却による資金を、がんの新薬開発を中心に注ぎ込むという。果たして“世界の武田”へ向け、巻き返しなるか。
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社会 2017年12月28日 10時00分
広島高裁「伊方原発」運転差し止め! 阿蘇山火砕流が海を越える可能性大の見解
政府の地震調査委員会は、北海道・東部沖の千島海溝沿いで、マグニチュード(M)9級の超巨大地震が今後30年以内に、最大40%の確率で起きるという見解を発表した。 四国周辺でも活断層とは別に南海トラフ地震が70%程度の確率で起こるとされている。12月13日、広島高裁は「阿蘇の過去の噴火で火砕流が到達した可能性は十分小さいと評価できず、原発の立地は認められない」として、来年1月に再稼動を予定していた四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めの仮処分を決定した。 高裁では、伊方原発から約130キロ離れた阿蘇カルデラで約9万年前に起きた破局噴火が発生した場合を検討したという。ちなみに、原子力規制委員会が調査を求めているのは、火山が160キロ内にある原発。海を越えることはないと考えがちだが、火砕流の密度は海水よりも低いために海上を渡る可能性が高いのだ。 地震学の権威で武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏はこう言う。 「今回の判決は画期的です。約9万年前に起きた『阿蘇4』(30万年前から4度目の噴火)と呼ばれる噴火は日本最大級のものでした。これで火砕流が九州全域に達したが、同レベルの破局噴火が起きれば、九州にある玄海原発(佐賀県)と川内原発(鹿児島県)も当然、壊滅する恐れがある。それを認めた判決なのです」 伊方原発といえば、すぐそばに日本列島を東西に貫く中央構造線と呼ばれる大断層が走り、阿蘇山も横切っている。しかも、断層付近では巨大地震が連鎖して起きることも指摘されているのだ。 「東日本大震災以降、周辺の火山が誘発されて噴火が相次いでいますが、海外に目を向けても、カムチャツカ地震(1952年=M9)、チリ地震('60年=M9.5)、アラスカ地震('64年=M9.2)、スマトラ島沖地震(2004年=M9.1)では、近隣の火山が例外なく噴火している。M6クラスなら大丈夫でしょうが、M7がぎりぎりで、M8の巨大地震が発生すれば、阿蘇の噴火が誘発されるかもしれないのです」(同) 北海道、九州、四国“同時活動”の恐れと言われているが、マグニチュード(M)9級クラストと言えば原発の危険どころではない。
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社会 2017年12月27日 18時00分
続スクープ 富岡八幡宮殺傷事件 本誌に届いた犯人遺書が予告する「宮司後継者」血縁抗争(2)
一方、富岡家に近い関係者から聞こえてくるのが、茂永容疑者の息子を後継に据えることを望む声だ。 「このような最悪の事態になってしまったが、茂永は'95年に宮司になり'01年に退任するまで、とにかく太っ腹ではあった。時に職員を数人引き連れてクラブへ行って大盤振る舞いをしたり、趣味の海釣りに氏子などを連れて行って気分転換させたりと、まあ浪費家で女癖も非常に悪かったが、人を楽しませる術は知っていた。だから一部からは慕われてもいたんです。あんな事件のあとで、しかも容疑者の息子と言われはするが、後継として名が挙がることは自然なことなんですよ」 茂永容疑者は真里子容疑者と一緒になる以前に2度の離婚をしているが、この息子A氏(30代)は1人目の妻との間に生まれ、茂永容疑者も遺書で宮司就任を要求している人物だ。 A氏は地元の高校を卒業後、昼間は富岡八幡宮でアルバイトをしながら國學院大学神道文化学科二部(夜間)に通い、卒業して宮司になるために必要な階位「明階」を取得したという。しかし、富岡八幡宮に出仕として採用されたものの、茂永容疑者の辞職後、6年前に長子宮司に懲戒解雇されている。 「富岡八幡宮の社宅からも追い出されたAさんは、不当解雇だとして訴えを起こしているが、敗訴に終わっている。当時からAさんに同情する関係者は多かったのですが、長子さんは頑として譲らなかったんです。Aさんは現在、都内の稲荷神社の権禰宜を務めており、後継という形の意味では、すんなり事が運びそうな存在。ただし、やはり“茂永の息子”という見方は拭えない」(氏子関係者) さらに関係者の一部からは、長子宮司・茂永容疑者の母親方の縁者を宮司に据えてはどうか、という話も出ているという。 「お母さんの実家は、京都の神社の宮司を代々務める名門中の名門で、そもそもお母さん自身、神社本庁から一目置かれる存在と言われている。そのため、これを機に現在は途切れている本庁との関係の問題も、一気に片づけてしまおうという意見もあるんです」(富岡八幡宮関係者) ここまで挙げただけでも6人の候補者がいるわけだが、先の富岡八幡宮に近い関係者はこう嘆く。 「中には、丸山権宮司の前の権宮司を戻してはどうかと話す者さえいる。この前権宮司は人格者で、八幡宮内での人望も非常に厚かった。もともと権宮司に定年はなかったのですが、茂永容疑者が権宮司の定年を70歳に定め、のちに長子さんが65歳にまで引き下げてしまった。その際、すでにこの人は70歳をすぎていて、辞めざるを得なかったんです。ただ、今になってどの面を下げて戻ってくれと言えますか。何だかんだで、茂永が遺書で綴っていた怨霊だの祟るだのといった文言は、後継選びにしばらく影響を与えると思います」 混乱を極める中、富岡八幡宮は年越しを迎える。
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社会 2017年12月27日 14時00分
日本人医師の『ネイチャー』誌受賞が国内で報じられない理由
日本の大手メディアは「報道しない自由」を操る悪癖がある。子宮頸がんの感染を防ぐHPVワクチンの安全性を広める活動を行ってきた医師・ジャーナリストの村中璃子氏も、こうしたメディアの被害者だ。 村中氏は、先頃、科学誌『ネイチャー』主催の世界的な権威を持つジョン・マドックス賞を日本人として初めて受賞したが、日本国内ではほとんど報道がなく、新聞に至っては産経、北海道新聞の2紙のみが取り上げたにすぎない。 「子宮頸がんは毎年約1万人が新たに発症し、約3000人が亡くなっています。これを防ごうと登場したのがHPVワクチンで、2011年初頭から大手全国紙は、子宮頸がんワクチンに関して歓迎ムードの記事を掲載したのです。その潮目が変わったのは'13年3月に、朝日新聞が同ワクチンを接種した都内の女子中学生に深刻な副作用が生じたとする記事でした。それ以降、メディアから『HPVワクチンは危ない』という報道のみがタレ流され、その結果、反ワクチン運動が巻き起こり、日本の同ワクチン接種率は70%から5%以下にまで激減したのです」(医療ジャーナリスト) HPVは主に性行為によって感染する。当然、その年齢に達する前の接種が望ましいが、親や祖父母世代には“10代前半の若い女性が性行為の準備としてワクチンを接種する”ということへの抵抗があった。だから、接種後に深刻な副作用が生じる恐れがあるという報道に感情的になった。 「一部の医師は、報道されたような副作用がワクチン接種を原因とするものではなく、別の背景があるのではないかと研究を進めたのです。こうした中、村中氏はワクチンについての誤情報を指摘し、安全性を説いたとして同賞を授与されたのです」(同) ワクチンに関してはHPVだけでなく、風疹も麻疹も異常なまでに低い接種率の世代を作った歴史があることを忘れてはならない。
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社会 2017年12月27日 10時00分
聖子ジャンヌダルク怖し! 来秋総裁選へ安倍陣営の“野田総務相潰し”が始まった
無派閥の一匹狼・野田聖子総務相に安倍晋三首相が怯えているという。来秋の自民党総裁選で3選を目指す安倍首相だが、その周辺では早くも難敵となりそうな野田総務相潰しが活発化している。 「安倍首相が3選となれば、首相在任期間が桂太郎元首相の2886日を'19年11月に超え歴代最長となる。さらに東京五輪時の首相の座のためにも、何が何でも勝つことだ」(周辺関係者) 総裁選出馬には、野田氏、石破茂元幹事長、岸田文雄政調会長の3者が強い意欲を持つ。ただし、現時点では安倍首相の細田派が96人で、“安倍支持”の麻生太郎財務相派閥60人、ここに二階俊博幹事長派閥44人を加えると200人。20人で伸び悩む石破派や44人の岸田派は、すでに勝負あったの感がある。 そうした中、不気味なのが野田氏だという。前回'15年の総裁選では、推薦人20人を集められず断念した経緯がある、無派閥の一匹狼にもかかわらずだ。 自民党関係者は、こう指摘する。 「無所属議員、各派閥には熱烈な野田ファンの議員も多い。例えば、額賀派の小渕優子元経産相などは姉と慕うほど。野田氏の最近の派手な動きに引き付けられる議員は多いのではないか」(自民党ベテラン議員) 野田氏は11月、地元の岐阜で来春にも女性を対象にした政治塾の立ち上げを発表。総裁選を戦う政策作りを始めるかのように、12月12日、総務省情報通信部局中心の若手官僚26人をメンバーとした「未来デザインチーム」なるものを発足させることも発表している。 「'01年、総裁選でダークホースだった小泉純一郎氏が田中真紀子氏と組んで、本命だった橋本龍太郎氏にあれよあれよと大差をつけ天下を取った例もある。チームの発足も、田中角栄氏が官僚を手なずけた手法と同じ。そんな動きから、安倍首相周辺はすでに前回同様、野田氏に近寄りそうな若手議員を中心に、1人1人切り崩しを始めている」(同) 果たして、野田聖子は“安倍一強”に立ち向かう、政界のジャンヌダルクになれるか?
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