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数奇な運命をたどった戦艦は、陰謀の犠牲となったのか? 戦艦ノヴォロシースク爆発の謎「3」

 いまから約60年前の1955年10月、ソ連(当時)海軍のセヴァストポリ軍港に停泊していた戦艦ノヴォロシースクの艦首付近が爆発、救援作業の不手際から転覆、沈没し、乗員ら609名(他の艦から駆けつけた救援隊も含む)が死亡する大惨事となった。調査の早い段階で艦内の事故や破壊工作という可能性は消滅し、また外部からの攻撃という可能性もほぼ消滅した。

 残るは、軍港内に存在していたなんらかの爆発物が戦艦を沈めたというものだが、困ったことにその可能性は少なくなかった。セヴァストポリ軍港は第2次世界大戦でも屈指の激戦地で、独ソ両軍が大量の機雷を散布しており、戦後10年を経てもなお、遺棄機雷による事故の危険性は存在していたのである。特にドイツ軍が撤退時に散布した機雷は艦船が発する磁気や音響、あるいは水圧などを感知、爆発する複合信管機雷で、極めて掃海しにくかった。

 特に厄介なのは遅延型起爆装置を備えた機雷で、何回か磁気や音響、あるいは水圧などを感知した段階で安全装置が解除された後で起爆するため、なんども繰り返し掃海しなければならず、最終的には水中工作班が手作業で除去しなければならなかった。そのため、主要な水路や停泊地以外の海域はなかなか掃海が進まず、また掃海済海域でも海底の泥などに埋もれていた機雷が嵐で表出することもあり、ソ連海軍を悩ませ続けていた。

 このような事情もあって、ソ連の調査委員会は最終的に「遺棄されていた戦時中の機雷による爆発」との結論を下し、不幸な事故として処理したのである。もちろん、爆発後の救援に際して発生した不手際は別で、直接の関係者はもちろん、海軍上層部にも処分が及んだ。

 しかし、果たして本当に偶然、戦時中の遺棄機雷が「戦艦の艦首付近で爆発した」のだろうか?

 まず、戦艦ノヴォロシースクは、これまでになんども爆発が起きた場所で停泊しているのだが、なぜ悲劇の日に機雷が爆発したのか?

 そもそも、爆発の原因が機雷であれば、停泊地へ侵入した段階で磁気や音響、あるいは水圧などを感知、爆発していたのではないか?

 そして、艦隊の将兵の間では、とある噂が語られるようになった。それは、戦艦ノヴォロシースクが、イタリア人の水中工作員が設置した爆薬によって沈められたというものであった…。

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