発表によると、逮捕容疑は横田容疑者がソフトバンクモバイル販売代理店に勤務していた10年7月1日頃から同年8月8日頃にかけ、携帯電話の契約者だった愛知県警の男性警部(48)ら3人の住所や自宅電話番号などの個人情報を不正に入手し、探偵業を営む平田容疑者に渡した疑い。平田容疑者は、この情報を愛知県内の情報業者の2人に伝えた疑い。
同課によると、横田容疑者は07年4月から10年11月まで岡山市北区にあったソフトバンクショップ(閉鎖)で勤務。08年7月には店長に昇格したが、店舗の統廃合に伴い解雇された。平田容疑者とは入社直後の07年5〜6月頃、系列店に勤める知人女性を通して知り合ったという。
横田容疑者は店舗の端末画面に表示させた個人情報を自分の携帯電話に入力し、メールで平田容疑者に送信していたとされる。平田容疑者からは個人情報1件当たり数千円の報酬を得ていたという。平田容疑者は契約者情報を愛知県内の情報屋にファクスで流し、1件1万3000円の報酬を受け取っていた。情報屋は名古屋市北区の探偵会社に報告、そこから依頼主に伝わった。
その後の捜査で、横田容疑者の銀行口座には、07年7月から45回にわたって、計380万円が平田容疑者から振り込まれていたことが分かった。また、平田容疑者は横田容疑者から得た個人情報を複数の調査会社に渡し、07年以降、約2000万円を受け取っていたことも判明した。
この男性警部は暴力団の資金源の捜査を担当。10年7月末、娘の実名を挙げつつ、捜査の打ち切りを要求する脅迫を携帯電話で受けた。県警は入手ルートを捜査。岡山市内の販売代理店で男性警部の情報が検索されていたことが分かり、横田容疑者が浮上した。
男性警部を巡っては、住民票の写しを不正取得していたとして司法書士事務所「プライム総合法務事務所」(東京都千代田区)の実質経営者ら5人を戸籍法違反などの容疑で逮捕。実質経営者は今年5月、名古屋地裁で懲役3年の実刑判決を言い渡されている。
(蔵元英二)