ドラマの出演作品数は10本に満たないが、映画は「素晴らしい悪女」(1963年)をはじめ数々の作品に出演。「コミック雑誌なんかいらない!」(1986年)では主人公の芸能リポーター役を熱演。時事ネタを取り上げるなどして話題を呼び、映画賞を受賞した。
また、「魚からダイオキシン!!」(1992年)は、内田さんが自ら主演・企画・脚本を手掛け、歌手の宇崎竜童がメガホンを撮った異色作。東京都知事選挙に関する映像は、内田さんが実際に1991年の東京都知事選挙に出馬した時のものを使用し話題になった。
そんな内田さんが俳優としての真骨頂を発揮し、映画ファンの間で語り継がれている作品が主演映画「水のないプール」(1982年)だという。
「メガホンを取ったのは、ピンク映画から転身し、社会派作品の急先鋒だった故若松孝二監督。実際の事件をもとに、内田さんは窓の隙間からクロロホルムを注入して部屋の中の女性を眠らせた後、侵入して性的暴行を働く主人公を演じました。当初、ヒロイン役は当時無名だった高畑淳子に決定していた。しかし、高畑が脱ぐのを拒みクランクイン寸前で降板してしまう。内田さんは降板劇を許しておらず、方々で『(高畑に)会ったら蹴飛ばしてやろうと思ってんだけど、なかなか会わねぇんだよねぇ』と言い放っていたそうです」(映画業界関係者)
今やすっかり売れっ子になった高畑だが、同作の降板劇は“黒歴史”になってしまったはずだ。