私は高校の頃、某ギャル系ファッション雑誌を愛読してた。その中には『メガ盛り』や『ペガサスMIX盛り』とかインパクトのある髪型がいっぱい掲載されていて、クラスの子と写真を見ながら盛り上がってた。その本はキャバクラ嬢のバイブルって言われてたぐらいで、いつしか私もキャバ嬢になろうという夢が生まれたんだよね。雑誌に載ってるモデルさんみたいに華やかな世界で稼いで、綺麗になり、ブランドものをいっぱい身に付けたいって。
それで私はキャバクラ嬢になったのだけど、そんなフレッシュな気持ちは半年で消えてしまった。指名もあまり取れず、ナンバー1にはほど遠い。お客さんのグチを聞くのも大変で想像していた生活とは違った。それでもがんばれたのは、あのギャル雑誌があったからかも。でも去年、その雑誌は廃刊になった。その他にも様々な歴史あるギャル雑誌がなくなって、2014年はギャル文化の終焉だなんて言われてたっけ。その停滞した空気に私も押されてしまって夜の世界からフェードアウトした。
とはいえその後の昼の仕事はやっぱ続かなかったよ。飲食店で働いても、ずっと立っているのがダルイし、大きな声を出すのも疲れる。ほかにパソコン事務の打ち込み作業もやったけど目と首が痛くなるしね。これならまだキャバクラの方がマシだったなと思った。
そんな時に私の好きだったギャル雑誌の復活ニュースが飛び込んできた。復刊イベントに登場したさくりなちゃんとか大好きなモデルさんを見ていたら、やっぱり私ももう一度、キャバの世界でがんばってみようと思ったんだよね。確かに、今はナチュラルメイクが主流だし、キャバ嬢もメガ盛りな髪型をマネする人は少ないかもしれない。でも不況の今、文字と写真でムーブメントを作ろうとしている人たちを応援したいし、私もキャバという現場の中から、雑誌を楽しみたい。だからもう少しキャバでがんばっていきます。
(取材/構成・篠田エレナ)