「今までオレはこれだけのことをやって来た。そろそろそっちも誠意ってもんを見せてやがれ! いい加減好きになってくれ、お願い好きになって…何卒ひとつ好きになっていただけないでしょうか…」
もがけばもがくほど陥ってしまう、それがキャバクラの循環。その負のループから抜け出さない限り、キャバクラで成功するのは不可能だ。
「こっちとら、毎回毎回指名してんのに、席につくのが10分って…どういうことだ、ゴルァー!」
そんな不満をよく抱く、というのであれば、お店の箱を小さくしてみるというのはどうだろうか。箱が大きいと同じ指名の客同士を離れた席に案内できるので、女の子も安心してアチコチにテーブルを持ちやすい。事前に常連のアポが被っても平気で呼べる。
そんな状態であるから逆に、一卓しか付いていないと、どうも落ち着かない。寂しい気がしてくる。
「やっぱり最低2卓は持ちたい。3卓くらいががちょうどいいのよね」
などと考え出す。 その点、箱が小さいと上記の状態では回らない上、無神経過ぎるのでバッティングしないよう配慮も出て来る。必然的に一人の客の席に付く時間は長くなる。それだけしゃべれるし、チャンスも増えるぞ。