今年の八月から秋葉原にアトリエを構えるこのショップは、クリスタルガラスを使用した、携帯電話などのデコレーション技術をオタ向けにしたもの。携帯にアニメ絵をデコレーションしたりフィギュアに装飾を頼む人が多いとのこと。元々ギャル系雑誌でよく見かけられ、キャバ嬢などが好んでいたデコレーションだが、ここ最近になってオタクの間でもフィギュアや携帯ゲーム機への装飾依頼が急増。そんな経緯もあって、数人のデザイナーが集まり、秋葉原を拠点に活動することになったそうだ。
さて、オタデコレーション、値段はどのくらいなのか気なるところだろう。聞いたところによると、全て“デコレーター”と呼ばれるスタッフの手作業で、使用されるクリスタルガラスは最高級と名高いスワロフスキー社のもの。アイフォンカバーの全体デコレーションだと3万円数千円程度から、フィギュアの装飾だと7千円前後が目安の価格とのこと。正直、デコレーションに興味のない筆者は、値段を聞いてその場で思わず「高い!」と、失礼にも言葉に出してしまったが、「多少お金はかかりますがクオリティーはお約束出来ます!」と女性スタッフに熱意のこもった言葉が返ってきた。
装飾されたフィギュアなどを見ると衣装部分が輝き存在感がましている。そしてオーダー制なので、クリスタルの色指定も自分の好きなように出来る一点もの仕様フィギュアが自分のものになる訳だ。自分だけのフィギュアが手に入るということを考えれば、この価格でも文句はないだろう。携帯電話の装飾はとにかく目立つ。特別なものを持っているという優越感をもつのに十分。手にいれればオタ友に自慢出来ることは確実だ。キャバ嬢がハデに携帯電話をデコる理由もなんとなく分かった気がした。このプレミア感は一度持つとクセになりそうだ。正直、侮っていたがデコの世界も中々奥深い。頭ごなしに高いと言った自分が恥ずかしい。
最後に会場の展示物で一際目立っていた「1/60スケール Zガンダム」の全体デコレーション価格を聞いたところ、値段はなんと200万円。さすがに頼む人はいないだろうと思い聞いてみたら、「以前、同じものを羽田空港に展示していたのですが、それに惚れ込んだお客様からデコレーションの依頼を頂きました」と驚愕の答えが返ってきた。飽きっぽいギャル達と違い、好きなもにはお金を惜しまないオタクたち。そんな人々をターゲットにしたこのデコレーションサービス、意外と当たりなのかもしれない。秋葉原のアトリエでは携帯電話やフィギュアのデコレーション相談の他、初心者向けのデコレーション体験教室の予約などもしているとのことなので、ぜひ興味を持った人は足を運んでみてはどうだろうか?(斎藤雅道)