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WBC世界フライ級タイトルマッチまであと4日 2年に及ぶ因縁ついに決着

 いよいよ4日後に迫ったWBC世界フライ級タイトルマッチ(29日、さいたまスーパーアリーナ)。誰もが待ち望んでいたビッグマッチがついに実現する。王者・内藤大助(宮田)と挑戦者・亀田興毅(亀田)は、2年前から続く因縁に終止符を打つことになる。世紀の一戦「かつしかダービー」を制すのは果たして!?

 今年のボクシング界で一番の注目カード、内藤VS興毅。この2人の関係は2年前にさかのぼる。
 当時、日本同級王者だった内藤がポスターを製作し、日本人と対戦しない興毅を挑発。その後、内藤は世界王者となり、初防衛戦の相手に亀田家を指名した。そして、2007年10月、次男大毅の挑戦を退け、V1を達成。それから2人は対照的な道を歩くことになった。
 一夜にして国民的ヒーローとなった王者内藤は、今回が6度目の防衛戦。これまで自身が持つ最年長防衛記録を更新し続けてきた。
 今回の試合に向け、北海道、千葉、長野の3カ所で走り込み合宿を敢行。内藤は「スタミナ強化を重視してきた。35歳という年齢も考えて、毎回毎回(走る量が)増えていってる気がするんだよね」と語るように、その体力は衰えることを知らない。
 野木丈司トレーナーの指導のもと、週休2日制のトレーニングメニューをこなし「バッチリ。トレーナーの言うことは大事。すべて100%言うことを聞いてる」と順調に調整は進んでいる様子だ。
 体力面での充実はもちろん、精神面の向上は目を見張るものがある。これまで興毅から度重なる挑発を受けても動じなかった。「注目されれば、されるほど弱かったけど、あん時(大毅戦)の方がプレッシャーかかってたのかなって気はする」(内藤)
 宮田博行会長は「自信がつきましたよね。元々いじめられっ子で、自信が無いからイジメられてましたから。『自分が出来る』っていう決断が出来るようになりましたね。石橋をたたいても今までは渡らなかったのが、チャンピオンと呼ばれるようになってから渡るようになりましたからね」と太鼓判を押す。
 体力、精神面で充実の一途をたどる王者。日本人相手に無敗を誇る“日本人キラー”として死角はなさそうだ。

 一方、3階級制覇を目指す前WBAライトフライ級王者の興毅は、ここまでたどり着くのに2年の歳月を要した。昨年末に一度内藤との対戦の話が持ち上がったが、交渉面で折り合わず破談となっていた。
 WBA王者のデンカオセーンのマネージャー二重契約問題など、曲折を経てようやくつかんだ2度目の世界挑戦。だが、興毅は「通過点。レベルの違いを見せつけたる」と揺るぎない自信を示す。
 奄美大島で走り込み合宿、鳥取では大リーグで活躍するイチローを指導しているトレーナーにも弟子入り。初動負荷理論を学んだ。フィリピンから新たにスパーリングパートナーも招へいし、100Rのスパーリング。やることはすべてやった。
 「1本目のベルト(ライトフライ級)は判定やったから2本目はKOで。前半戦で仕留める。いい試合して2階級制覇したい」と宣言している。
 23歳の誕生日を迎えたばかりの興毅。2階級制覇を達成し、2009年を最高の形で締めくくることができるか。
 「世紀の一戦」を放送するTBSでは、試合当日と翌日はボクシング一色となりそうだ。29日には14時から直前番組を放送し盛り上げる。翌30日の21時からは世紀の一戦の舞台裏となるドキュメンタリー番組を放送する。この試合の勝者は、翌日の生放送番組からのオファー殺到が予想され、“TBSジャック”するというビッグボーナスも得られるだけに、負けられない戦いとなりそうだ。

◎レパード玉熊がズバリ予想
 元WBA世界フライ級チャンピオンの玉熊幸人氏は世紀の一戦を「まったくの五分五分」と予想。その上で勝負の分かれ目をいくつか挙げた。

 興毅選手は、小さい時からやっているんできれいなボクシングをしますね。ファイターとして打ち合うこともできるし、アウトボクシングもできる。器用な選手です。
 でも、打ち合いをやったら内藤選手の方がキャリアがあるので、クリンチでうまく逃げられたりされると思います。逆に離れると左右のフックがあるので警戒しなければなりません。
 勝敗を左右するのは、パンチの力だと思います。パワーは五分。内藤選手は、いろんなところからパンチが当てられるのでKOするとすれば内藤選手。アウトボクシングでポイントを稼いでいけば興毅選手だと思います。

(写真=KOか判定決着か? 亀田興毅と内藤大助の世紀の一戦は日本中の注目を集める(写真は合成))

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