伊集院は番組冒頭、歌丸さんの訃報について触れ、「ショックはショックだけどある程度の覚悟はできていた」と語り、話は2年前、2016年に行われた六代目三遊亭円楽と歌丸さんが出演する落語会へ行った時のエピソードへ。その時、既に歌丸さんは肺の病に侵されており、公演がはじまる直前まで酸素チューブで呼吸を行い、一席語り終わった後は再びチューブを鼻に入れて高座を降りる歌丸さんの姿に「鬼気迫るものを感じた」と語っていた。
伊集院はかつては円楽に入門していた元落語家で、新人時代に歌丸さんから言われた強烈な一言を未だ覚えているという。円楽(当時・三遊亭楽太郎)に連れられ、はじめて日本テレビ系『笑点』の現場へ行った伊集院は「こんど楽太郎のところへ入りました三遊亭楽大(伊集院の高座名)と申します。よろしくお願いします」と挨拶したところ、歌丸さんは新人時代の伊集院に対し、「兄ちゃん。辞めるなら今日の午後辞めな。やるなら一生やんなさい」と語りかけたという。これは歌丸さんいわく、「生半可な気持ちでやるなよ」という意味合いが込められおり、歌丸さんは伊集院を含む多くの若手芸人にこの言葉を語りかけていたという。
また、歌丸さんは後年、伊集院のラジオ番組にゲストした際にも、上記のアドバイスはよく覚えていたほか、また、「笑点を卒業した後は何をやるのか」という伊集院の質問に対しては、「落語しかない。まだまだ演じてみたい話はたくさんある」と強く語ったほか、意外な趣味として「化石集めに凝っている」というエピソードを話していた。
伊集院は「辞めるなら今日の午後辞めな」との教えを受けた歌丸さんに対し、「結果、自分は中途半端な時期に辞めてしまったこともあって、そう言ってくれた人が死んじゃったんだなぁと」と自分の青春時代の思い出を振り返っていた。