報道によると、落語芸術協会は会長である桂歌丸の権限はそのままに、現副会長である三遊亭小遊三を会長代行として承認。現在、入院中の歌丸の体調が回復するまで、小遊三が副会長および会長の職責を兼任することになる。
歌丸は2018年に入り、肺炎などで体調が優れず長期入院中。『もう笑点』(日本テレビ系)などのテレビ出演を除いて活動をセーブしており、現在は高座にも出演していない。
そのため、一部の関係者の間では「歌丸の身に何かあったのではないか」と心配の声も相次いでいるという。今回の歌丸の事実上の会長退任について、落語業界に詳しい芸能ライターはこう分析する。
「歌丸さんは笑点を卒業する前後から体調を崩しがちになっていて、現在出演中の『もう笑点』でも肺炎の影響なのか毎週、鼻にゴムチューブをつけたままで出演しています。その姿は非常に痛ましく、最近でもお弟子さんを含めた落語界の仲間も長期の休養を本人に直接懇願したほどです。いくら、『負けず嫌い』で知られる歌丸さんでも体調には勝てず、高座復帰のため、会長職を退任する覚悟ができたのではないでしょうか」(芸能ライター)
事実、歌丸が務める落語芸術協会の会長職は、いわゆる「名誉職」ではなく実務が伴う総合職である。協会員にお祝いごとやお悔やみごとがあれば会のトップとして出席するほか、予算案や協会主催の催し物も会長である歌丸に最終決定権があり、御年81歳の歌丸にとって大きな体の負担となっていたのは間違いがない。
また、前出の記者はこう分析する。
「今回の事実上の退任については、恐らく国からもクレームが付いたのではないでしょうか。落語芸術協会は税金面などが優遇されている公益社団法人のため、行政庁からの監査が頻繁に入ります。協会の顔である歌丸さんが高座はおろか、協会の仕事ができなくなり業務が滞った場合、助成金のカットなど大きな制裁を受ける可能性もあります。そのため、落語芸術協会の将来を前向きに考えた場合、今回の勇退を決めたのではないでしょうか」
笑点に続き会長職も降りた桂歌丸……身軽になった老落語家は「不死鳥」のように羽ばたけるか?