13日のヤクルト戦を7回雨天コールド(10−3)で勝利したDeNAのラミレス監督は少し困惑した表情を浮かべていた。
横浜スタジアムでは試合開始の13時より前から雨が降り始めていた。試合開始30分後に大雨が降るという予報があり、夜半まで雨が続くとされていた。DeNAはこの日までの3日間、女性ファンを対象としたスペシャルイベント『YOKOHAMAガールズフェスティバル』を開催。女性ファンにはスペシャルユニフォームが配布されるとあって、たくさんのファンが詰めかけていたこともあってか、試合は強行された。NPBでは、プレーボールまでは主催者(主に主催球団)、プレーボールからは審判団に試合を催行するか決める権利を持つのだ。
予報通り、試合が進むに連れ雨足が強くなり、記者室のモニター画面も見づらいほどだった。外にも出てみたが、普通に歩くにも傘がなければ厳しい状態。関係者の間で「何とか5回までは…」という声も飛び交っていた。
しかし、5-3とDeNAが2点リードのまま試合が成立する5回表を終了しても土を入れ替えるだけで、審判団に試合を止める気配はない。5回裏には、柴田が今シーズン初ヒットとなる2ランホームランを放ち、ヤクルトを突き放した。ラミレス監督も「(イニングが伸びたから出た)ボーナス」と笑っていたが、結局、審判団が試合を止めたのは10-3と7点差に広がった7回終了時。ファン、選手からは疲労の色が伺えた。
昨年、甲子園球場で大雨の中行われたセ・リーグクライマックスシリーズ(CS)1stステージ、阪神対DeNAでも無理に試合を続行して議論が起こった。ただ、CSや毎年梅雨のシーズンに行われるセ・パ交流戦(今季は5月29日開幕)は日程に制約があるため、大雨でも試合が強行されることが多い。
13日の試合の場合は、ある程度点差が開いたにもかかわらず試合を続行した。予備日が潤沢にある公式戦を強行したことに関し批判が多く見られる。ただ、昭和のプロ野球では秋の風物詩だった雨天順延試合によるダブルヘッダーが、1998年シーズンを最後に行われていないことも、雨天時に試合を強行をせざるを得ない状況を作っているのかもしれない。
学生野球が開催される秋の神宮や、特殊な天然芝を使用している仙台ではダブルヘッダーが厳しいというのも試合を強行しがちな理由だろう。しかし、選手の安全面はもちろん、観戦しているファンの体調面にも配慮する必要はある。もう少しゆとりを持った日程を検討してもいいのではないだろうか。
特にCSや交流戦は大雨での強行を避けるよう検討してもらいたい。
取材・文・写真 / どら増田