クイーンC、フィリーズRではともに1番人気に支持されながら4着に敗退。特に前走はスムーズな競馬を見せながら直線ではこの馬らしい伸びをまったく発揮できずに終わった。
「道中からすごくいい手応えだったのに、追ってからサッパリ。敗因がよくわからない」と清山助手。「でも、あれがこの馬の力じゃない。きっかけさえつかめれば、ガラッと変わっていい」と巻き返しに期待を寄せる。
追い風も吹いている。皐月賞では同厩舎のトライアンフマーチが2着に善戦。クラシックでの角居厩舎の底力を改めて見せつけた。
しかも、勝ち馬アンライバルドは同じネオユニヴァース産駒。中距離戦では抜群の瞬発力を発揮する血統だけに、東京の2000メートル戦への条件がわりも大きくプラスに働くはずだ。
「気のいい馬だけど、抑えも利くタイプ。だから二千でもいい脚が使えるはず。むしろ、忙しい距離よりも脚をためていける分、条件的に合っていると思う」と同助手も距離延長での末脚爆発に手応え十分だ。
何より女王ともう一度、大舞台で戦いたい。打倒ブエナビスタに向けても、このトライアルでの上位争いは必須条件だ。ここをクリアしないと、賞金的にオークスへの出走は不可能になる。
「最近はふがいない競馬ばかりだけど、底力を発揮すれば十分に勝ち負けできる。何よりもう一度、大きな舞台に立たせたいからね」
ここは完全燃焼で出走権ゲットだ。
【最終追いVTR】武豊騎手を背に、芝コースで6F82秒9→67秒4→52秒4→38秒5→12秒1を馬なりで計時した。例によって角居流の3頭併せ。デルタブルース(古馬オープン)、ブーケフレグランス(古馬オープン)を1秒4後方から追走。徐々にピッチを上げ、直線入り口で追いつくと、ラストは自らハミを取り、格上2頭に楽に先着した。文句なしの仕上がりだ。