昨季ACL王者のG大阪はアウェーに滅法強い。同組最大のライバルと見られたFCソウル(韓国)から大量4点を奪い、今回のスリヴィジャヤ戦も3点を取って圧倒した。今季加入したレアンドロとチョ・ジェジンが確実に仕事をし、「ACL男」の山崎雅人も健在。切り札・播戸竜二も控えるなど、とにかくFW陣の層が厚い。
川崎もG大阪と同じでFW陣の分厚さが最大の長所。チーム状態が悪かった今季序盤戦も北朝鮮代表の鄭大世がチームを引っ張ってきた。そして今回のCCM戦もジュニーニョとレナチーニョという両ブラジル人FWが爆発。肝心なところでの勝負強さを示した。「苦しい内容だったけど、セットプレー2本で勝つというのは、今までのウチにないパターン」と中村憲剛もチームの成長を実感していた。
名古屋グランパスも玉田圭司を負傷で欠く中、敵地でのニューカッスルジェッツ(豪州)戦に勝利。16強入りに王手をかけた。鹿島アントラーズはホームで格下のシンガポールAFを5-0で下し3勝目を挙げたが、3月に水原三星(韓国)に敵地で大敗したのが響いて、残り2試合も緊張した戦いを強いられる。
「ACLはホームでの勝ち点3は当たり前。何よりも大事なのは敵地で負けないこと」と横浜F・マリノス時代に1次リーグ敗退を経験した田中隼磨(名古屋)も話す。G大阪が早々とグループを突破できるのも、アウェーでの強さがあってのもの。
とはいえ、これだけJリーグ勢が簡単に勝ち抜けるのも、ACL1次リーグのレベルが低すぎるため。日韓両国の力が頭抜けている現状のままでは、大会の価値と質は上がらないだろう。