サイズは10センチにも満たない小さなものなので、口には小さな歯がびっしりと揃っており、残っている鱗には灰色地に褐色のまだら模様が判別できる。
山口敏太郎がこの干し首を入手したとき、外箱には小さな書簡が一枚入っており、説明によるとこの干し首は幕末から明治の頃のもので、会津藩の領内で捕獲された個体の首を乾燥させたものだとされている。
ツチノコはご存知の方も多いとは思うが、1970年代に全国で一大ブームを巻き起こし、全国的にその名が知れ渡ることになった日本の代表的なUMAである。
非常に男心を擽られるロマンあふれる一品であるのだが、この干し首はツチノコではない別の生き物のものではないかとの説が出てきている。
体色と大きさが同じくらいの爬虫類でトッケイというヤモリがおり、中国では乾燥させたものを漢方薬として発売しているのだ。この『トッケイヤモリ』の外見が、今回のツチノコの干し首とそっくりなのだ。
漢方薬として購入した人物が残った頭の部分でそれらしく仕立てあげたものという説も囁かれており、書簡に書かれた文字も比較的新しいもので近年になって書かれたものと思われる。そのためこの干し首の正体はまったくもって不明なのである。
また、ツチノコは福島県で明治・大正期に捕まえられたという説がある。書付も残ってはいるが明確にツチノコと書かれてはいないので真相は定かではない。
そもそも、ツチノコは体が太っているからこそ価値があるはずなのに体を捨ててしまっているのが今回の写真の笑えるポイントである。
なお、今回ご紹介した「ツチノコの干し首」であるが、今冬より山口敏太郎が都内某所でオープンすると噂されている「不思議コレクション展常設館」にて展示する予定である。
オープンのあかつきには是非、悲劇のツチノコへ会いに来て欲しいと思う。
(山口敏太郎事務所)