「もし、あなたが幻の珍蛇「ツチノコ」をいとも簡単にラクラク、即効で捕獲することが出来たとしたら、あなたの人生激変しますか?」この衝撃的な前文で始まるホームページ。(株)未知のオフィスが運営するホームページ(http://www.michioseibutu.com/tuchinoko/)ではなんとツチノコを簡単に捕獲できる情報を提供するという旨が記載されていた。
ツチノコといえば江戸時代からその存在がささやかれ多くの人が目撃し捕獲にチャレンジ、しかし、いまだに公式にはその存在が認められず幻の生物として知らない人はいないUMAだ。
日本人のツチノコ人気は依然高く、この幻の生物捕獲を町おこしに利用しようと多くの自治体で「ツチノコ捕獲イベント」を多額の経費をかけ開催するなど笑うに笑えない社会事象まで巻き起こしている。
この「ツチノコ」が簡単に捕獲できる…。もしそれが事実ならば大事件である。はやる気持ちを押さえNMR編集部は道野氏からお話を伺った。まずは冷静にならなければ…。きちんと順序を踏み、一体どこから「ツチノコ捕獲情報」を手に入れたのか? という質問からインタビューを始める。
道野「実際にツチノコを2匹捕まえたという、とある山寺のご住職から入手に成功したんです」
実際にツチノコを捕獲した住職…!?それは一体誰なのか?しかし捕獲の情報に触れる内容については答えられないという返事が返ってくる。ただ、捕獲情報を扱う道野氏が実際にツチノコを捕獲していると考えるのは不自然なことではあるまい。われわれは当の道野氏がツチノコを捕獲したのかどうか尋ねてみた。
道野「お恥ずかしい事にまだなんです。ただ珍しい蛇は捕獲しました。私が捕獲するのも時間の問題です。そして、情報入手先のご住職に至っては2匹捕獲しています」
では一体、なぜその情報を一般にリリースすることにしたのだろう?
「それにはいろいろありますが、まず、私自身がツチノコを見たい。誰でも良いからツチノコを発見して欲しいという強い願望でしょう。さらにたまたまご紹介いただいたそのご住職のツチノコに対する熱き思いを世に広めるため、最後に日本中の少年少女へ夢を持つことの大切さを伝えたりツチノコを発見というニュースをきっかけに人々が今一度、自然に目を向け環境保護に興味を持ってくれればと考えての事です」
ツチノコや自然について熱く語る道野氏。では、実際にこれまでの反響はどうなのだろう?
「情報のご購入者からは、家族で楽しくツチノコ探検に出かけたり、今まで興味がなかった方でも、ツチノコにハマったりと、手前味噌ながら、絶賛いただいております。推薦文もホームページ上に掲載しています」
???…。我々の胸をよぎる嫌な予感。その情報を元にツチノコ捕獲に成功した人がいるのかどうか?インタビューは核心に迫る。
「現在まで報告としては聞いていません。見つけても秘密にしておこうと考える人が多いのでは?この情報の意義は見つけた、見つけないではありません。よって当方としても聞く意味が無いのです」
さらに熱く語る道野氏のツチノコに対する想いはとどまる所を知らない。
「ツチノコがいる、いないレベルの話はナンセンス。ツチノコはいるんです!私の本当の使命は、ツチノコが発見された後、大自然の大切さを訴えることができるのか、その部分に焦点を当てています。ツチノコこそが人間の心を優しくし夢を与えてくれるのです」
われわれは最後にその情報の最も重要な部分は何か?道野氏に尋ねた。
「あなたのお住まいの近所にもツチノコがゴロゴロ生息していることがわかっていただけるところではないでしょうか」
ツチノコ捕獲にかかわる直接の情報に関する質問はいっさいNGという難しい状況の中でのインタビューであったが結局その情報を元にツチノコが捕獲できるのかどうかについて確認することはできななかった。「ツチノコが簡単に捕獲できる」道野氏がこの国家機密級の情報をつかさどるフィクサーなのか単なるエコロジストなのか…。その答えはいまだ闇の中である。
ただ、ツチノコの捕獲が我々の社会に明るさを与え自然保護への取り組みを促すきっかけになる可能性があることは疑いようがない。
(写真(上)=「門外不出のツチノコ捕獲秘伝」というHPを開いている道野隆司氏。無料メールマガジンも発行している)
(写真(中)=道野隆司氏が描いたツチノコの絵。従来から指摘されているツチノコの特徴がそのまま表れている)
(写真(下)=道野氏のHPから申し込むと秘伝のツチノコ捕獲法がPDFファイル形式で全160ページ送られてくる)