日本でも知られた有名なUMAであり、こちらを一度振り返って森のなかへ消えていく「パターソン・ギムリン・フィルム」の動画ないしは写真を見たことがある人も多いだろう。
ビッグフットは体長2〜3メートル、直立二足歩行する毛むくじゃらの類人猿という姿をしている。名前は巨体を支える大きな足に由来する。現在まで二○○○件以上の目撃証言があり、古くは1800年代にもさかのぼるという伝統的なアメリカのUMAだ。
威圧感を与える姿から恐ろしい怪物を連想しがちだが、臆病なのかあまり人間に近づいてこようとはせず、人間と出会った場合でもせいぜい威嚇程度しか行わないため、比較的温厚な性格をしていると言われている。
しかし、中にはビッグフットの集団に襲われた!? という事件も存在するのだ。
事件が起きたのは1924年7月、アメリカはワシントン州エープキャニオンでのこと。近くの炭鉱にて働いていた鉱夫フレッド・ベック氏は、山中でビッグフットに遭遇。慌てた彼は携帯していた銃をビッグフットに向けて発砲、三発の銃弾を浴びたビッグフットはその場に倒れ、動かなくなった。
彼はビッグフットを射殺してしまったのである。
彼はその後、仲間の鉱夫たちが寝泊まりしていた山小屋に帰り着いたが、夜になって小屋に大きな石が次々と投げつけられた。小屋の外には毛むくじゃらの怪物が動いているのが判る。殺された仲間の仇討ちか、複数のビッグフットが小屋を襲撃してきたのである! ビッグフットたちは大きな石や丸太で小屋を壊そうとしたそうで、慌てた鉱夫たちが銃で応戦したもののビッグフットは怯むこともなく、夜が開けるまで襲撃を続けていたという。
この話は当時の新聞にも掲載されるなど、大きく報道された。事件現場ともなった問題の小屋は1960年代になって焼失してしまい、長らくその正確な位置が解らなくなっていた。
しかし、2013年にワシントンの超常現象調査グループの調査により、おおよその場所が判明することとなった。調査グループは現地でスプーンや釘などを発見している。
調査が進めば、ビッグフット遭遇事件の現場や当時の痕跡が出てくるのかもしれない。
写真:1924年のビッグフット襲撃事件が掲載された新聞
文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所